写真:万葉 りえ
地図を見る備中松山城があるのは、岡山県の高梁市街地。標高430mの臥牛山(がぎゅうざん)の頂上付近です。でもここは、ふもとから登らなくても大丈夫。途中の「ふいご峠」という場所に登城整理バスの駐車場があり、そこから約20分ほどで天守に到着できるように道が整備されています。
写真:万葉 りえ
地図を見るしかも、ふいご峠の駐車場があるのは、臥牛山の8合目。そこから木漏れ陽が降り注ぐ中を進んでいけば、がんばったご褒美にこのように見晴らしの良い場所へと出てきます。ここまでくれば天守はもうすぐです。
写真:万葉 りえ
地図を見る備中松山城は、鎌倉時代に地頭としてこの地に赴任した秋庭氏が臥牛山に砦を築いたのが始まりで、その後何度も城主が変わっていきました。なぜならこの地は山陽と山陰を結ぶ街道の要衝。戦国時代にはさらに激しい争奪戦が行われています。
そんな地にある臥牛山は、大きな岩がたくさんある山。大手門跡付近で見ていただきたいのがこちらの景色です。この高さ10mを超える巨岩の上に築かれた石垣。難工事であろうと攻められにくい城を築こうとした気持ちも、戦が絶えなかった歴史を知ればうなずけますよね。
写真:万葉 りえ
地図を見る城が現在の姿となったのは1683年で、当時の城主・水谷勝宗が城下の町割りを整え、城を大修復しています。天守は3層に見えるようにデザインされていますが、2層2階の造り。高さは11mほどで、2階には大きな神棚を設けています。
中央に見えている石段を上がれば本丸です。そしてその付近に、現代の城主「さんじゅーろー」が登城してきた人々を待っているはずです。
写真:万葉 りえ
地図を見る備中松山城は雲海に浮かぶ山城としても人気ですが、昨今は猫城主がいる城としての方が知られているのかもしれません。さんじゅーろーは、城の三の丸で保護されたというオスの猫。備中松山藩の藩士で、のちに新選組の組長になった谷三十郎にちなんで名前が付けられました。
人懐っこくて可愛いさんじゅーろー。彼が備中松山城のPR大使として業務に励んでくれたおかげで、この城は豪雨後の観光客減からみごとV字回復しています。
写真:万葉 りえ
地図を見る城主様にご挨拶したなら、城の中へと入っていきましょう。
ご案内したように、ここは交通の要衝にあり激しい争奪戦が行われた城。他にも現存する城はありますが、籠城戦に備えた造りはこの城の特徴と言っていいでしょう。もちろん、城の歴史についての紹介や貴重な品も展示されています。それらの後に見て欲しいのが、他の城では見られない造りです。
暖を取るだけでなく籠城時には煮炊きもできるように用意された囲炉裏。また城主一家の部屋の下にある「装束の間」は、石を敷き詰めて忍びの者でも侵入できない造りになっています。
また、こじんまりした城だからこそ屋根の木組みの造りが良くわかります。簡単な道具と人の力だけで当時の人々はこんなに大きな材も運び上げ、組んでいったのです。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして、さんじゅーろーがどこにいるのかというと、原則、城の管理事務所に常駐して、1日に2度ほど城内の見回りに出かけます。
ご覧のように、さんじゅーろーは訪れた子どもたちにもこんなに近くによってくれます。こんなに親しんでくれたらまた行きたくなるので、リピーターも多いのです。見回りは10時と14時ごろ。猫城主様のお目通りをかなえたい方はその時間を狙って訪問しましょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る城域にはこのように所々に桜の花も見られます。また、秋には大手門付近の紅葉も見どころ。岩壁に映える朱色の景色が楽しめます。
日本の山城の典型が残っている備中松山城と城下町「高梁」。どこかへ出かけたくなったら、ここも候補に挙げてみてください。そうそう、暖かさに誘われてさんじゅーろーがのんびりとお昼寝をしていたら、その時はそっと見守ってあげてくださいね。
住所:岡山県高梁市内山下1
電話番号:0866-22-1487
開城時間:
4月〜9月 9:00〜17:30
10月〜3月 9:00〜16:30
※備中松山城へのアクセスは関連MEMOにある高梁市の案内を参考にしてください
2024年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
万葉 りえ
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