写真:島塚 渓
地図を見る龍源院は室町時代の文亀2年(1502年)に能登守護の畠山氏、豊後守護の大友氏、周防守護の大内氏らによって創建されました。京都市北部にある大徳寺の境内には塔頭(たっちゅう)と呼ばれる小院が20以上あり、龍源院はそのなかで最も歴史のある寺院です。方丈(本堂)、唐門、表門はいずれも創建当初の建物が残されており、500年以上の歴史を有しています。
写真:島塚 渓
地図を見る龍源院の見どころは、本堂の周囲や書院の南側に造園された時代や様式の異なる枯山水です。枯山水は、水をいっさい使用せず砂と石を中心に構成されたシンプルな庭園ながら、雄大な自然の描写や哲学的なメッセージを随所に感じ取ることができます。龍源院では禅寺の落ち着いた雰囲気のなかで、じっくりと庭園を鑑賞できるようになっています。
写真:島塚 渓
地図を見る拝観入口から最も近い書院の軒先にある庭園が「滹沱底(こだてい)」です。別名を「阿吽の庭(あうんのにわ)」とも呼び、豊臣秀吉が築いた聚楽第(じゅらくだい)の礎石の一部だったと伝わる一対の阿吽の石を中心に構成されています。この2つの石は天と地、陰と陽、プラスとマイナスなど対となる概念の世界を表現したものだと考えられています。
写真:島塚 渓
地図を見る方丈と庫裏との間のわずかな空間に作られた坪庭が「東滴壺(とうてきこ)」です。東滴壺は白砂の上に3個、2個のまとまりで合計5個の石が置かれただけの非常にシンプルな造形ながら、現代壺庭の傑作として京都観光のポスターにも採用された非常に有名な庭園です。
写真:島塚 渓
地図を見る石とその周りに同心円状に広がった砂紋は、大河に一滴の水がしたたり落ちる様子を表現しています。水滴が大河となって海に注ぐように、広大な悟りの世界に到達するためには、一滴の水のような僅かなきっかけが大切だという禅の教えが込められた庭になっています。
写真:島塚 渓
地図を見る昭和55年に本堂の南側に作庭された「一枝坦(いっしだん)」は龍源院のなかで最も広大な庭園です。大海原を表わした白い砂と蓬莱神仙思想(ほうらいしんせんしそう)に基づき配置された7つの石で構成されています。
石組は大きく3つに分かれており、手前の丸い苔山と2つの石で亀、右奥にある2つの石は鶴、真ん中の背の高い石組みは仙人の住む蓬莱山を表わしています。いずれも長寿の象徴として古くから庭園に取り入れられてきたモチーフで、不老不死を願う蓬莱神仙思想の伝統を受け継いだ庭になっています。
本堂の北側にある「龍吟庭(りょうぎんてい)」は龍源院で最も古い庭園で、室町幕府に仕えた相阿弥(そうあみ)が作庭したと考えられています。庭全体を覆う柔らかな青苔と背後の白壁の前に並べられた石組が龍吟庭の特徴です。中央の石組は仏教世界の中心にそびえる須弥山(しゅみせん)を表現し、周りの苔は広々とした大海原を表わしています。
住所:京都府京都市北区紫野大徳寺町82-1
料金:350円
拝観時間:9:00〜17:00
アクセス:市バス「大徳寺前」下車、徒歩約5分
2024年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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島塚 渓
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