巨大な怪物を埋葬!?大阪市「桃ヶ池公園」と「股ヶ池明神」

巨大な怪物を埋葬!?大阪市「桃ヶ池公園」と「股ヶ池明神」

更新日:2024/01/11 16:56

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
大阪市阿倍野区に「桃ヶ池公園」と呼ばれる公園があること、ご存知ですか?その名のとおり、桃ヶ池公園は、花の季節になるとハナモモをはじめとしてさまざまな樹木が花を咲かせる名所として、大阪市民にとっては馴染みの公園ですが、そんな桃ヶ池公園の地下には、実は、古来、巨大な怪物が埋葬されているといういい伝えが残されています。今回は桃ヶ池公園とその名の由来となった「股ヶ池明神」をご紹介しましょう。

大阪市民憩いの場所である桃ヶ池公園

大阪市民憩いの場所である桃ヶ池公園

写真:乾口 達司

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「桃ヶ池公園 (ももがいけこうえん)」は、大阪市阿倍野区にある地区公園。その名のとおり、「桃ヶ池」と呼ばれる大きな池を中心に整備された公園です。

桃ヶ池公園はJR阪和線や阪神高速14号松原線沿いに位置しているため、アクセスの好さもって、大阪市民の憩いの場所となっています。

大阪市民憩いの場所である桃ヶ池公園

写真:乾口 達司

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園内には遊具も設置されており、児童遊園としても親しまれています。

大阪市民憩いの場所である桃ヶ池公園

写真:乾口 達司

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一見、何の変哲もない公園のように見えますが、桃ヶ池公園の特徴は、幅の広い周濠をめぐらせた巨大な古墳を大胆に削平し、かつての輪郭を残しながら公園化したような独特の形状にあります。航空写真をご覧いただくと、その思いを強くする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

したがって、児童遊園の区画に向かうには、橋を渡って行くことになりますが、桃ヶ池にはこういった島あるいはかつて島であったとおぼしき個所が点在しており、その一部が宅地化されているという珍しさもあいまって、桃ヶ池公園ならではの風景を形作っています。

怪物を埋葬!?その名の由来となった「股ヶ池明神」

怪物を埋葬!?その名の由来となった「股ヶ池明神」

写真:乾口 達司

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そんな古代の遺跡を彷彿とさせるように、園内を散策すると、その西側には、ご覧のような社まで見掛けます。「股ヶ池明神(ももがいけみょうじん)」です。

股ヶ池明神は小高くなった円丘上に鎮座しており、ここもかつては桃ヶ池に浮かぶ島の一つであったことがうかがえます。

怪物を埋葬!?その名の由来となった「股ヶ池明神」

写真:乾口 達司

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股ヶ池明神には、古来、怪物(一説には大蛇)出現のいい伝えが残されています。社の下に設置された由緒書には、推古天皇の時代、桃ヶ池の中央にある浮島のくぼみに巨大な怪物の死体が横たわっているのが見つかり、聖徳太子がその死体の埋葬を命じたものの、その後も怪異が続くため、この地に「おろち塚」を築き、怪物の霊を鎮めたということが記されています。おろち塚は昭和の初期まで現存していたとのこと。

それから数百年の歳月が流れたある日、信心深い角田某という人物が霊意を感得。その霊意にもとづき、おろち塚の北に丸高竜王、丸長竜王という二大竜王をまつったのが、股ヶ池明神のはじまりであるといわれています。

市民の憩いの広場である桃ヶ池公園に、このような神秘的な伝承が残されていること、驚きですね。

怪物を埋葬!?その名の由来となった「股ヶ池明神」

写真:乾口 達司

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ここまで来て「股ヶ池明神」の名が桃ヶ池公園の名と似ていることにお気付きになった方も多いのではないでしょうか。そうなのです。実は古来、「股ヶ池」と呼ばれていたところを「桃ヶ池」とあらため、公園としたものこそ桃ヶ池公園なのです。

たとえば、1980年の廃線化まで存在していた南海平野線の停留場の名称は「股ケ池停留場」でした。古来の名をとどめているという点でも、股ヶ池明神の名はきわめて貴重なのです。

本殿とその内部

本殿とその内部

写真:乾口 達司

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写真は円丘上に鎮座する本殿です。

本殿とその内部

写真:乾口 達司

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内部をのぞくと、さまざまなものが神棚に安置されていることがわかります。角田某がまつった丸高竜王・丸長竜王の名を刻んだ石もあることに留意しましょう。

さまざまな神仏がまつられた社

さまざまな神仏がまつられた社

写真:乾口 達司

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角田某によって創建された股ヶ池明神は、当初、丸高竜王・丸長竜王という限られた神仏をまつる社でしたが、次代が経つに連れ、いつしかさまざまな信仰が流入するようになった様子。境内を見てまわると、さまざまな神仏がまつられていることをおわかりいだけるでしょう。

たとえば、こちらは石室のなかにまつられた不動明王。上から水が流れ落ちる仕組みから、水垢離の場としても使われていることがわかります。

さまざまな神仏がまつられた社

写真:乾口 達司

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こちらは狸あるいは猫を神像として安置したものでしょうか?股ヶ池明神には、こういった正体不明の神仏まで鎮座しているのです。

さまざまな神仏がまつられた社

写真:乾口 達司

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股ヶ池明神から南方に目をやると、池の一角に、大きな島が浮かんでいることがおわかりになるはず。巨大な怪物を埋葬したとされるおろち塚の北に股ヶ池明神が創建されたといういい伝えを踏まえると、もしかすると、おろち塚はもともとあの島にあったのかも知れませんね。

大阪市民の憩いの場所となっている桃ヶ池公園に思いがけない歴史があったこと、おわかりいただけたことでしょう。股ヶ池明神に参拝し、のどかな公園の地下に眠るとされる巨大な怪物の存在にも思いを馳せてみてください。

桃ヶ池公園・股ヶ池明神の基本情報

住所:大阪府大阪市阿倍野区桃ヶ池町1丁目
アクセス:大阪メトロ谷町線「田辺駅」より徒歩約5分

2024年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/11/18 訪問

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