マッターホルンを眺めながらツェルマットの五湖をめぐるハイキング

マッターホルンを眺めながらツェルマットの五湖をめぐるハイキング

更新日:2024/08/26 12:07

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
登山電車やロープウェイで手軽にその雄姿を間近に眺められるマッターホルン。山頂にはスイスとイタリアの国境が通り、スイス側の麓の町がツェルマット。スキー・登山・ハイキングで人気の山岳リゾート地です。

このツェルマットではマッターホルンを眺めながら楽しめるハイキングコースがいくつもあります。そのうちの一つ、ロートホルン展望台からマッターホルンの姿を楽しみながら五つの湖を巡るコースをご紹介します。

マッターホルン観光の起点ツェルマットからロートホルン展望台へ

マッターホルン観光の起点ツェルマットからロートホルン展望台へ

写真:Hiroko Oji

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スイス南部ヴァレー州にあり、スキー・登山・ハイキングで人気の山岳リゾート地ツェルマットといえば「マッターホルン」観光は外せません。

マッターホルンは、山頂にはスイスとイタリアの国境が通り、イタリア側の麓にはブレイユ・チェルヴィニアという町があり、スイス側の町がツェルマットなのです。マッターホルンの姿を見るだけなら、登山電車で行くゴルナーグラート展望台やケーブルカーでアクセスするスネガ展望台、ゴンドラとロープウェイで行けるマッターホルン・グレイシャー・パラダイス展望台などがありますが、今回は、マッターホルンを眺めながら湖をめぐるハイキングコースをご案内します。

マッターホルン観光の起点ツェルマットからロートホルン展望台へ

写真:Hiroko Oji

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まずは、町中を流れる川沿いに乗り場がある地下ケーブルに乗ってスネガ展望台へ。よく写真などで紹介されている最も代表的な角度から美しいマッターホルンの眺望が楽しめることで知られていて人気のある展望台です。すぐ下にはライゼーという湖があるのですが、後で歩いてやってきますので、一目その眺望を楽しんだらゴンドラに乗り換えブラウヘルト展望台へ!そこからはさらに大きなロープウェイに乗り換えてロートホルン展望台を目指しましょう。

ケーブルカーは地下を走るので眺望は全く望めませんが、ゴンドラとロープウェイからは高度を上げるたびにどんどん素晴らしい山岳風景が広がります。

マッターホルン観光の起点ツェルマットからロートホルン展望台へ

写真:Hiroko Oji

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今回ご紹介するハイキングコースは、五つの湖をめぐるコースで、コース上にはところどころに「5-SEENWEG」という表示があるので、迷う心配はありません。またいくつかの分かれ道に来ると、こまかく矢印で行き先が表示されているので、途中で体調や時間の都合などでコース変更しやすいのもありがたいところです。

ロートホルン展望台からシュテリゼーへ

ロートホルン展望台からシュテリゼーへ

写真:Hiroko Oji

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到着したロートホルン展望台は標高3103mにあって、ここから見たマッターホルンは最も尖って見えることで知られています。

独立峰で標高4478mのマッターホルンが大パノラマの中に堂々とそびえ立つ姿は、スネガ展望台から見たのと比べてみると、少しばかり壁面がシャープにも見えます。

ロートホルン展望台からハイキング開始なのですが、歩き始めはマッターホルンを背に、これも4000m級のストラールホルンや真っ白なフィンデル氷河方面に下っていきます。この辺りは雪渓が残っていたり急斜面のガレ場がありますが、慎重に進めば大丈夫!

ロートホルン展望台からシュテリゼーへ

写真:Hiroko Oji

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下り始めて20分ほどでガレ場も終わり、足元にはかわいらしい青やピンク色の高山植物の姿も見え始め、右後方を振り返れば隠れていたマッターホルンも姿を見せてくれるようになり、ブライトホルンからモンテ・ローザなど名峰が並ぶ眺めも一望のもとです。

そしてさらに20分ほどで下方に小さく見えてくるのがフルーアルプというホテル・レストランの山小屋です。

ロートホルン展望台からシュテリゼーへ

写真:Hiroko Oji

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フルーアルプは落ち着いた色合いの古い木造の建物で赤い窓覆いの扉がかわいらしい建物です。ここでトイレを借りたり一休みした後は最初の湖シュテリゼーを目指しましょう。

ここからはゴツゴツした岩場とお花畑の入り混じった中を歩きますが、歩きやすく整備されています。

<フルーアルプの基本情報>
住所:Steinmattstrasse 71,3920 Zermat
電話番号:+41-27-967-25-97
営業期間:6/22〜10/6、11/30〜4/20

シュテリゼーからライゼーへ

シュテリゼーからライゼーへ

写真:Hiroko Oji

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フルーアルプから20分もかからず下ってきて、満面の水をたたえたシュテリゼーに到着。標高2537mです。

