写真:乾口 達司
地図を見る今回、ご紹介する「弥勒寺(みろくじ)」は、兵庫県姫路市夢前町にある寺院。姫路市の古刹・書写山圓教寺を開いた性空上人が隠棲し、草庵を結んだ地に由来します。そのため、圓教寺とは深いかかわりを持ち、圓教寺の奥の院ともされています。
そのような弥勒寺も、正月三が日は多くの初詣客でにぎわいます。沿道には「初詣」と記された幟も立ち並ます。
写真:乾口 達司
地図を見る参道にも大きな門松が置かれ、年神さまをお迎えしています。
写真:乾口 達司
地図を見る弥勒寺におけるお正月ならではの役得は、普段、閉じられている本堂が特別に公開されていること。
入母屋造、本瓦葺の本堂は、1380年(天授6)、備前・美作・播磨三カ国の守護であった赤松義則によって建立された仏堂。現在、国の重要文化財となっています。内陣にはやはり国の重要文化財となっている本尊・弥勒仏坐像とその脇侍に当たる弥勒三尊が安置されています。
当日は誰でも堂内に足を踏み入れることができるため、ぜひ堂内にて内陣のご本尊にお参りしましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る本堂軒下には注連飾りがとりつけられ、お正月ならではの華やいだ雰囲気が見られます。
写真:乾口 達司
地図を見る本堂にお参りした折、ご覧いただきたいのが、外陣や内陣に見られる木組の意匠。ご覧のように、装飾性にすぐれており、「蟇股(かえるまた/カエルが足を広げているように見える建築部材)」の内部にも、装飾性にすぐれた彫刻が見られます。
こういった意匠を実際に見られるのも、内部が特別に公開されている正月三が日ならではです。
写真:乾口 達司
地図を見る境内を奥へと進むと、ご覧のように大きな布袋様を見かけます。
しかし、なぜ、布袋様なのでしょうか。布袋和尚は中国・唐代末から五代時代にかけて実在したとされる僧ですが、中国では、弥勒菩薩は布袋和尚の姿に似せて造形されることが多いため、弥勒仏を本尊とする弥勒寺には、ご覧のような大きな布袋像まで安置されているのです。
弥勒寺の布袋像は1994年に作られたもので、中国の浙江省杭州市産の花崗岩で造られています。実際に布袋様にお会いし、その大きさに圧倒されてください。
写真:乾口 達司
地図を見る布袋像の胸のあたりをよく見ると、赤い賽銭箱が置かれています。この賽銭箱を目がけてお賽銭を投げ、一度で入ると、幸運が訪れるといわれています。ぜひ、チャレンジしてください。
写真:乾口 達司
地図を見る近くの東屋風の建物にも、たくさんの布袋像が置かれています。弥勒寺が布袋像と切っても切れない関係にあることがわかりますね。
写真:乾口 達司
地図を見る本堂の左手には、写真の本坊があります。本坊にも上がらせていただけるため、立ち入ってみましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る内部には布袋様をモチーフにした襖のほか、掛軸なども展示されています。
写真:乾口 達司
地図を見る本坊では、甘酒の接待もあります。甘酒もいただきましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る境内では、弥勒寺の開基となる性空上人をまつった開山堂もあります。開山堂に安置されている木造性空坐像の頭部には、上人の遺骨が入った瑠璃壷が納入されています。
性空坐像は、普段、秘仏としてまつられていますが、正月三が日は特別に拝観させていただきます。
写真:乾口 達司
地図を見る開山堂の脇には、上人の供養塔も安置されています。供養塔は鎌倉時代の宝塔であり、胴体の部分に扉が刻まれているのがおわかりいただけるでしょうか。
写真:乾口 達司
地図を見るお正月の弥勒寺にて、何か旅の記念になるものを求めたいという方にお勧めしたいのが、こちらの「角大師護符(つのだいしごふ)」。角大師護符とは、比叡山中興の祖・慈恵大師良源をモデルにした護符。疫病が流行していた折、慈恵大師良源はこのような鬼の姿になって疫病神を退散させたとのこと。以来、その姿をかたどった護符を「角大師護符」と呼び、家の玄関先に貼ると、悪疫がやってこないと信じられています。
角大師護符は天台宗系の各地の寺院で授与していただけますが、弥勒寺の角大師護符は霊木に刻まれた版木をもとに一枚一枚手刷りしたもの。特別感のある貴重な護符なので、求めてみてはいかがでしょうか。
お正月の弥勒寺がいかに貴重なスポットであるか、おわかりいただけたでしょうか。正月三が日にしか拝観出来ない本堂や仏像もあり、大きな布袋像もあり。弥勒寺ならではのお正月をお楽しみください。
2024年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/4更新)
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