写真:モノホシ ダン
地図を見る世界遺産・吉野山は、古くから修験道の聖地としても知られています。金峯山寺(きんぷせんじ)への参道の途中に建つ「銅鳥居(かねのとりい)」(重文)は、山上ヶ岳まで4つある門のうちの最初の門で、俗界と聖地の境界を象徴する銅製の建造物です。
高さ約8mで、東大寺の大仏の残銅を使って建立されたのが最初と伝わります。現在のものは室町時代の再建で、宮島の朱丹の大鳥居、四天王寺の石の鳥居と並んで「日本三大鳥居」の一つに数えられています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る吉野山の中心的な存在、金峯山寺で現存する最古の建造物が「仁王門」(国宝)です。重層入母屋造、本瓦葺の楼門で、室町時代の1456年(康正2年)に再建されました。
また、門内に安置する金剛力士像(仁王像)は、東大寺の仁王像に次ぐ大きさを誇り、国の重要文化財に指定されています。
なお現在、仁王門は保存修理工事中で、2028年完成予定となっています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る金峯山寺は、今から約1300年前に修験道の開祖・役行者が創建したと伝わります。本堂の「蔵王堂」(国宝)は、古建築としては東大寺大仏殿に次ぐ大堂で、世界遺産に登録されている建造物の一つです。
現存の蔵王堂は、1592年(天正20年)頃に再建されたもので、高さ約34m、重層入母屋造、檜皮葺の豪壮な木造建築です。内部には、青い体躯をした金剛蔵王権現像(重文)3体がまつられ、本尊は高さ7mにもおよびます。
<金峯山寺の基本情報>
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山2500
電話番号:0746-32-8371
拝観料:境内自由
蔵王堂拝観料:800円(特別御開帳の期間は1600円)
拝観時間:8:30〜16:30(受付は16:00まで)
アクセス:近鉄吉野ロープウェイ「吉野山駅」下車 徒歩約10分 車利用の場合は、吉野山観光駐車場(有料)利用
写真:モノホシ ダン
地図を見るほかに中千本で、世界遺産に登録されている建造物が「吉水神社」(吉の漢字は正しくは口の上に土かんむり)です。創建は7世紀中頃で、主祭神は後醍醐天皇、楠木正成、吉水院宗信法印です。
もとは金峯山寺の格式ある僧坊で“吉水院(きっすいいん)”と称していましたが、明治の神仏分離令で後醍醐天皇の南朝の皇居であったことから、1875年(明治8年)に現在の名称に改められました。
門には、天皇および皇室を表す紋章である「十六葉菊紋」(俗にいう菊の御紋)の入った提灯が掲げられています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る吉水神社は、古くは頼朝に追われた源義経をかくまったことがあり、のちに後醍醐天皇はここを一時の行在所(あんざいしょ)としたのち、南朝を樹立しました。
また、豊臣秀吉の花見の本陣となったことでも知られています。1594年(文禄3年)に、豊臣秀吉が催した「豊公の吉野の花見」は、総勢約5000人もの大宴会でした。
写真:モノホシ ダン
地図を見る神社の檜皮葺の書院(重文)は、日本住宅建築史上最古とされています。書院内には、「源義経潜居の間」「後醍醐天皇玉座の間」「豊太閤愛用金屏風」などがあり、3人にゆかりの数々の社宝を展示しています。
また境内は、中・上千本の桜のビュースポットでもあります。吉水神社で、今も昔も変わらない眺めを楽しんでください。
<吉水神社の基本情報>
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山579
電話番号:0746-32-3024
拝観料:境内自由
書院拝観料:大人・大学生600円 高校生・中学生400円 小学生300円
拝観時間:9:00〜17:00
アクセス:近鉄吉野ロープウェイ「吉野山駅」下車 徒歩約15分
写真:モノホシ ダン
地図を見る吉野山中千本から奥千本までは、かなりの高低差がありまので、路線バスで奥千本へ移動しましょう。吉野山駅停留所から奥千本口停留所までは約20分です。
<奥千本口線(路線バス)の基本情報>
運行日:2023年10月28日(土)〜11月30日(木)の毎日
電話番号:0746-39-9254(吉野大峯ケーブル自動車)
運賃:大人500円 小人250円
写真:モノホシ ダン
地図を見る奥千本で紅葉の名所として知られているのが、標高約700mの「高城山展望台」です。金剛山地の山々が眺められる展望スポットで、秋には色鮮やかな葉が積もり、真っ赤な紅葉の絨毯の“散り紅葉”が見られます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るバス停のすぐ右手からは、展望台へと続く遊歩道があります。展望台へ通じる坂道は、道一面の散り紅葉と、紅葉のトンネルとの競演が素晴らしく、思わず息を呑む絶景と言えるでしょう。
<高城山展望台の基本情報>
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山奥千本
電話番号:0746-32-1007(吉野山観光協会)
アクセス:奥千本口停留所から徒歩約15分
写真:モノホシ ダン
地図を見る奥千本と上千本には、世界遺産の建築物が2つあります。一つは金峯神社、そしてもうひとつが写真の「吉野水分神社」です。
水の分配を司る天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)を主祭神とし、またの名を子守宮(こもりのみや)ともいい、子宝の守護神として篤く信仰されています。
現在の社殿は、豊臣秀吉が子授け祈願をして誕生したとされる子の秀頼が、1604年(慶長9年)に再建したもので、桃山様式建築の三殿一棟の本殿・幣殿・拝殿・楼門・回廊は国の重要文化財です。
<吉野水分神社の基本情報>
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
電話番号:0746-32-3012
拝観料:境内自由
アクセス:高城山展望台から徒歩約10分
写真:モノホシ ダン
地図を見る上千本の絶景スポットでは、「花矢倉展望台」が有名です。 吉野山の町並みを眼下に上千本、中千本を俯瞰し、金剛・葛城・二上山を遠望できます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るまた花矢倉展望台からは、蔵王堂も見下ろせます。さらに付近には、三郎鐘(世尊寺跡)、横川の覚範の首塚などの見どころもあります。吉野山を代表するビュースポットで、大パノラマを楽しんでください。
<花矢倉展望台の基本情報>
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山1711
アクセス:吉野水分神社から徒歩約5分
写真:モノホシ ダン
地図を見るなお、秋の吉野山ではライトアップも行われます。場所は、下千本公園・二天門跡・妙法殿・大塔の宮・吉水神社参道・銅の鳥居です。夜空に浮かぶ紅葉で、幻想空間を満喫してください。
<秋の吉野山ライトアップの基本情報>
実施日:2023年10月27日(金)〜11月30日(木)
点灯時間:16:30〜21:30
いかがでしたか。本文ではご紹介できませんでしたが、吉野山ではほかにも、西行法師ゆかりの「西行庵」、後醍醐天皇の勅願寺である「如意輪寺」、大和三庭園の一つとして名高い「竹林院」などの見どころがあります。この機会にあわせて訪れてみてはいかがでしょうか?
2023年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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