写真:モノホシ ダン
地図を見る社伝によると、神代の昔、裏山の榊山に丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)が、御子神の高野御子大神とともに降臨し、人々に農耕や機織りなどを教えたと伝えられています。その際、紀ノ川の水で酒を醸し、神前に初めて供えたことから丹生酒殿神社と呼ばれるようになりました。
また、高野参詣道「三谷坂」の起点でもあり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する資産の一つとして、丹生酒殿神社を含む「三谷坂」が登録されています。
二の鳥居の前には、三谷坂を登って丹生都比売神社にお参りする参拝者用の杖が置かれています。ここから丹生都比売神社へは、約2時間のトレッキングです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る二の鳥居をくぐったところには、大きな銀杏の木があり、晩秋にはあたり一面を黄色の絨毯で敷き詰めたかのような光景が広がります。銀杏の根元には、「境内を黄に敷きつめて大いちょう」と刻まれた句碑があります。
なお、拝殿前の石灯籠は、世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた華岡青洲(はなおかせいしゅう)が、1834年(天保5年)に寄進したものです。
青洲は、近隣の紀伊国那賀郡(現在の和歌山県紀の川市)の出身で、同じ和歌山県出身の小説家、有吉佐和子による小説『華岡青洲の妻』で一躍有名になった人物です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る丹生酒殿神社の社殿は、割拝殿風の拝殿と本殿が3つ建っています。主祭神は、丹生都比売大神と高野御子大神(たかのみこのおおかみ)で、拝殿の扁額には「正一位勲八等丹生大神」と「正一位勲八等狩場大神」と書かれています。
高野御子大神は、別名を狩場明神ともいわれ、弘法大師・空海が高野山を開いたときに登場する有名な神様です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る丹生酒殿神社の大銀杏は、幹回り約5.2m、高さ約25m、枝張り約20mで、樹齢は300年以上とされています。神社が集落よりやや小高い位置にあるため、紀の川の堤防沿いの道など、遠く離れた場所からもその壮大な姿を見ることができます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る大銀杏の黄葉の見ごろは、例年、11月中旬から12月初旬で、日没から22時までは、ライトアップも実施されます。 なお、ライトアップ期間につきましては、かつらぎ町観光協会のホームページをご覧ください。
写真:モノホシ ダン
地図を見る大銀杏は、根元にある句碑の通り、落葉時には地面に黄色い絨毯を敷き詰めたようになります。境内は、空から降るような黄葉と、黄色い落ち葉のカーペットの風景を楽しむ大勢の参拝者で賑わいます。
ちなみに、境内の大銀杏は、2017年(平成29年)に「丹生酒殿神社の大銀杏」として、かつらぎ町の天然記念物に指定されました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る丹生酒殿神社を訪れたなら、社殿の裏手にある「鎌八幡宮」も必見です。もとは、讃岐多度郡屏風浦(現在の香川県仲多度郡多度津町)に鎮座する熊手八幡宮から、弘法大師が高野山に勧請したと伝えられています。
その後、明治維新の神仏分離令で、兄井村(現在の和歌山県伊都郡かつらぎ町兄井)へと遷座し、1909年(明治42年)に丹生酒殿神社に合祀され摂社、鎌八幡宮として祀られました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る鎌八幡宮への参道からは、丹生酒殿神社の社殿と大銀杏を見ることができます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る鎌八幡宮の御神体は、御神木のイチイガシの大樹です。五穀豊穣、無病息災、子宝や安産祈願、学業向上等の願掛けの御利益があるとして広く信仰され、江戸時代の1839年(天保10年)に、紀州藩により編纂された『紀伊続風土記』にもそのことが記されています。
写真:モノホシ ダン
地図を見るところで、鎌八幡宮の御神木への願掛けは、少し変わっていて、鎌を奉献(鎌を木に打ち込む)して願掛けを行っていたことで知られています。初めて目にする方は、御神木に無数に打ち込まれた鎌の異様な光景に衝撃を受けるかも知れません。
ただし、願掛けは、心願成就等など、ポジティブな願いのみであり、丑の刻参りなどの怨恨、縁切り等のネガティブな願掛けは受け付けておりません。
また、奉献された鎌は、幹に鎌が深く入っていくと願いが叶い、鎌が落ちてしまうと願いは叶わないとされています。
写真:モノホシ ダン
地図を見るその後、2017年(平成29年)より御神木の樹勢保護のため、鎌を打っての願掛けは禁止となりました。現在は、御神木の前に絵馬掛けが設置され、鎌の代わりに絵馬を奉納するようになっています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る鎌の形をした鎌八幡宮の絵馬は、丹生酒殿神社の拝殿で、初穂料500円で奉納できます。祈願を記入した絵馬は、一年後にお焚き上げされます。鎌八幡宮にお参りしたら、祈願成就の願掛けをしてみてはいかがでしょうか。
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷631
電話番号:0736-22-3146
拝観料:境内自由
アクセス:JR和歌山線「妙寺駅」から徒歩25分
車利用の場合は、京奈和自動車道「紀北かつらぎIC」から約15分。「まちなみの駅みたに」駐車場利用
2023年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
モノホシ ダン
旅行業に30年以上携わってまいりまして、おもに団体旅行の手配・企画・添乗業務などをおこなってきました。お客様には、次回もご指名いただくために、新規の観光地や、穴場の名所・旧跡めぐりの開拓のため現地への…
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