万華鏡のような花手水も!京都・木津川市「岩船寺」のあじさい

万華鏡のような花手水も!京都・木津川市「岩船寺」のあじさい

更新日:2025/05/08 13:45

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
京都府木津川市にある岩船寺(がんせんじ)は、四季折々の花が咲く古刹で、関西花の寺霊場の第十五番札所にもなっています。とくに約5000株と言われるあじさいは有名で、初夏の境内を美しく彩ります。岩船寺で、幻のあじさいと呼ばれる「シチダンカ」や万華鏡のような花手水を楽しんでみませんか?

関西花の寺霊場 第十五番札所の「岩船寺」とは

関西花の寺霊場 第十五番札所の「岩船寺」とは

写真:モノホシ ダン

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岩船寺は、真言律宗の寺院で、山号は高雄山(こうゆうざん)です。寺伝によると729年(天平元年)に聖武天皇の勅願により、行基が創建したと伝わります。

山門から望む三重塔の額縁構図は有名ですが、ほかに雨上がりに山門前にできる水溜まりに、三重塔が映り込むリフレクション撮影も人気です。

関西花の寺霊場 第十五番札所の「岩船寺」とは

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岩船寺のあじさいの見頃は、例年6月上旬から7月上旬です。カラフルなあじさいと三重塔の競演は、まるで絵画のような美しさです。

関西花の寺霊場 第十五番札所の「岩船寺」とは

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岩船寺は、豊かな自然の中にある山寺で、初夏のあじさいのほかに、秋の紅葉が見事です。

写真は、阿字池から眺めた本堂。本堂には、御本尊の平安時代作の阿弥陀如来坐像(重文)、普賢菩薩騎象像(重文)、室町時代作の十二神将像などが安置されています。

いずれもすぐ目の前まで近寄れるため、じっくりと拝観することができます。

まるで万華鏡のような睡蓮鉢の「花手水」

まるで万華鏡のような睡蓮鉢の「花手水」

写真:モノホシ ダン

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岩船寺では、地植えのあじさいのほかに、本堂の縁側に鉢植えのあじさいも飾られています。境内にはモリアオガエルが生息しているためカエルの人形も置かれていて、見ているだけでも癒されます。

まるで万華鏡のような睡蓮鉢の「花手水」

写真:モノホシ ダン

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岩船寺のあじさいシーズンで必見なのが、本堂前に置かれた睡蓮鉢の花手水です。色とりどりのあじさいで鉢が満たされた光景は思わず息を呑むような美しさです。

花手水は毎日、少しずつ花を入れ替えているので、万華鏡のようにその時しか見られない一期一会の模様が楽しめます。また、金魚などの絵が描かれた染付陶器の浮き球もオシャレで可愛らしいです。

まるで万華鏡のような睡蓮鉢の「花手水」

写真:モノホシ ダン

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ほかに、あじさいの花手水と岩船寺のシンボルである三重塔の構図も絵になります。なお花手水の設置状況については、岩船寺のインスタグラムでご確認ください。

縁の下の力持ち!三重塔を支える「天邪鬼」

縁の下の力持ち!三重塔を支える「天邪鬼」

写真:モノホシ ダン

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花手水の鑑賞を楽しんだら、境内を歩いてみましょう。阿字池の付近では、モリアオガエルに出会うことも。

樹の上で生活する珍しいカエルで、指先には丸い吸盤があり、樹上での生活に適応しています。非繁殖期はおもに森の中に生息していますが、繁殖期の4月から7月にかけては生息地付近の湖沼に降りてきます。

体色は個体差があり、写真のように全身が緑色の個体もいれば、全身に褐色の斑紋が出る個体もいます。また、目の虹彩がほかのカエルに比べ赤褐色なのも特徴です。

縁の下の力持ち!三重塔を支える「天邪鬼」

写真:モノホシ ダン

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本堂から阿字池を挟んで対岸の高台に建っているのが、三重塔(重文)です。高さは約18mで、承久の乱で焼失、現存する塔は室町時代の建立と考えられています。

三重塔の裏手の遊歩道からは、塔を少し高い位置から見下ろすことができます。

縁の下の力持ち!三重塔を支える「天邪鬼」

写真:モノホシ ダン

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この三重塔の見どころは、四隅の垂木を支えるユーモラスな天邪鬼(重文)です。塔の裏手の遊歩道からは、かなり近くに見えます。それぞれ表情が違いますのでじっくりと拝見してください。

幻のあじさい「シチダンカ」も咲く

幻のあじさい「シチダンカ」も咲く

写真:モノホシ ダン

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冒頭でもご紹介しましたが、岩船寺の境内には、ヤマアジサイ、西洋アジサイなど約30種、5000株以上のあじさいがあります。その中には稀少な珍しいあじさいも見ることができます。

写真の「シチダンカ」は、ドイツの医師・博物学者のシーボルトが『フローラ・ヤポニカ』(日本植物誌)で紹介した植物です。 しかし、その後、国内では見つからず“幻のアジサイ“と呼ばれていました。ところが、1959年(昭和34年)に神戸・六甲山で再発見され、広く分布しているのが確認されました。

ヤマアジサイの一種で、装飾花が八重咲、各がく片が剣状に尖って綺麗に重なり星状に見えるのが特徴です。

幻のあじさい「シチダンカ」も咲く

写真:モノホシ ダン

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まるで万華鏡のような「カルミヤ」(アメリカシャクナゲ)もよく見かけます。つぼみは金平糖のような形で、開花すると五角形の花を咲かせます。

1915年(大正4年)に、日本がアメリカに贈った桜の返礼として、アメリカから日本にやってきました。

幻のあじさい「シチダンカ」も咲く

写真:モノホシ ダン

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切ない名前の「ミヤコワスレ」は、キク科の日本独自の植物です。名前の由来は、鎌倉時代に承久の乱に敗れた順徳天皇が佐渡島に流された際に、この花を見て心を慰め、都恋しさを忘れたとの伝承によります。

“花の寺”の岩船寺で、あじさいだけでなく色々な花を楽しんでください。

あじさい期の「特別寶印紙」もおすすめ

あじさい期の「特別寶印紙」もおすすめ

写真:モノホシ ダン

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なお岩船寺では、己書と絵が入った期間限定の特別寶印紙を作成しています。己書とは、字のごとく自分らしい表現で書いた書で、自分の世界観を楽しく表現できる唯一無二の書です。

あじさい期の特別寶印紙の絵は、三重塔と紫陽花に地蔵菩薩が描かれたものです。「花は小さな仏さま」の墨書きがステキな響きです。拝観の記念に授かってみてはいかがでしょうか。

岩船寺の基本情報

住所:京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
電話番号:0774-76-3390
拝観時間:8:30〜17:00
拝観料:大人500円、中高生400円、小学生200円
アクセス:JR関西本線(大和路線)加茂駅から「加茂山の家行き」の木津川市コミュニティバスで約16分、「岩船寺」下車すぐ
車利用の場合は、有料駐車場利用

2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/06/05−2024/06/17 訪問

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