紫陽花と蛙の競演も!奈良・室生寺「大和観音あぢさゐ回廊」

紫陽花と蛙の競演も!奈良・室生寺「大和観音あぢさゐ回廊」

更新日:2025/05/29 11:11

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県宇陀市の室生寺は、役行者が開き、女人禁制だった高野山に対し、女人にも開かれた“女人高野”と称される古刹です。

その室生寺と、県内の、長谷寺、岡寺、壷阪寺の4ヶ寺の紫陽花を巡るイベントが「大和観音あぢさゐ回廊」です。さらに4つのお寺で無料スタンプを押して一枚の風景画を完成させる「大和あじさい重ね色巡礼」も同時開催。

室生寺の初夏を彩る花、紫陽花と生き物たちの競演を楽しんでみませんか?

紫陽花が咲く4つのお寺を巡る「大和観音あぢさゐ回廊」

紫陽花が咲く4つのお寺を巡る「大和観音あぢさゐ回廊」

写真:モノホシ ダン

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「大和あじさい重ね色巡礼」は、奈良県の紫陽花の名所めぐり「大和観音あぢさゐ回廊」の長谷寺、岡寺、壷阪寺の3ヶ寺に室生寺を加え、2025年(令和6年)から始まった新しいイベントです。

数量限定の特別御朱印や、紫陽花が咲く4つのお寺で無料スタンプを押して一枚の風景画を完成させる「重ね捺しスタンプラリー」が楽しめます。

写真は、江戸時代に焼失し、1965年(昭和40年)に再建された仁王門。門の両脇で構える青と赤の仁王像の色彩も印象的です。

紫陽花が咲く4つのお寺を巡る「大和観音あぢさゐ回廊」

写真:モノホシ ダン

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また室生寺は、素晴らしい仏像の宝庫でもあります。仁王門の手前の「寶物殿」では、金堂などから移された、写真の平安時代作の「十一面観音立像」(国宝)や「釈迦如来坐像」(同)など9体が安置されています。

以前より、仏像を間近で見ることができますので、仏像ファンの方の必見スポットとなっています。

<寶物殿の基本情報>
拝観時間:9:00〜16:30
拝観料:400円(別途入山料)

紫陽花が咲く4つのお寺を巡る「大和観音あぢさゐ回廊」

写真:モノホシ ダン

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ところで、室生寺のご本尊、如意輪観音菩薩像(重文)が安置されているのが国宝の本堂(灌頂堂)です。榧の一木造りで、厨子内におられますがライトアップされているため穏やかな表情までもが伺えます。

この仏像は、観心寺(大阪府)、神呪寺(兵庫県)の如意輪観音とともに日本三如意輪と称されています。

あじさいと仁王門のリフレクション撮影が楽しい「バン字池」

あじさいと仁王門のリフレクション撮影が楽しい「バン字池」

写真:モノホシ ダン

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仁王門をくぐった先にあるのが「バン字池」です。池の形が、大日如来を意味する梵字の「バン」をかたどったことからそう呼ばれています。

「大和観音あぢさゐ回廊」の期間中には、バン字池の周辺に色とりどりの鉢植えのあじさいが並べられています。

あじさいと仁王門のリフレクション撮影が楽しい「バン字池」

写真:モノホシ ダン

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またこの池は、水面に写り込む仁王門の姿が美しいことで知られています。鎧坂の階段からは、あじさいと仁王門のリフレクション撮影が楽しめます。

あじさいと仁王門のリフレクション撮影が楽しい「バン字池」

写真:モノホシ ダン

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さらに、鉢植えのあじさいの中には2体のお地蔵様がおられ、花を楽しんでいるかのような至福の表情にはとても癒されます。

バン字池の人気者!「モリアオガエル」と「イトトンボ」

バン字池の人気者!「モリアオガエル」と「イトトンボ」

写真:モノホシ ダン

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ほかにバン字池には、たくさんの蛙が棲んでいます。写真はトノサマガエル。手前の黄色い花は、水草の1種、コウホネです。

バン字池の人気者!「モリアオガエル」と「イトトンボ」

写真:モノホシ ダン

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バン字池の蛙では、奈良県で絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルも人気です。樹の上で生活する珍しいカエルで、繁殖期の4月から7月にかけて生息地付近の湖沼に降りてきます。

ほかのカエルとの違いは、目の虹彩がほかのカエルに比べ赤褐色なことです。

バン字池の人気者!「モリアオガエル」と「イトトンボ」

写真:モノホシ ダン

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昆虫では、イトトンボもよく見かけます。イトトンボはその名前のように、糸のように体が細いので、モリアオガエルとともに注意深く探してみてください。

室生寺の外せないフォトスポット「参道」と「五重塔」

室生寺の外せないフォトスポット「参道」と「五重塔」

写真:モノホシ ダン

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室生寺のあじさいのフォトスポットでは、金堂から本堂(灌頂堂)までの参道がおすすめです。参道には苔むした石段を埋め尽くすようにあじさいのプランターが並べられています。

室生寺の外せないフォトスポット「参道」と「五重塔」

写真:モノホシ ダン

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あじさいのほかに、室生寺の山内でもっとも古い仏像が、金堂の左手に建つ弥勒堂(重文)に安置された弥勒菩薩立像(重文)です。

奈良時代末期から平安時代初期にかけての仏像で、榧の一本造。正面から見ると、腰のあたりを少しだけ曲げた姿勢をされているのが特長です。

室生寺の外せないフォトスポット「参道」と「五重塔」

写真:モノホシ ダン

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室生寺のシンボル、五重塔(国宝)も外せません。平安時代初期の建立で、室生山中最古の建物です。

1998年(平成10年)の台風により巨木が倒れかかり、大きな損傷を被りましたが、その後、約2年かけた修復工事により見事に甦りました。

紫陽花と撮りたい「大和観音あぢさゐ回廊」“特製切り絵朱印”

紫陽花と撮りたい「大和観音あぢさゐ回廊」“特製切り絵朱印”

写真:モノホシ ダン

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冒頭でもご紹介しましたが「大和あじさい重ね色巡礼」では、紫陽花が咲く4つのお寺で無料スタンプを押して一枚の風景画を完成させる「重ね捺しスタンプラリー」も楽しめます。写真はその作例です。室生寺は、国宝の五重塔がデザインされています。

紫陽花と撮りたい「大和観音あぢさゐ回廊」“特製切り絵朱印”

写真:モノホシ ダン

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また「大和観音あぢさゐ回廊」の期間中には、紫陽花の特製切り絵朱印(1000円)が授与されます。

仁王門裏のバン字池に並べられた鉢植えのあじさいとモリアオガエルがデザインされた御朱印です。

紫陽花と撮りたい「大和観音あぢさゐ回廊」“特製切り絵朱印”

写真:モノホシ ダン

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さらに2025年は、4ヶ寺それぞれでデザインが違う環花守(1200円)も授与されます。

環花守(わっかまもり)とは、花巡りと観音様とご縁を結ぶ環をイメージして制作したもので室生寺では、この時期に産卵に戻ってくるモリアオガエルをイメージしています。

参拝の記念にそれぞれ授かってみてはいかがでしょうか。

奈良のあじさいの名所を巡ろう

いかがでしたか。奈良県にはほかにも、矢田寺(大和郡山市)、久米寺(橿原市)、馬見丘陵公園(北葛城郡河合町)などの紫陽花の名所があります。

この機会にあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2024/06/03−2025/05/26 訪問

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