写真:乾口 達司
地図を見る「ちゃんちゃん祭り」とは、奈良県天理市の「大和神社(おおやまとじんじゃ)」でとりおこなわれる春の大祭。史料からは、少なくとも15世紀には斎行されていたことがうかがえ、その稀少価値が認められて、2018年には奈良県無形民俗文化財に登録されています。
写真:乾口 達司
地図を見る祭りの期間は、例年3月23日から4月2日と定められていますが、とりわけ知られているのは、4月1日の午後におこなわれる「御渡り」。その名のとおり、神職や氏子ら100名以上が、大和神社の東南約2キロのところにある御旅所まで渡御する祭礼です。
写真:乾口 達司
地図を見る一行のなかで注目したいのは、2人にかつがれているこちらの鉦鼓。「御渡り」の際、こちらの鉦鼓を「ちゃんちゃん」と鳴らすことから「ちゃんちゃん祭り」と呼ばれるようになりました。
写真:乾口 達司
地図を見る「御渡り」の一行を観察すると、ご覧のように、幟を手にした人たちを見掛けます。幟にはそれぞれ「佐保庄」や「長柄」「三味田」「成願寺」などと記されていますが、これは祭礼に奉仕する氏子たちの地区名を示しています。つまり、氏子たちは地区ごとにひとかたまりとなって「御渡り」に参加するのです。
写真:乾口 達司
地図を見るその中心となるのが、本社および摂社・増御子社の2基のお神輿。そのうち、「本神輿」と呼ばれるお神輿の方は、2021年に修復されたばかりです。
写真:乾口 達司
地図を見る一行のなかには、馬もいます。その規模やバラエティには、驚かされますよ。
写真:乾口 達司
地図を見る古代以来の官道である上つ道を南下した一行は、市場地区の腰掛け石で小休止した後、今度は進路を東にとります。
169号線をまたぐと、中山大塚古墳のそばにある御旅所まではあと一息。このあたりは田畑が広がり、のどかな春の陽気が一行を包み込みます。
写真:乾口 達司
地図を見る2基のお神輿も坂を登っていきます。相当な重量があるため、担ぎ手の面々はたいへんそうですが、春らしい雰囲気が感じられる光景です。
写真:乾口 達司
地図を見る大きな花笠も華やかですね。このあたりから見る「御渡り」は、ちゃんちゃん祭りならではの光景です。
写真:乾口 達司
地図を見る御旅所に到着した後、各地区の氏子が御旅所に鎮座する摂社の御旅所坐神社に「粽(ちまき)」を奉納します。
その後、兵庫町の氏子による「龍の口舞」がおこなわれます。龍の口舞は、氏子のお子さん2人が龍の頭をかたどった木彫りを持ち、お神輿の周囲を3周半まわるというもの。
写真:乾口 達司
地図を見る龍の口舞が終わると、新泉町の氏子が「翁の舞」をおこないます。ご覧のように、翁の舞は、菅笠と鋤を手にした翁役が地面に置かれた樫の葉を巻くような所作を演じます。
写真:乾口 達司
地図を見るその後、新泉町の複数の氏子が円陣を組み、「オーミタラシノカミ ワー」の掛け声とともに、つかんでいた樫の葉を投げあげますが、これは樫の葉を雨に見立てた雨乞い祈願の所作であると考えられています。
水をつかさどる龍をモチーフにした「龍の口舞」といい、農耕の所作を表した「翁の舞」や樫の葉を雨に見立てた雨乞い祈願の所作といい、御旅所での祭祀は農耕儀礼と深く結びついたものであることがわかります。
写真:乾口 達司
地図を見る祭祀がとりおこなわれているあいだ、他の氏子は地区ごとに分かれて、お弁当を食べたりしています。
写真:乾口 達司
地図を見るくつろいでいる氏子の方々の前にも、風車を模したようなものなど、珍しい供物が並べられています。
写真:乾口 達司
地図を見る祭祀が終わると、一行は大和神社へ向かってもと来た道を戻っていきます。大和神社に還った後は、御旅所でおこなわれた龍の口舞などをふたたびおこない、当日の祭礼は幕を閉じます。
大和神社の「ちゃんちゃん祭り」がどのような祭礼か、おわかりいただけたでしょうか。春らしい雰囲気をかもし出す祭礼ゆえ、当日は大和神社にぜひ足を運び、奈良の祭りはじめともいわれる「ちゃんちゃん祭り」をご堪能ください。
2024年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/14更新)
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