気になるスポットが点在!オランダの古都ドルドレヒト

気になるスポットが点在!オランダの古都ドルドレヒト

更新日:2023/10/21 17:25

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドルドレヒトはオランダ南西部のホランド州に位置し、州内で最初に市の資格が与えられて1220年に誕生した町。アムステルダムより古い歴史があり、中世の町並みがそのままに残されています。

アウデ・マース川の河口に開けた古い歴史を持つドルドレヒトは、川や運河沿いの港に大小さまざまなヨットが停泊し、シンボル的存在の大聖堂や美術館をはじめ、散策中にふと足を止めたくなる観光スポットがいくつも潜んでいます。

フィス橋周辺

フィス橋周辺

写真:Hiroko Oji

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いくつもの川の合流点というオランダ南西部のホランド州に位置するドルドレヒトは、その地理的条件によって昔から重要な貿易港として繁栄し、貿易と行政の中心地に発展してきました。

町中には、何気なく歩いているだけで写真に納めたくなるスポットがあちらこちらに潜んでいて、歴史的にも重要で素敵な風景に出会えるのがドルドレヒトです。

フィス橋周辺

写真:Hiroko Oji

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鉄道駅から旧市街に向かい、旧市街を取り囲む運河に架かるフィス橋を渡った所にあるのがデ・ウィット兄弟像。1918年にドルドレヒトの政治家コルネリス・デ・ウィットとヨハン・デ・ウィットを記念して建てられた国定記念物です。

兄のコルネリスはドルトレヒト市長やホラント州副総督、弟ヨハンもドルトレヒト市長やホラント州法律顧問を務めた政治指導者でしたが、後に兄弟そろって民衆の私刑にかけられ、デン・ハーグで殺害されたという歴史的事実が残されています。小説家デュマの小説「黒いチューリップ」ではデ・ウィット兄弟の惨殺事件が題材となり、映画にもなっています。

<デ・ウィット兄弟像の基本情報>
住所:Visburg 2,3311 KW Dordrecht

フィス橋周辺

写真:Hiroko Oji

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デ・ウィット兄弟像を背にして左手に見えるのが市立図書館。フィス橋の正面に構えるゴシック様式の階段状の屋根が特徴的で、装飾の美しい建物です。もとは1516年に建てられた黄金の牛と呼ばれる肉屋市場だったもので、1986年再建されました。屋根のてっぺんには黄金の牛が鎮座しています。

「オランダのベスト図書館2023」にも挙げられており、蔵書を読んだり借りたりするだけでなく、カフェやワークショップもあり気軽に立ち寄れます。

<図書館の基本情報>
住所:Groenmarkt 153,3311 BD Dordrecht
電話番号:+31-88-242-5073
開館時間:(火・水・金)9:30〜22:00(木)10:00〜20:00(土)10:00〜16:00(日)12:00〜17:00(月)9:30〜17:00

市庁舎周辺

市庁舎周辺

写真:Hiroko Oji

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こちらは1383年にその歴史が始まった市庁舎。当時、この建物はフランドル商人のための屋根付き市場ホールとして利用されていました。1544年に改築されてからは市議会が置かれるようになり、現在は公式のレセプション、評議会会議、結婚式に使用されるようになっています。大きな屋根裏部屋には、1870年まで使用されていた木製の刑務所の独房がまだ残されています。

市庁舎の右側部分(焦茶の建物)の下には運河が流れています。

<市庁舎の基本情報>
住所:Stadhuisplein 1,3311 CR Dordrecht
電話番号:+31-78-770-5141
開館時間:12:00〜17:00

市庁舎周辺

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市庁舎前の広場から西側に延びる美しい運河風景。ここで注目したいのが・・・

市庁舎周辺

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運河右側にある建物の壁面に描かれた5人の人物画!築350年のアートギャラリーが入る記念碑的な建物に描かれたもので、建物内では骨董品や美術品のコレクションが見られる国定記念物として訪れる価値があるものです。

貿易港として栄えた川や運河沿いの風景

貿易港として栄えた川や運河沿いの風景

写真:Hiroko Oji

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ドルドレヒトはいくつもの川の合流地点という恵まれた地理的条件のおかげで、昔から貿易港として重要な役目を果たし栄えてきました。そのため町中にはかつての繁栄を偲ばせる港風景が広い範囲に残り、旧市街真ん中にある美しく静かな港には、大小様々なクルーザーやボートが浮かんでいます。

