写真:菊池 模糊
地図を見るモンテネグロ共和国の首都ポドゴリツアからアドリア海に面した町プドヴァに向かう途中に、パラグライダーの飛び立つスポットがあり、その付近は海岸方面のビューポイントとなっています。眼下に広がるアドリア海の美観はまさに絶景。海に浮かぶ島はスヴェティ・ニコラ島と言って美しいビーチがあるので夏は非常に賑わうリゾート・アイランドになっています。
写真:菊池 模糊
地図を見るスヴェティ・ニコラ島の北対岸の陸側にプドヴァの町が見えます。海に突き出したオレンジ色の屋根の低中層建物の多い一画が旧市街で、その印象的な様子が一望のもとに眺められます。その旧市街の港から右へ続くのがプドヴァ・リビエラと呼ばれるリゾート地域でヨーロッパからの多くの観光客を集めています。
ビューポイントから下ると高層建物の多いプドヴァ新市街に入り、さらに海近くに出ると旧市街の城壁が目の前に見えてきます。
プドヴァは2500年以上前からの歴史があり、入植者はイリュリア、古代ローマ、ビザンチン、セルビア、ベネチア、オスマン帝国と変遷。ベネチア時代に市街全体が防御的な石の壁に囲まれ、海賊の被害を防ぎ安全に交易をする商業都市になったのです。この城壁と内部の旧市街には、そうしたプドヴァの長い営為が刻まれ、今は世界中の観光客を魅了しています。
門を入るとまるで迷路のような町並みが広がっています。細い石畳道は車が入れず、いわば歩行者天国。レストランやカフェ、土産店にブティックなど種々の店が軒を並べており、多くの観光客が三々五々と穏やかに町の散策を楽しんでいます。
細長い路地が続き,中層の建物が両側に迫っています。したがって写真は縦構図が似合い、道の向こうの狭い空間に教会の塔を入れて撮れば絵になります。街灯、建物の石壁、石畳の道、散策する人々などどれも情緒があります。クロアチアのドゥブロクニクのミニ判と言えなくもないですが、より狭くコンパクトにまとまっておりローカル感があります。ただ夏シーズンは混みますので、ゆっくり観光する場合は春や秋をおすすめします。
町歩きで被写体としておすすめなのが看板です。狭い道が多いので突き出したいくつもの看板がとても印象的に感じます。素敵な色合いと文字デザインなどを意識して、ぜひ写真を撮ってください。
定番の見どころスポットとしては、各宗派の教会があげられます。中でも、聖イヴァン教会(The Church of Sveti Ivan)はラテン語では聖ヨハネ教会と言い、鐘楼尖塔がブドヴァ旧市街では最も高く、町のシンボル的存在です。15世紀ベネチア時代に建てられたカトリック教会で、入場できるものの内部写真撮影は禁止。教会前の広場にはカフェなどもあり景色を眺めながらゆっくり休憩することもできます。
写真:菊池 模糊
地図を見る綺麗に見える教会として聖三位一体教会(Holy Trinity Church)があります。18世紀末から19世紀初にかけて、ロシアのピョートル大帝の許可を得て建造された正教会の聖堂です。古い宗教施設が多いブドヴァ旧市街では、最も新しい教会。正面から見ると小さな感じですが横から見ると結構大きな教会であることが分かります。上品なツートン柄の建物壁が魅力的で、鐘楼壁も健在で立派に感じられます。
写真:菊池 模糊
地図を見る聖三位一体教会には見事なイコノスタシスがあり一見の価値があります。ただし内部は写真撮影禁止なので、せめて外側の入り口にあるカラフルなモザイク画を記念撮影してください。近辺には聖イヴァン教会・聖サバ教会・サンタマリア教会などいくつもの教会があり、夕日のアドリア海を見る場所や城壁登城口もすぐなので、中心的観光ポイントとしておすすめします。
<聖三位一体教会の基本情報>
住所:7RGQ+W4W, Budva
アクセス:ブドヴァ・バスターミナルより徒歩20分
写真:菊池 模糊
地図を見る古い良さがあるのがサンタマリア教会です。鐘楼壁の鐘も外され、とても鄙びた感じです。ここはブドヴァで現存する最も古い教会で、8世紀のビザンチン時代に建造された正教会の聖堂。現在は教会としての機能を果たしていないものの長い歴史の重みを感じる場所と言えるでしょう。
写真:菊池 模糊
地図を見るレトロな撮影スポットとして秀逸なのが「詩人の広場」前の建物です。蔦が絡まる建物壁はなんとも雰囲気があり、季節によって蔦の色が変わり興味深い被写体となります。なおこの建物前の広場で詩人が自作詩を歌ったとされ、その演台となった石壇が残されています。
写真:菊池 模糊
地図を見る旧市街には教会や商店の他に古い遺跡類もあります。写真は5世紀頃のローマ帝国時代の建物遺跡で、古代に遡る貴重な場所です。ローマやビザンチン時代に生活していた人々の息吹を感じられる歴史的な場所と言えるでしょう。すぐ近くにカフェがあり見学しながら一休みできます。
写真:菊池 模糊
地図を見る旧市街から海側には何ヶ所か城壁を抜けて海岸に出られる狭い門があります。おすすめは西側の出口で、オールドタウンビーチと呼ばれる景勝地に抜けられます。アドリア海の波が打ち寄せ、沖合にスヴェティ・ニコラ島が見えます。夏には海水浴場になる人気の観光スポットです。
写真:菊池 模糊
地図を見る目前に広がるアドリア海は美しく水はどこまでも澄んでいます。浜に散らばる石や貝殻を記念に拾っている方も。写真のように寒い春でも海岸で休憩しリゾートらしい気分を満喫している観光客で混んでいます。
<オールドタウンビーチの基本情報>
住所:7RHP+594, Njegoseva, Budva
アクセス:ブドヴァ・バスターミナルより徒歩20分
写真:菊池 模糊
地図を見る旧市街を囲む城壁に登ることもできます。有料ですが時間がある場合は眼下の町を鳥瞰できます。ハイシーズンは狭い旧市街は混みますので、城壁に登って人を避けるのも一興です。ただし写真のように一部に危険な個所もありますので、十分に注意してチャレンジしてください。
モンテネグロ共和国の首都ポドゴリツァの鉄道駅前のバスターミナルからブドヴァ
行きのバスが出ており、約70分ほどでブドヴァのバスターミナルに到着します。そこから約徒歩15分強で旧市街に到達しますが、急ぐ時合や荷物が多い場合はタクシーを利用してください。
飛行機は、首都ポドゴリツァへ日本からの直行便がないので、イスタンブールかドバイまたはフランクフルト乗り換えで、約12時間〜20時間でアクセスします。
2023年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
菊池 模糊
歴史と自然の研究をしています。旅はその源泉です。自称ネイチャートラベルフォトライターです。これまで訪れた国は世界約60ヶ国で、旅写真が得意です。そんな私の経験が少しでも皆様のお役に立てればと思い、旅行…
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