まずはマッターホルンの均整のとれた美しい姿を堪能しましょう。風さえなければ湖面には逆さマッターホルンがくっきり見え、いつまでもそこを離れたくなくなるほどの眺めです。

シュテリゼーからライゼーへ

写真:Hiroko Oji

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シュテリゼーからはマッターホルン目指してまっしぐら!のコースとなります。鋭く切り立った崖下にある谷を見下ろしながら、足元のお花たちに励まされながらのハイキングです。

シュテリゼーからライゼーへ

写真:Hiroko Oji

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シュテリゼーからお花畑を楽しみながら歩くこと45分ほど、スネガ展望台から見下ろしていたライゼーに到着です。

ライゼーでも、風がなければマッターホルンだけでなくダン・ブランシュなどの山々が湖面に逆さに映る眺めが楽しめます。湖畔にはお子様向けの遊具が設置され、湖水浴を楽しむファミリーが多い湖です。ここでハイキングを終了してスネガ展望台へ戻りたければ、歩いて登ってもすぐですが、もう歩きたくない方には無料のケーブルカーも設置されていますのでご利用ください。

シュテリゼーからグリンジゼーへ

シュテリゼーからグリンジゼーへ

写真:Hiroko Oji

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シュテリゼーとライゼーを結ぶコースの途中からはグリンジゼーへ続くコースに分かれます。

このコースからは下の方にモシェ湖が見えています。標高2140mにあり、典型的な貯水池。乳白色の水色をした湖水は氷河から水が供給されているためで、ひときわ目を惹いています。ライゼーからお花畑の斜面を下ると20分ほどで行くことができます。

シュテリゼーからグリンジゼーへ

写真:Hiroko Oji

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分かれ道から急な下り道へ入り、10分少々でグリンジゼーに到着です。うっかりすると気付かずに通り過ぎてしまいそうなほどの小さな湖です。

シュテリゼーからグリンジゼーへ

写真:Hiroko Oji

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バランスよく並ぶ木々に囲まれたグリンジゼーは細長く深い緑色をしていて、オアシスのような存在。水中を見ると小さな魚たちが泳ぎ回っていて、湖面に映るマッターホルンの姿も美しいです。

グリンジゼーからグリュンゼーヘ

グリンジゼーからグリュンゼーヘ

写真:Hiroko Oji

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グリンジゼーからは、ダン・ブランシュやオーバーガーベルホルンなどの山々を正面に見ながら下って川を渡って谷を越え、マッターホルンの姿とはしばしお別れのコースとなります。

グリンジゼーからグリュンゼーヘ

写真:Hiroko Oji

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30分近く歩いて見えてくるのが、エメラルドグリーンの美しい湖グリュンゼー。「緑の湖」という意味があり、標高2300mにある湖の入り口近くには、周囲の山の泉から湖に水を供給する筒がいくつかつながれて設置されていて、かなり冷たい湖水で満たされています。

全容は見えず頭だけがちょこんと見えるマッターホルンですが、ヴァイスホルンやオーバーガーベルホルン、反対側にはストラールホルンやアドラーホルンなどを含む多くの4000m級の名峰とともに風景を楽しみながら、ピクニックや湖水浴を楽しむのに最適な場所となっています。

グリンジゼーからグリュンゼーヘ

写真:Hiroko Oji

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グリュンゼーでたっぷり休憩したら、ゴルナーグラート鉄道(リッフェルアルプ駅またはリッフェルベルク駅)に向かいましょう。歩き始めるとホテル・レストラン「Mountain Lodge Ze Seewjinu」があり、こちらでトイレ休憩も可能です。

そのあとは林の中を歩くことになりますが、少し開けたところに出ると、谷を隔ててスネガ展望台やブラウヘルト展望台・ロートホルン展望台の並ぶ山とその麓にあるフィンデルンの集落などの見晴らしがバッチリ。

駅に辿り着けば、登山電車に揺られてツェルマットに戻れますし、リッフェルベルグ駅からゴンドラに乗り換えてフーリ方面へ向かうこともできますので、それぞれの体力や時間に合わせてお楽しみくださいね。

<Mountain Lodge Ze Seewjinuの基本情報>
住所:Grunsee,3920 Zermat
電話番号:+41-79-900-23-00
営業期間:6〜10/13、12/14〜/4/21

楽しみ方は千差万別!自分に合ったコース巡りを楽しもう

ツェルマットから訪れるこれらの山の湖は、形や色、大きさ、特徴がそれぞれ違った魅力があります。一気に五湖を回ることも可能ですが、それがつらい場合やゆとりある日程なら、一日はシュテリゼーとライゼーの二つの湖を、後日に三つの湖などと分けることも可能。巡り方はその人その人で異なり、途中の分かれ道にある標識を見て行きたい方向を選びながら進むことも楽しみの一つとなるでしょう。ご都合やご自分の体調に合わせてお楽しみくださいね。

2024年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2024/07/17−2024/07/20 訪問

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