アルバニア屈指の世界遺産“千の窓を持つ町”「ベラト」

アルバニア屈指の世界遺産“千の窓を持つ町”「ベラト」

更新日:2023/10/11 13:24

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
アルバニア南部にあるベラトは、非常に人気のある世界遺産で、城塞と町並みに魅力があり旅人の散策に最適です。山の上には古代から栄えた城跡があり、その中に居住する住民の生活にも触れられます。下にくだると「千の窓を持つ町」と呼ばれる印象的な歴史街区が広がります。山の斜面に築かれた家々、小さな教会、レストランやカフェなど、どこを撮ってもフォトジェニック!ぜひ絵になる町ベラトを一日ゆっくりお楽しみください。

ベラト城砦

ベラト城砦

写真:菊池 模糊

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ベラトにそびえる山にはベラト城砦があり、景観が素晴らしいことから必見の観光地となっています。ここは紀元前2300年前にイリュリア人によって砦が築かれたのが始まりで、以降ビザンツ時代からセルビア王国時代やオスマン帝国時代を経て非常に長い歴史を持っています。

ビザンツ様式の教会や中世イスラム様式のモスクの遺跡などが点在し、景観が素晴らしく、そこに住む人々の生活も見られることからローカルな魅力あふれる観光地となっています。

ベラト城砦

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現在のベラト城塞の基本は13世紀に要害の地を守る砦として築かれたベラト城で、門付近の石垣をみると極めて堅固な構造の築城技術がわかります。一時宗教が禁止された時代があり教会やモスクは荒廃しましたが、城砦石積みはしっかりと残っており長い歴史の重みを実感できます。

ベラト城砦

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宗教禁止時代に破壊されたものが多いのですが、比較的良い状態で残されているのが聖三位教会。14世紀に建てられたマケドニア正教会に属するビザンツ様式教会で、前の斜面が階段状広場になっており、ベラトを代表する風景として往時を偲ばせます。

城塞からの景観

城塞からの景観

写真:菊池 模糊

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城塞内部には正教会遺跡だけでなく中世のイスラム教のモスク跡もあります。特に印象的なのはレッドモスク遺跡にあるミナレットで、祈りの時を告げた尖塔が今でも残っています。ここは現時点でまだ上がることができますが、狭く危険な階段を登りますので十分に注意して自己責任でチャレンジしてください。

城塞からの景観

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ベラト城塞の魅力は景観が素敵なことも挙げられます。まず見られるのが眼下に広がるベラト新市街の絶景パノラマビュー。屈曲する川の両側に美しい市街が広がっている様が見られます。

城塞からの景観

写真:菊池 模糊

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さらに行くと城砦から歴史地区の旧市街を見下ろす場所があります。川と建物配置の立体的な景観が見事で、フォトスポットとしても最高。まるで空中から撮影したような写真が撮れ、気分は大空を飛ぶ鳥。ぜひ作品づくりにチャレンジしてください。

ベラト城塞は、強い傾斜が続く古い石畳道で滑りやすいので、往路はタクシーで、復路は眼下の旧市街へ下るのがおすすめです。

<ベラト城塞の基本情報>
住所:Rruga Mihal Komnena 5001, Berat
アクセス:ベラトバスターミナルより路線バス乗り継ぎ10分下車後徒歩20分、タクシー8分

城塞から旧市街へ下る

城塞から旧市街へ下る

写真:菊池 模糊

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この城砦の特徴は、長い歴史の中で崩壊することなく、城砦の中に人々が移り住み、カラサ地区というひとつの村として機能させてきた点です。城塞内部から旧市街にかけてのベラトの古い家屋は、下階層に元の石造りを残し上階層を木造にした独特の構造で、さすが世界遺産の町並みだと感心させられます。

城塞から旧市街へ下る

写真:菊池 模糊

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城砦から旧市街への坂道を下っていく途中には、伝統家屋が立ち並び、キリムや袋物などの土産品が塀に掛けて売られています。地元の人々との交流もできるし、割と値段もリーズナブルなので、お気に入りの物があれば、ぜひ記念にご購入ください。

城塞から旧市街へ下る

写真:菊池 模糊

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旧市街へ降りて行くとまずあるのがオノフリ美術館。ここは古い教会を利用し建物の中にイコン画が展示されている独特のテーマのミュージアムです。内部の写真撮影は不可ですが、ぜひ訪問されて宗教禁止の時代をくぐりぬけて残された宗教画の世界を堪能してください。

千の窓を持つ町風景

千の窓を持つ町風景

写真:菊池 模糊

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城塞の下の旧市街はまさに「千の窓を持つ町」。急斜面に家々がぎっしりと建てられ、各家は効率よく採光するよう縦長の窓がずらりと並んでおり、色合いも統一され、白い壁に映える町並みが美しい。マンガレム地区と呼ばれ、これぞ世界遺産に登録された絵になる風景です。

千の窓を持つ町風景

写真:菊池 模糊

千の窓を持つ家々は、斜面に階段状に重ならないように建てられており、採光と景観の美しさを醸し出します。さらに背後の山が迫っていることから、縦位置による構図で城塞崖を入れて写真を撮るのも一興です。

また、この近辺には民宿的なミニホテルやゲストハウスも多いので、時間的に余裕のある方はぜひ宿泊され、ローカルな世界遺産の町のスローライフを楽しまれてはいかがでしょうか。

千の窓を持つ町風景

写真:菊池 模糊

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マンガレム地区から川の対岸へはいくつかの橋が架かっており、町並みを見るには最適で、人々のローカルな生活も垣間見られる場所になっています。ここから撮影した風景が、多くの絵葉書などに使われています。

<ベラト旧市街の基本情報>
住所:Rruga Antipatrea, Berat
アクセス:ベラトバスターミナルより路線バスに乗り継ぎ下車後徒歩10分、タクシー5分

新市街へ

新市街へ

写真:菊池 模糊

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旧市街を西へ下ると現在のベラトの中心である新市街に至ります。ここには、まっすぐ町を貫くメインストリートがあり、両側にレストランやオープンカフェなどが並んでおり散策に最適です。

新市街へ

写真:菊池 模糊

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新市街のメインストリート横公園に笛を吹く少女の像があり、素敵な撮影スポットとなっています。遠くに見える千の窓を持つ旧市街の建物をバックに記念撮影をしてください。

新市街へ

写真:菊池 模糊

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ベラトは人気観光地なのでレストランが多く、値段もリーズナブル。名物料理はコフタというアルバニア風ハンバーグ(写真)か、タスチェバプというアルバニア風ビーフシチューで、いずれも地中海料理の影響を受け美味。また現時点ではチップ不要な店が多いのも日本人旅行者にはありがたいです。

ベラトへのアクセスは?

ベラトはアルバニア屈指の人気観光地で年々発展しています。バスターミナルは市街北西端にあり中心部方面へは路線バスが連絡しています。ただ城塞遺跡は山の上にあることから、ベラトに到着したらタクシーで城塞に行き散策しながら市街に降りてくるのが楽でおすすめです。

ベラトへは、アルバニアの首都ティラナから直通バスが出ており便利です。所要時間は約2時間30分。なおティラナへは日本から直行便がないので、イスタンブールかローマまたはフランクフルト乗り換えで、約14時間〜20時間でアクセスします。

2023年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/03/31 訪問

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