ルネッサンス様式の「フェンボーハウス」はニュルンベルク市立博物館

ルネッサンス様式の「フェンボーハウス」はニュルンベルク市立博物館

更新日:2024/03/22 16:27

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
煉瓦色の町並みや石畳の路地が美しい中世の町、ドイツ・バイエルン州第2の都市ニュルンベルク。第二次世界大戦で壊滅状態となりましたが、かつての絵や写真をもとに昔通りの姿に見事復元。ロマンティックな雰囲気が魅力の町として人気を集めています。

この町の約千年の歴史と400年以上前の住人の生活を今に伝える展示が見られるのが市立博物館「フェンボーハウス」。ルネッサンス様式の建物で豪華な内装にも注目です。

市立博物館の入る「フェンボーハウス」

市立博物館の入る「フェンボーハウス」

写真:Hiroko Oji

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ニュルンベルクの市立博物館は、ルネッサンス様式の堂々たる建物フェンボーハウスに入る博物館です。

フェンボーハウスの歴史は1591年〜1596年、オランダの大商人が皇帝の城カイザーブルグの麓に家を建てたことから始まりました。17世紀には貴族の豪華な邸宅に改築され、18世紀〜19世紀にかけて、銅で刻まれた何百万もの地図が作成された地図出版社となり、地図将校が本部を置いた所でもありました。19世紀初頭にはゲオルク・クリストフ・フランツ・フェンボーがこの邸宅を購入した後、1928年にニュルンベルク市所有となり、1953年から博物館として使用されています。

本館は第二次世界大戦の戦禍の中ほぼ無傷で生き延びたという、ニュルンベルクに現存する唯一の建物で、建物の他の部分は大きな被害を受けた後再建され、現在の姿となっています。

市立博物館の入る「フェンボーハウス」

写真:Hiroko Oji

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ニュルンベルクの中心地となるフラウエン教会が面する中央広場から、市庁舎前の坂道をカイザーブルグを目指して上るブルグ通り沿いの中ほどに、フェンボーハウスの入り口があります。

市立博物館の入る「フェンボーハウス」

写真:Hiroko Oji

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館内の通路はいたってシンプルな造りなのですが、階段には素敵なデザインの手すりが備わり木彫り像などもさりげなく置かれています。

町の歴史がずっしり

町の歴史がずっしり

写真:Hiroko Oji

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まずは、いくつかあるこの町の歴史を伝えるお部屋からの見学です。

部屋の中央に各時代のニュルンベルクの町の模型が置かれて俯瞰できるようになっており、壁にはその時代の写真が掲げられています。

町の歴史がずっしり

写真:Hiroko Oji

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旧市街を中心とした模型には、中世以来、アウグスブルクと並んでイタリア〜ヨーロッパ北部間を結ぶ2大貿易都市となり、13世紀〜16世紀には神聖ローマ帝国の居城が置かれ、独・ルネサンス文化の中心地となったニュルンベルクの町が再現されています。

町の歴史がずっしり

写真:Hiroko Oji

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壁には第二次世界大戦時にことごとく破壊された町の様子が写真で紹介されており、ナチス占領下の悲惨なニュルンベルクの姿がそこに残されています。

豪華な天井画のあるビューティフルルーム

豪華な天井画のあるビューティフルルーム

写真:Hiroko Oji

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こちらは見逃せないお部屋の一つ「ビューティフルルーム」!

1957年〜1958年にかけて、豪華な羽目板と絵画が描かれた格間天井のある壮大な部屋「ビューティフルルーム」が、木彫り細工の家具と共に、フェンボーハウスの奥の建物に設置されました。

豪華な天井画のあるビューティフルルーム

写真:Hiroko Oji

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首が痛くなるほど魅入ってしまうのは天井の格間装飾!

