ほっこりする“笑い仏”も!京都・石仏の里「当尾」を歩こう

ほっこりする“笑い仏”も!京都・石仏の里「当尾」を歩こう

更新日:2023/10/04 13:53

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県との県境に近い京都府木津川市の当尾(とうの)地区は、「石仏の里」として知られています。とくに岩船寺と浄瑠璃寺の2つの古刹を結ぶ道沿いは、笑い仏、薮の中三尊などの石仏や石塔があちこちに点在しています。約2km、1時間弱の石仏の里をめぐるハイキングを楽しんでみませんか?

当尾の石仏めぐりは、花の寺「岩船寺」からスタート

当尾の石仏めぐりは、花の寺「岩船寺」からスタート

写真:モノホシ ダン

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岩船寺と浄瑠璃寺の2つの寺を結ぶ石仏めぐりのハイキングコースは、どちらから歩いてもいいですが、岩船寺からは下り、浄瑠璃寺からは上りのルートとなります。ですから体力的に楽なのは、岩船寺を起点とするルートです。

岩船寺(がんせんじ)は、729年(天平元年)に聖武天皇の発願で、行基が阿弥陀堂を建立したのが始まりです。室町時代の三重塔(重要文化財)や、平安時代の本尊・阿弥陀如来坐像(重要文化財)など寺宝の多い古刹です。

当尾の石仏めぐりは、花の寺「岩船寺」からスタート

写真:モノホシ ダン

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また岩船寺は、花の寺としても知られ、初夏の紫陽花、秋の紅葉が見事です。写真は、阿字池から眺めた本堂です。

<岩船寺の基本情報>
住所:京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
電話番号:0774-76-3390
入山料:大人500円、中高生400円、小学生200円
拝観時間:
3月〜11月 8:30〜17:00(受付は16:45まで)
12月〜2月 9:00〜16:00(受付は15:45まで)
アクセス:JR大和路線「加茂駅」から木津川市コミュニティバスで約16分「岩船寺」バス停下車すぐ

当尾の石仏めぐりは、花の寺「岩船寺」からスタート

写真:モノホシ ダン

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岩船寺で、山寺の風情を満喫したら、石仏めぐりを開始しましょう。最初の見どころは「一願不動(岩船不動明王立像)」。岩船寺から約5分のところにある高さ約1.2mのお不動さんです。

鎌倉時代の1287年(弘安10年)の作で、一心にお願いすると一つだけ願いを叶えていただけます。

当尾の石仏のアイドル「笑い仏」とは

当尾の石仏のアイドル「笑い仏」とは

写真:モノホシ ダン

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一願不動から急な坂道を下って10分ほど、微笑みをたたえた石仏があります。当尾の石仏の中でも最も知られた「笑い仏(阿弥陀三尊磨崖仏)」で、少し左に傾いた岩に穏やかにほほえむ阿弥陀三尊像が彫られています。

当尾の石仏のアイドル「笑い仏」とは

写真:モノホシ ダン

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笑い仏は、高さ約80cmの阿弥陀如来の両脇に、蓮台を捧げた観世音菩薩、合掌した勢至菩薩が刻まれています。鎌倉時代の1299年(永仁7年)、宋から招かれた石工・伊行末の子孫、伊末行(いのすえゆき)の作品です。

制作からは、約700年以上も経過していますが、上部の屋根石が庇のようになっているので風食の影響も少なく保存状況は良好です。

当尾の石仏のアイドル「笑い仏」とは

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ほかに、笑い仏のすぐ傍らには、地面から上半身だけを露わした仏様「眠り仏(地蔵菩薩)」が。南北朝時代の作で、長い間土の中で休んでいるのでこの名がつきました。

隠れたお地蔵様にご注意!「からすの壺二尊」

隠れたお地蔵様にご注意!「からすの壺二尊」

写真:モノホシ ダン

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岩船寺から浄瑠璃寺へのコースからは外れますが、笑い仏から少し下ったところにあるのが「弥勒磨崖仏(ミロクの辻)」です。

近くの笠置寺の弥勒如来磨崖仏を模したもので、1274年(文永11年)、笑い仏と同じ作者、伊末行によって造立されました。線刻で彫られた磨崖仏で、よく目を凝らすと、身体を左方に傾けた姿が見えます。

