写真:モノホシ ダン
地図を見る奈良県大和郡山市は、毎年8月に「全国金魚すくい選手権大会」が開催される“金魚の町”であり、豊臣秀吉の弟・秀長ゆかりの「郡山城」の城下町としても知られています。
郡山城は、地元の戦国大名・筒井順慶の築城に始まり、1585年(天正13年)9月、大和国・和泉国・紀伊国あわせて約110万石の領主として入部した豊臣秀長によって大和国最大の城郭が作られました。
郡山城跡(史跡)の天守台は、崩落の恐れがあったため石垣の修復と展望施設の整備を約4年かけて実施し「郡山城天守台展望施設」として2017年(平成29年)3月26日に奈良盆地を一望する展望施設として生まれ変わったものです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る天守台の一角には、お地蔵さまが石垣に転用された「さかさ地蔵」があります。さかさ地蔵は、頭部を奥にうつむきに積み込まれているためにそう呼ばれています。
郡山城は、大和国に大規模な石切場がなかったこともあり石材不足に苦心し、寺院の礎石、石塔、石仏、石臼などの部材を転用した石材が多数あり、その数は1000以上あるとされています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郡山城の御城印は、大和郡山藩最後の藩主となった柳沢家の家紋「花菱紋」がデザインされたもので、御城印の文字は柳沢文庫が所蔵する史料『福寿堂年録』から取ったもの組みあわせています。
なお、郡山城の御城印(300円)の販売場所は、城跡内の柳沢文庫、JR郡山駅を出てすぐの大和郡山市観光協会の2ヶ所です。見学の記念に購入してみてはいかがでしょうか。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郡山城跡は近年、追手門・追手向櫓・東隅櫓などの門や櫓が復元され、往時の威容を偲ぶことができるようになりました。
「極楽橋」は、毘沙門曲輪から内堀に架けられた本丸に通じる橋で、本丸へ登城する正式ルートの橋です。明治初期の廃城令により失われていましたが、2021年(令和3年)に再建されました。
毘沙門曲輪に見える建物は、郡山藩主柳沢家の資料を公開している「柳沢文庫」です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る郡山城天守台の展望施設からは、大和郡山の町並みや、敷地内に移設された「城址会館(旧奈良県立図書館)」、白いパラソルが並ぶ「番屋カフェ」などが眼下に見えます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るさらに標高約81mの天守台からは、東方への展望が素晴らしく、若草山や平城京跡、山の辺の道沿いの龍王山、三輪山も望むことができます。
写真の白い素屋根は、2025年(令和7年)の完成を目指して工事が進む平城宮跡歴史公園の「東楼」です。その隣の金色の鴟尾がある建物が「朱雀門」、奥に「第一次大極殿」。その左側の二つの三重塔は「薬師寺」です。
郡山城跡を訪れたなら、ぜひここからの絶景を楽しんでみてください。
<郡山城天守台展望施設の基本情報>
住所:奈良県大和郡山市城内町・柳澤神社北側
開放時間:
7:00〜17:00(10月〜3月)
7:00〜19:00(4月〜9月)
入場料:無料
アクセス:近鉄郡山駅から徒歩約10分、JR郡山駅から徒歩約20分
写真:モノホシ ダン
地図を見る天守台からも見えていた「番屋カフェ」は、2022年(令和4年)4月のオープンで、真正面に郡山城跡の天守台を眺めることができる最高のロケーションが人気のカフェです。
写真:モノホシ ダン
地図を見るさらに番屋カフェの大きな特徴は、ペットの同伴が可能という点です。屋内席のほか、白いパラソルが立つテラス席があり、フェンスで囲まれたサークル席がペット同伴が可能なお席です。
サークル席はリードフリーで、お城の散歩がてらペットと一緒にくつろぐことができます。ワンチャン用のスペシャルランチBOX(1200円)や鶏ムネ肉のキーマカレー(600円)におやつなども用意されています。
写真:モノホシ ダン
地図を見るランチメニューでは、定番の御殿カレー(1080円)や大和ポークカツカレー(1480円)、ローストビーフプレート(1680円)などが人気です。
お城に興味がある方もそうでない方も、立派な石垣を眺めながら休憩できるカフェというのはとても珍しいのでぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
<番屋カフェの基本情報>
住所:奈良県大和郡山市城内町2-7(毘沙門曲輪内)
電話番号:0743-25-1545
営業時間:10:00〜16:00
定休日:月曜日、火曜日
アクセス:
近鉄郡山駅から徒歩約10分
JR郡山駅から徒歩約20分
写真:モノホシ ダン
地図を見る郡山城の城主だった豊臣秀長は、秀吉の3歳年下の弟で、秀吉の天下統一を支えた名脇役であり、率直に秀吉に意見が言えたのは千利休と秀長だけだったとされています。また官位も、従二位権大納言に栄進したことから「大和大納言」と尊称されました。
温和な性格で諸大名からも人望があり、豊臣政権の安定には欠かせぬ貴重な人物でしたが、1591年(天正19年)52歳の若さで郡山城で病没しました。
「春岳院」は、城下町にある秀長の菩提寺です。当初の菩提寺である大光院が京都に移された後、郡山において位牌と墓所(大納言塚)の管理を託されました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る春岳院には、豊臣秀長の肖像画(市指定文化財)や箱本制度の史料が伝わります。
秀長公の肖像画は、1788年(天明8年)、秀長二百回忌が春岳院で行われた際に、狩野派の絵師・梅軒員信(ばいけんいんしん)によって新調されたものです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る春岳院の御朱印は、大和北部八十八ヶ所霊場 第六十一番「無量寿佛」と秀長公の尊称「大和大納言」の2種類があります。
なお本堂拝観希望の方は、住職さんが不在なこともあるためなるべく予約するようにしましょう。
<春岳院の基本情報>
住所:奈良県大和郡山市新中町2
電話番号:0743-53-3033
拝観時間:9:00〜16:00
拝観料:境内拝観自由、本堂拝観は要予約で志納
アクセス:
近鉄郡山駅から徒歩約10分
JR郡山駅から徒歩約20分
いかがでしたか。本文ではご紹介できませんでしたが、大和郡山では秀長公の墓所である「大納言塚」、秀長が策定した郡山城下の商工業者特権(箱本制度)の関連資料のある箱本館「紺屋」。
秀長築城のため郡山城から現在地に遷座した大和郡山の鎮守社「郡山八幡神社」などの見どころがあります。
さらに2026年(令和8年)には、大河ドラマ館も開館予定です。この機会にあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
2024年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/22更新)
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