美味しいものが季節に関係なく年中食べることができる昨今ですが、6月末に北海道のとある方面を旅すると「漁が始まったね!」とか「もう食べた?」などと声かけられることがあります。この季節ならではの時候の挨拶のように使われていますが、実はこれ、別海町尾岱沼(べつかいちょうおだいとう)という港町で揚がる「北海シマエビ」のことなのです。
「北海シマエビ」で有名な別海町尾岱沼は標津の近くにあります。沼という字がついていますが、野付湾に面する港町です。北海シマエビが獲れるのは夏と秋のほんの限られた期間だけ。夏から秋ではなく、夏の一時と秋の一時なので、まさに道産子が待ちわびるレアな季節のごちそうなのです。
赤い宝石と呼ばれることもある「北海シマエビ」。ゆでると鮮やかに赤くなり、見た目にも美しいですね。尾岱沼港町にはゆでたてのシマエビを扱う直売店もありますので、是非、季節限定の味をご賞味ください。
「北海シマエビ」は打瀬舟による伝統的漁法によって獲られます。アマモという海草に覆われた野付湾は水深が非常に浅いのが特徴。ここがシマエビや他の多くの生物の絶好の生息地帯になっていて、船のスクリューでアマモやシマエビを傷つけないように、昔ながらの漁法が行われているのです。
この明治時代から続く打瀬舟による漁の様子は北海道遺産にも指定される風光明媚な情景。季節になると、打瀬舟目当ての写真家も多く訪れます。
2014年の夏の漁は6月18日から7月26日までですが、漁獲量によっては早く終了することも。出港は早朝の5時。この季節の北海道では既に日は昇っています。打瀬舟は午前11時半と午後2時半の2回の競りにあわせて港に戻ってきますので、写真を撮りたい方は、参考にしてください。
写真:東郷 カオル
地図を見る港町には「北海シマエビ」を使ったお食事がいただける飲食店もあります。今回は「食事処 白帆」をご紹介します。こちらのお店は赤塚不二夫や、ドラえもんの声優・大山のぶ代も訪れたことのある人気店。
写真は「北海シマエビ」を贅沢に使ったしまえび天丼。プリップリで濃厚な味は新鮮だからこその味。店内は地元の方と道内観光客と本州からの観光客で大賑わい。カウンター席もありますので、お一人でも気軽に入ることのできるお店です。
4匹のシマエビの乗った天丼と、ホタテの子が入ったお味噌汁とお漬物が付いて1300円は大満足な一品です。
※価格・内容は2014年6月現在
夏の漁にタイミングが合わなかった方は、是非秋の漁のタイミングを狙ってください。漁の時期は、別海町観光協会のホームページでご確認を。
打瀬舟を間近に見たい方は、野付半島ネイチャーセンターの伝馬船ツアーがおすすめです。
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(2024/9/14更新)
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