隠れたお地蔵様にご注意!「からすの壺二尊」

写真:モノホシ ダン

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ハイキングコースに戻り、笑い仏から約10分のところにあるのが「唐臼の壺」です。真ん中に直径10cmほどの穴が掘られた不思議な石で、唐臼という石臼に似ていることからこの名があります。

隠れたお地蔵様にご注意!「からすの壺二尊」

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さらに唐臼の壺のすぐ近くには、「からすの壺二尊」という磨崖仏があります。南北朝時代の1343年(康永2年)の作で、一つの岩面に阿弥陀磨崖仏、その側面に地蔵磨崖仏が肉彫りされたものです。

しかし正面から見ると、阿弥陀如来様しかおられません。残る地蔵菩薩様はというと、向かって左側に隠れるようにしておられます。初見では分かりにくいので見落とさないようにしましょう。

当尾の石仏の中で最古の「薮の中三尊」

当尾の石仏の中で最古の「薮の中三尊」

写真:モノホシ ダン

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当尾は、かつて小田原と呼ばれ、平安時代後期から既存仏教寺院の俗化を嫌った修行僧らがこの地に隠棲して庵を建て、念仏や修行に明け暮れました。

唐臼の壺からあたご灯籠に向かう途中にある春日神社(東小田原随願寺跡)は、南都仏教の寺院跡で、西小田原寺の異称があった浄瑠璃寺に対して、東小田原寺とも呼ばれるほど栄えました。

現在は廃寺で、立ち入り禁止となっており、石段だけが深い森の奥へと続いています。

当尾の石仏の中で最古の「薮の中三尊」

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浄瑠璃寺への三叉路に建つ「あたご灯籠」は、自然石を生かした灯籠で、愛宕神社への献灯籠です。そのスタイリッシュなひょろ長い外観は、まるで現代アート作品を思わせます。

当尾の石仏の中で最古の「薮の中三尊」

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「薮の中三尊」は、約750年も薮の中に立っている石仏。中央に地蔵菩薩、向かって左に阿弥陀如来、右に長谷型十一面観音という珍しい配置が特徴です。1262年(弘長2年)の作で、制作年の銘文の記された石仏では、当尾の石仏中最古のものです。

さながら“極楽浄土”のような「浄瑠璃寺」

さながら“極楽浄土”のような「浄瑠璃寺」

写真:モノホシ ダン

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岩船寺から、当尾石仏めぐりハイキングコースのゴールとなるのが浄瑠璃寺(じょうるりじ)です。浄瑠璃寺は、平安時代の1047年(永承2年)に義明上人が薬師如来を安置したことが始まりです。

浄瑠璃寺の庭園(国の特別名勝・史跡)は、平安時代に浄土思想が広まったころ、貴族たちが思い描いた極楽浄土を表現したものです。

本堂(国宝)には、横一列に9体の阿弥陀仏坐像(国宝)を祀ることから九体寺(くたいじ)とも呼ばれています。

さながら“極楽浄土”のような「浄瑠璃寺」

写真:モノホシ ダン

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宝池をはさんで本堂と向かい合う三重塔(国宝)には、創建時の本尊といわれる薬師如来坐像(重文)が安置されています。岩船寺と同様に貴重な文化財の多い浄瑠璃寺で、当尾の里らしい侘び寂びを感じてください。

<浄瑠璃寺の基本情報>
住所:京都府木津川市加茂町西小札場40
電話番号:0774-76-2390
拝観料:400円(中学生以上)
拝観時間:
3月〜11月 9:00〜17:00(本堂拝観受付は16:30まで)
12月〜2月 10:00〜16:00(本堂拝観受付は15:30まで)
アクセス:JR大和路線「加茂駅」から木津川市コミュニティバスで約22分「浄瑠璃寺前」バス停下車すぐ

当尾の石仏めぐりの基本情報

住所:京都府木津川市加茂町当尾地区
電話番号:0774-75-1216(木津川市観光商工課 観光まちづくり係)
歩行時間:約1時間
アクセス:JR大和路線「加茂駅」から木津川市コミュニティバスで約16分「岩船寺」バス停下車すぐ。または、JR大和路線「加茂駅」から木津川市コミュニティバスで約22分「浄瑠璃寺前」バス停下車すぐ

2023年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2021/12/16 訪問

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