貿易港として栄えた川や運河沿いの風景

写真:Hiroko Oji

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特に、中世においてはオランダに船で輸入されるワインの全てがここドルドレヒトに水揚げされてきました。その結果、アウデ・マース川からフロートホーフツ門をくぐって運河沿いに入ってきたこの辺りにはワイン橋やワイン通りといった地名とともに、お店やギャラリーなどにワインにちなんだ名前が残されています。

貿易港として栄えた川や運河沿いの風景

写真:Hiroko Oji

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また町中の物静かな水辺沿いでもゆっくりと憩える空間が潜んでいます。

シンボル的存在の聖母教会

シンボル的存在の聖母教会

写真:Hiroko Oji

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エンゲレンブルヘル橋とルーフェ橋の間にあるのが、この町のシンボル的存在の聖母教会。50個のカリヨンを持つ高さ65メートルの塔は、建設途中で傾き始めたためいまだに未完成のままですが、275段の階段で塔に上ることができます。もちろん最上階からの眺めは、しんどい目をして上るだけの価値がありますので、お時間と体力が許せばぜひ上ってみてくださいね。

塔には1624年設置の大きな時計があり、現在も時報や鐘の音を組み合わせた音楽を町中に響き渡らせています。

シンボル的存在の聖母教会

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聖母教会は、1100年頃に建てられた礼拝堂が始まりで、1284年〜1470年頃にかけてブラバント・ゴシック様式で建設された市内最大の教会です。1572年からプロテスタント教会となりました。

シンボル的存在の聖母教会

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大きなシャンデリアやステンドグラスが並ぶ教会内は白を貴重とした内装。荘厳な雰囲気で満ちており、中央には豪華な金色の内陣仕切りがあります。

聖歌隊席は1538年〜1541年にかけて初期ルネッサンス様式で完成したもので、細かい木彫り彫刻が施されています。奥にあるステンドグラスには聖書ではなくドルドレヒトの町の歴史が描かれています。1859年のパイプオルガンは、銀色のパイプに焦茶色の外枠と金の装飾が美しく一見の価値がありますので、お見逃しなきように。

<聖母教会の基本情報>
住所:Lange Geldersekade 2,3311 CJ Dordrecht
電話番号:+31-78-614-4660

その他にも点在するスポット

その他にも点在するスポット

写真:Hiroko Oji

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運河を跨ぐように広がる広場スケッファース広場の中央に建つのはアリ・シュヘッファー像。この町で生まれた画家で、この像はオランダ初の現代アーティストの記念碑となりました。

自由の女神をデザインしたフレデリック・オーギュスト・バルトルディが初期デザインを、後に娘が新しいデザインを担当したものです。

その他にも点在するスポット

写真:Hiroko Oji

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こちらはドルドレヒト美術館。1842年設立の歴史ある美術館で、オランダ黄金時代の画家であるアルベルト・カイプや二コラ―ス・マース、またドルドレヒトで生まれ後にパリで活躍したアリー・シェファーなど、何世紀にもわたるたくさんの作品が展示されています。

<ドルドレヒト美術館の基本情報>
住所:Museumstraat 40, 3311 XP Dordrecht
電話場番号:+31-78-770-8708
開館時間:11:00〜17:00
休館日:月曜日

その他にも点在するスポット

写真:Hiroko Oji

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こちらの建物はオランダ国家のスタート地点ともいえる「ヘット・ホフ・ファン・ネーデルラント」。1572年オランダの独立国家会議が開かれた場所にある博物館です。

かつては修道院、集会所、武装した民間人の訓練場、獣市場、学校などとして利用された経歴があり、ドルドレヒトとオランダの歴史のために重要な決定がここで行われました。現在は自由を勝ち取ってきた様々な時代の流れをまとめた展示を見られる博物館となっています。

<ヘット・ホフ・ファン・ネーデルラントの基本情報>
住所:Hof 6,3311 XG Dordrecht
電話番号:+31-78-770-8708
開館時間:11:00〜17:00
休館日:月曜日

輝かしい歴史が潜む「ドルドレヒト」

ドルドレヒトは、日本人にとってはマイナーな名前の町かもしれませんが、ひとたび足を踏み入れてみれば、あちらこちらにオランダにとっての輝かしい歴史に触れることができるスポットが点在しています。

気になる素敵な風景が潜み、そこにまつわる史実に触れると、歴史の面白さにも気付ける町がドルドレヒト。近くの大都市ロッテルダムや世界遺産の「キンデルダイク」を訪れた時にちょっと足を延ばして、ぜひご訪問ください。

2023年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。


掲載内容は執筆時点のものです。 2023/04/21 訪問

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