写真:モノホシ ダン
地図を見る岩船寺は、真言律宗の寺院で、山号は高雄山(こうゆうざん)です。寺伝によると729年(天平元年)に聖武天皇の勅願により、行基が創建したと伝わります。
山門から望む三重塔の額縁構図は有名ですが、ほかに雨上がりに山門前にできる水溜まりに、三重塔が映り込むリフレクション撮影も人気です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る岩船寺のあじさいの見頃は、例年6月上旬から7月上旬です。カラフルなあじさいと三重塔の競演は、まるで絵画のような美しさです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る岩船寺は、豊かな自然の中にある山寺で、初夏のあじさいのほかに、秋の紅葉が見事です。
写真は、阿字池から眺めた本堂。本堂には、御本尊の平安時代作の阿弥陀如来坐像(重文)、普賢菩薩騎象像(重文)、室町時代作の十二神将像などが安置されています。
いずれもすぐ目の前まで近寄れるため、じっくりと拝観することができます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る岩船寺では、地植えのあじさいのほかに、本堂の縁側に鉢植えのあじさいも飾られています。境内にはモリアオガエルが生息しているためカエルの人形も置かれていて、見ているだけでも癒されます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る岩船寺のあじさいシーズンで必見なのが、本堂前に置かれた睡蓮鉢の花手水です。色とりどりのあじさいで鉢が満たされた光景は思わず息を呑むような美しさです。
花手水は毎日、少しずつ花を入れ替えているので、万華鏡のようにその時しか見られない一期一会の模様が楽しめます。また、金魚などの絵が描かれた染付陶器の浮き球もオシャレで可愛らしいです。
写真:モノホシ ダン
地図を見るほかに、あじさいの花手水と岩船寺のシンボルである三重塔の構図も絵になります。なお花手水の設置状況については、岩船寺のインスタグラムでご確認ください。
写真:モノホシ ダン
地図を見る花手水の鑑賞を楽しんだら、境内を歩いてみましょう。阿字池の付近では、モリアオガエルに出会うことも。
樹の上で生活する珍しいカエルで、指先には丸い吸盤があり、樹上での生活に適応しています。非繁殖期はおもに森の中に生息していますが、繁殖期の4月から7月にかけては生息地付近の湖沼に降りてきます。
体色は個体差があり、写真のように全身が緑色の個体もいれば、全身に褐色の斑紋が出る個体もいます。また、目の虹彩がほかのカエルに比べ赤褐色なのも特徴です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る本堂から阿字池を挟んで対岸の高台に建っているのが、三重塔(重文)です。高さは約18mで、承久の乱で焼失、現存する塔は室町時代の建立と考えられています。
三重塔の裏手の遊歩道からは、塔を少し高い位置から見下ろすことができます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るこの三重塔の見どころは、四隅の垂木を支えるユーモラスな天邪鬼(重文)です。塔の裏手の遊歩道からは、かなり近くに見えます。それぞれ表情が違いますのでじっくりと拝見してください。
写真:モノホシ ダン
地図を見る冒頭でもご紹介しましたが、岩船寺の境内には、ヤマアジサイ、西洋アジサイなど約30種、5000株以上のあじさいがあります。その中には稀少な珍しいあじさいも見ることができます。
写真の「シチダンカ」は、ドイツの医師・博物学者のシーボルトが『フローラ・ヤポニカ』(日本植物誌)で紹介した植物です。 しかし、その後、国内では見つからず“幻のアジサイ“と呼ばれていました。ところが、1959年(昭和34年)に神戸・六甲山で再発見され、広く分布しているのが確認されました。
ヤマアジサイの一種で、装飾花が八重咲、各がく片が剣状に尖って綺麗に重なり星状に見えるのが特徴です。
写真:モノホシ ダン
地図を見るまるで万華鏡のような「カルミヤ」(アメリカシャクナゲ)もよく見かけます。つぼみは金平糖のような形で、開花すると五角形の花を咲かせます。
1915年(大正4年)に、日本がアメリカに贈った桜の返礼として、アメリカから日本にやってきました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る切ない名前の「ミヤコワスレ」は、キク科の日本独自の植物です。名前の由来は、鎌倉時代に承久の乱に敗れた順徳天皇が佐渡島に流された際に、この花を見て心を慰め、都恋しさを忘れたとの伝承によります。
“花の寺”の岩船寺で、あじさいだけでなく色々な花を楽しんでください。
写真:モノホシ ダン
地図を見るなお岩船寺では、己書と絵が入った期間限定の特別寶印紙を作成しています。己書とは、字のごとく自分らしい表現で書いた書で、自分の世界観を楽しく表現できる唯一無二の書です。
あじさい期の特別寶印紙の絵は、三重塔と紫陽花に地蔵菩薩が描かれたものです。「花は小さな仏さま」の墨書きがステキな響きです。拝観の記念に授かってみてはいかがでしょうか。
住所:京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
電話番号:0774-76-3390
拝観時間:8:30〜17:00
拝観料:大人500円、中高生400円、小学生200円
アクセス:JR関西本線(大和路線)加茂駅から「加茂山の家行き」の木津川市コミュニティバスで約16分、「岩船寺」下車すぐ
車利用の場合は、有料駐車場利用
2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
モノホシ ダン
旅行業に30年以上携わってまいりまして、おもに団体旅行の手配・企画・添乗業務などをおこなってきました。お客様には、次回もご指名いただくために、新規の観光地や、穴場の名所・旧跡めぐりの開拓のため現地への…
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