テルマエ京都・ノスタルジー!〜日本一の船岡温泉〜

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テルマエ京都・ノスタルジー!〜日本一の船岡温泉〜

テルマエ京都・ノスタルジー!〜日本一の船岡温泉〜

更新日:2014/07/17 12:13

映画「テルマエ・ロマエ」の大ヒットで、にわかに銭湯ブーム!しかも映画では日本のお風呂文化が面白おかしく紹介され、現在、建築物としての楽しみかたにも注目が集まっています。歴史的建造物の多い京都ならでは。日本中の銭湯ファンがうなるという、「船岡温泉」をご紹介します!

壁にも欄間にも天井にも!こんなに見どころ満載の脱衣所はここだけ。

壁にも欄間にも天井にも!こんなに見どころ満載の脱衣所はここだけ。
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銭湯好きなら誰でも知っている「船岡温泉」。大正12年(1923年)に旅館「舟岡桜」の付属浴場として営業を開始。当時は銭湯の中でも値段が高め。西陣でも有名な、ゴージャス浴場として知られていました。

現在は登録有形文化財に指定されており、入口は当時から変わらない、唐破風造の建物。そのまま中へ入ると、見事なマジョリカタイルの装飾に、目を奪われます。天井を見上げれば鞍馬天狗の彫刻が大胆不敵な睨みをきかせ、存在感バツグン。さらに、四方へ張り巡らされた透かし彫りの欄間は、隆々とした生き物のごとく立体的。こんな脱衣場、見たことがありますか?初めてのかたなら、しばらくは呆然と立ち尽くしてしまうはずです。

透かし彫りは、たったひとりの無名の彫刻師が、10年の歳月をかけ丹精込めて作った作品。そこにはどんな思いがあったのでしょうか?鶴亀などの縁起物をかたどったものから、葵祭や今宮神社のやすらい祭りなど、地元の人には愛着のある行事の様子。さらには上海事変で活躍した「肉弾三勇士」の図柄まであり、欄間を見ているだけで日本のいろいろな風景を、思い起こさせてくれます。タイルの色彩と木彫りの欄間というギャップも、時代に翻弄された船岡温泉、そして彫刻師の幸福への想いを象徴しているかのように思えてくるのです。

これだけ見ごたえのある脱衣所を持つ銭湯は、船岡温泉をおいて他にはありません。

艶やかな渡り廊下にも見どころが!

艶やかな渡り廊下にも見どころが!
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脱衣場を堪能したあとは、さっそく浴場へと向かいましょう。途中渡り廊下があり、手洗い場が設置。そこにもマジョリカタイルがびっしりと張り巡らされ、また足を止めることに。タイル貼りのこのデザインは、大正時代に大流行したものだそう。色彩も大正ロマンを思わせる独特なムードです。

渡り廊下は以前、千本鞍馬口で実際に使われていたという「菊水橋」という石橋を使用。これは橋が市電のために取り壊されるという話を聞き、ここへ移築したもの。昔から地元の人たちが往来していた橋を壊すなど、忍びなかったのかもしれません。現在でも脱衣場と浴場をつなぐ架け橋として、大いに活躍しています。

銭湯の中に渡り廊下があるというスタイル。さらに張り巡らされたタイルと窓から覗く庭と池。あなたが歩くのは移築した本物の橋。船岡温泉では、こんなところにも楽しめる要素を満載しています。足元から歴史を感じるなんて、銭湯では滅多に出来ることではありません。日本でもここだけなのです。

京都発の露天風呂!?日本初の電気風呂!?

京都発の露天風呂!?日本初の電気風呂!?
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ここまで見所満載の船岡温泉でしたが、浴場は至って現代風。衛生面などを考えれば、これは当然のことかもしれませんね。浴場は広々としていて、京都の地下水を沸かしたもの。さらに薬風呂、ジェットバス、露天風呂もあり、銭湯で露天風呂を取りいれたのは、この船岡温泉が初なのです!男女各ひとつずつ設置されていて、ひとつが檜風呂、ひとつが岩風呂と趣の異なる二種の露天。当時はさぞかし、斬新だったでしょう。どちらも試したいのであれば、毎日男女が入れ替わるので、2日あれば両方堪能できます。電気風呂は、日本初導入したのがここだとか!のんびりとした雰囲気ながら、当時は、チャレンジ精神旺盛な銭湯でもあったのかもしれません。お客さんを楽しませたい、喜ばせたいという意欲。そんな気持ちが、ひしひしと伝わってきます。

最後に

船岡温泉は途中、第二次世界大戦で、苦しい営業状態を強いられます。誰ひとり銭湯に入る人などいなくなり、閑古鳥も泣き続けました。それでも閉館することなく銭湯というスタイルを守り、建物の改築を勧められても決して首を縦にはふらなかったそうです。やがて人々がまた銭湯へと集うようになり、当時のにぎやかさが蘇ってきた頃、すでに時は歴史を追い越して行きました。最先端のゴージャス浴場だった船岡温泉は、そこで時間が止まったまま。そして、昔の面影を残すノスタルジックな銭湯へと変わっていったのです。

日本一とも日本最強とも言われる船岡温泉には、ここでしか感じられない歴史と銭湯への熱い想いがあります。そして、ここでしか見られないものばかり。
今では海外のお客さんも多数来られ、さらに日々訪れるお客さんの大半が、一見さん。お風呂セットも中で販売していますし、急に思い立っても入浴可能。ここまで来ることがあれば、日本一の船岡温泉に寄らない手はありません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/01 訪問

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