写真:乾口 達司
地図を見る「宮田の五葉松(みやだのごようまつ)」は、兵庫県丹波篠山市にある松の古木。宮田地区に鎮座する天満神社の境内に自生しています。
天満神社の祭神は菅原道真。江戸時代前期の明暦元年、京都の北野天満宮を勧請した社とされています。
写真:乾口 達司
地図を見る境内からは、宮田の集落を一望することができます。文字どおり、天満神社は宮田地区の鎮守の社となっています。
「宮田の五葉松」は、そんな高台に自生しているわけです。
写真:乾口 達司
地図を見る参道にせり出すように現れるこちらの松が、今回ご紹介する「宮田の五葉松」。
陽の光に青々と輝く様子からも、「宮田の五葉松」が古木でありながらいまだに樹勢が強く、生命力に富んだ松であることがうかがえます。
写真:乾口 達司
地図を見るその全体像がこちら。画面中央の奥側に先ほどご紹介した天満神社の本殿があり、五葉松はその本殿の脇から崖下へとかさを広げるように枝を大きく伸ばしています。
樹高は4.5メートル、枝張り約12メートルの堂々たる規模。正確な樹齢は不明ですが、その規模からいって、数百年を経ていることは間違いありません。
写真:乾口 達司
地図を見る「宮田の五葉松」は、その名のとおり、マツ科マツ属の常緑高木である「ゴヨウマツ」に属しており、そのなかの「ヒメコマツ」に該当しています。盆栽をたしなむ方であれば、ゴヨウマツが愛好家に人気の松であることをご存知でしょう。
葉は緑色で、長さ5、6センチメートルの針状。短枝に5枚ずつ束になってつくことにちなみ、「ゴヨウマツ」(五葉松)と呼ばれています。
写真:乾口 達司
地図を見る根元をじっくり見てみましょう。
根元は三本の幹から成り立っています。そのうちの1本は上に向かってのびています。1本が上へとのびているせいか、残りの2本は上へとのびることができず、そのまま幹を水平にのばしています。
写真:乾口 達司
地図を見るとぐろを巻くようにしてのびる大きな幹まわりは、見るものに何とも生々しい印象を与えます。その曲がりくねった幹の様子が、生命力に富んだ独特の造形を強く印象付ける要因となっています。
写真:乾口 達司
地図を見る水平にのびる複数の枝もまた長い歳月を経て歪曲し、互いに交差しながら、複雑な造形となっています。
写真:乾口 達司
地図を見る特にご覧いただきたいのが、石垣の下へと広がる圧巻の枝ぶり!その青々とした葉の様子からは、「宮田の五葉松」がこれからも長きにわたって成長し、枝を果てしなくのばしていくことが想像できます。
写真:乾口 達司
地図を見る水平にのびながら、枝同士が複雑に絡み合う枝を支えているのは、何本も立てられた支柱。生命力にあふれる枝はかなりの重量があり、それを支える支柱の大半も石でできています。
「宮田の五葉松」では、同地の宮田地区全体が管理者として指定されています。したがって、そのメンテナンスも宮田地区の有志の方々によっておこなわれています。彼らの適切な管理のおかげでいまだ強い樹勢を保ち続けていることを忘れず、その見事な枝ぶりを見学しましょう。
「宮田の五葉松」がいかに生命力に富んだ古木であるか、おわかりいただけたでしょうか。盆栽の愛好家からすれば、そのさまは、さながら巨大な盆栽を見ているかのようなシュールな印象を抱くのではないでしょうか。「宮田の五葉松」を実際に現地で見学し、その生命力に富んだ樹勢からパワーをいただいてください。
住所:兵庫県丹波篠山市宮田149(天満神社境内)
アクセス:神姫バス「宮田」停留所下車すぐ
2025年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
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(2025/2/10更新)
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