これらは、ニュルンベルクで最も裕福な商人の一人だったマルティン・ペラーがこの町のエギディエンベルク広場にペラーハウスという家を建て、ビューティフルルームに絵画コレクションとして収めていたものです。ところが第二次世界大戦が始まる前にコレクションを他の所に移動させていたおかげで破壊を免れ、戦後こちらの部屋に設置されたのが現在目の前にある天井の装飾なのです。中央の天井画は1611年頃に完成した「フェートンの陥落」です。

豪華な天井画のあるビューティフルルーム

写真:Hiroko Oji

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天井ばかりでなく、室内の重厚な家具や彫刻、ズラリと並ぶ肖像画なども見逃せません。

漆喰装飾が眩しいホールと貴族の館の部屋

漆喰装飾が眩しいホールと貴族の館の部屋

写真:Hiroko Oji

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市立博物館の2階にあるのがバロック様式の天井が美しいホール。ニュルンベルクに現存する最も印象的なバロック様式の漆喰装飾の天井で、イタリア漆喰芸術の技巧が使われており、愛と友情が基本となるモチーフがあります。

左側の装飾では、愛と友情の伴侶であるキューピッドが逃げようとする愛らしさと愛の楽しみの女神ヴィーナスに矢を向ける場面が表現されています。また右側では友情を象徴し、ヴィーナスとキューピッドが親密な友情で結ばれ、2人の子供が一緒に遊ぶ様子も描かれています。さらに、四隅の窓側では春と夏、階段側には秋と冬の四季が表されています。

漆喰装飾が眩しいホールと貴族の館の部屋

写真:Hiroko Oji

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漆喰装飾の美しいホールに隣接して、家族のお祝いやゲストの接待のためだけに使用されたという部屋が並びます。木製の格間天井に木彫りが施された家具、陶器製のストーブなど豪華過ぎない装飾で落ち着ける雰囲気のお部屋です。

漆喰装飾が眩しいホールと貴族の館の部屋

写真:Hiroko Oji

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また建物自体のミニチュアが置かれた部屋もあり、造りが一目瞭然。

貿易で栄えた町ではスパイスが豊富に使われていたため、そのレシピが紹介されているコーナーや、職人のギルドについての説明があったり、と多方面について語られる館内です。

常設展示「クラウン・パワー・ヒストリー」のコーナー

常設展示「クラウン・パワー・ヒストリー」のコーナー

写真:Hiroko Oji

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一旦中庭に出て4人の女神の立像と古井戸の前を矢印方面に向かうと、そこにあるのは「クラウン・パワー・ヒストリー」という展示ホールです。

常設展示「クラウン・パワー・ヒストリー」のコーナー

写真:Hiroko Oji

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入り口を入るとニュルンベルクの約1000年にわたる歴史をわずかな時間で体験できるコーナーになっています。

ここはフェンボーハウスに新しくデザインされた展示ホール。わずか数平方メートルの空間なのですが、赤い座り心地の良いソファに腰掛けてニュルンベルクの波乱万丈の過去を一目で見ることができるのです。

常設展示「クラウン・パワー・ヒストリー」のコーナー

写真:Hiroko Oji

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ルネッサンス期には急速に発展しヨーロッパの政治・貿易・芸術の中心地の1つとなり、ほぼ全壊状態となった第二次世界大戦後の困難な再建まで、劇的な変化を遂げた過去が盛り込まれた展示内容が壁一面に並びます。

これらは1424年から約400年間保管されていた貴重な絵画や品々のレプリカに説明が添えられたもので、当時の写真も掲げられています。

フェンボーハウスは市立の博物館なので、Tageskarteという一日券を利用すると、デューラーハウスやおもちゃ博物館といった市立の博物館にも入館することができ、お得な観光が楽しめます。2館に入れば元が取れてしまいますので、ぜひご利用くださいね。

フェンボーハウスの基本情報

住所:Burgstrabe 15, 90403 Nurnberg
電話番号:+49-911-2312595
開館時間:10:00〜17:00(土・日曜日は〜18:00)
休館日:月曜日

2024年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/12/08 訪問

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