写真:Hiroko Oji
地図を見る「ヨーロッパで最も美しい広場」と、かつてナポレオンが絶賛したイタリア・ヴェネツィアの中心地サン・マルコ広場。ここにはサン・マルコ寺院をはじめドゥカーレ宮殿、鐘楼、時計塔などの観光スポットが集中し、常に観光客で賑わっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこのサン・マルコ広場を囲む建物群の一部に入っている「コッレール博物館」は、ベネツィアの貴族テオドール・コッレールのコレクションをもとに造られた市立博物館です。オーストリアのエリザベート皇妃が住んだこともあり、かつてはベネツィア行政長官の執務室でもありました。
建物内に入ってしまえば国立考古学博物館やマルチャーナ国立図書館ともつながっているので、外に出ることなく続けて見学できます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る現在の入口部分があるところには、かつて16世紀に建造された教会がありました。ところがオーストリア支配下にあった19世紀前半に取り壊されてしまい、現在見られるアラ・ナポレオニカと呼ばれる一角が造られました。
天井に落ち着いた色合いの美しいフレスコ画が描かれ、彫像やレリーフで飾られる壁のある階段で展示室へ向かいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る建物自体はいろいろな用途で使われてきていて、特にオーストリア支配下の時にハプスブルク家のエリザベート皇妃が何度も滞在。そのときに使用した彼女ゆかりの部屋や調度品の数々を見ることができ、19世紀の貴族の暮らしぶりに触れられます。
階段を上がった2階の最初のお部屋が、シャンデリアが吊るされた細長いホールの「舞踏の間」。天井一面を埋め尽くす天井画が素晴らしく、天井の中央には、オリンポスの神々と美徳に囲まれた平和のフレスコ画が描かれています。神殿風のコリント式柱頭に優雅なカーテンの窓辺が気品あふれるお部屋で、特別展の際にも利用されます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る20室にもおよぶ美しいロイヤルルームの中のひとつのこちらは「燭台の間」。天井や壁を飾る優美な多色使いの燭台型のフレスコ画が上品で、彫刻、金色の漆喰の縁取り、翼のある人物像のレリーフなどが施され、見ごたえのあるお部屋です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るさらに、ウィーンのシェーンブルン宮殿や王宮で見られるような豪華なお部屋が続きます。
こちらは1856年〜1857年と1861年〜1862年、エリザベートが滞在したときに使用したお部屋。シンプルかつエレガントな天井装飾に、木製の床と赤とクリーム色の壁面はエリザベートのために改装されたもの。ヴェネツィア風アームチェアには金箔の彫刻が施され、今でもオリジナルのベルベットで覆われて残されています。19世紀のムラーノ島で造られたシャンデリアも見事に輝いています。
他にも見どころは様々。シンプルなベッドの置かれた寝室や丸天井の基部にだまし絵の建築要素を備えた明暗法で紋章が描かれたフレスコ画がある玉座の間、大理石のバスタブを備えたバスルーム、ネオバロック様式の大きな秘書キャビネットがある書斎など、うっとりする豪華な家具が備わる部屋の数々を見ることができます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る国立考古学博物館は、かつては入り口がドゥカーレ宮殿の向かい側の建物の一階にありましたが、現在はコッレール博物館と建物内でつながっています。
展示品はヴェネツィアを代表する貴族グリマーニ家が16世紀に一族のコレクションを整理し公開したものが基礎となっていて、ギリシアや古代ローマ時代の陶器、彫刻、レリーフ、アクセサリーなどが並びます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る一角にはミイラや標本も並びます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこの考古学博物館では彫刻が多いことも特徴の一つで、彫刻の展示室がいくつも並びます。
特にガラティア(現在のトルコ辺りにあった王国)の兵士に関連した作品が多く、「落下するガラティアの兵士」は紀元前2世紀頃のオリジナルをもとに2世紀に複製したもの。またギリシア神話の有名なワンシーンの「レダと白鳥」、頭にベールをかぶった美の女神「ソランドラのアフロディーテ」といった彫刻に加え、レリーフの「グリマーニの祭壇」などもあり、彫刻好きの方にはたまらない展示となっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る絵画館部門では18世紀のヴェネチアを代表する風景画家カナレットの作品やルネサンス期の巨匠であるカルパッチョの「二人のヴェネツィアの女性」、シチリア出身で15世紀後半のイタリア絵画に計り知れない影響を与えたメッシーナの描いたピエタ像など、貴重な作品が展示されています。
またヤコポ・ベッリーニの傑作「キリストの磔刑」、その息子ジョヴァンニの「キリストの磔刑」、トゥーラの「ピエタ」等も並び、美術好きにはたまらない空間となっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るさらに19世紀前半のヨーロッパで最も有名であったイタリアの彫刻家カノーヴァの作品「ダイダロスとイカロス」(写真)をはじめ、素晴らしい彫刻の数々も並びます。
絵画や彫像だけでなく展示室そのものも素晴らしく、天井画や壁面の装飾・レリーフにも目が惹きつけられます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るまた、イタリア・ルネサンス期の陶磁器がずらりと展示されており、ウルビーノの製造業者による作品や、ヴェネツィアやペーザロの工場の陶磁器、有名な陶芸家たちの作品がショーケース内に収められていて見ごたえのある展示室が続きます。
さらに展示品の中にはガレー船の模型、昔の金貨や燭台といった生活用品、ゴンドラの図、羅針盤や望遠鏡、古銭、地球儀や古地図など幅広く興味深い展示品が並びます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る国立マルチャーナ図書館にもそのまま続けて入館できます。マルチャーナとは、ヴェネツィアの守護聖人である聖マルコのこと。イタリアでも最も古い図書館の一つで、世界的にも随一の古い文献コレクションを保管しています。
まずはその天井の素晴らしさにうっとり。「知恵の寓意 」(ティツィアーノ)、「音楽,天文学と欺瞞」(ヴェロネーゼ)、「グリマーニ聖務日課書・1月〜12月」(ヘラルト・ホレンバウト)などの有名な絵画が天井一面を埋め尽くしています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る壁際のショーケースの中には、15世紀に活版印刷術を用いて印刷された古書や16世紀初頭に出版された出版物、写本などが並べられています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこちらのサンソヴィーノ図書室には、もともと大運河のマニン宮殿にあった18世紀後半の古典的なニレのバールキャビネットが壁際にぎっしり備え付けられ、ヴェネツィアの歴史と古典文献学を中心に、さまざまな時代と起源の古代の本が所蔵されています。
ゴシック様式の鷲の形をしたブロンズの書見台は、おそらく15世紀の終わり頃にさかのぼる英国の作品といわれ、部屋の片隅に置かれているのはトンマーゾ・ランゴーネの胸像。また、18世紀のムラーノ工場で造られた豪華なシャンデリアも一見の価値があります。
コッレール博物館は国立考古学博物館と国立マルチャーナ図書館とともに、サン・マルコ広場周辺共通券で入館でき、さらにはこの共通券でドゥカーレ宮殿も見学できます。65歳以上ならシニア料金となってよりお得に入館できますので、ぜひご利用くださいね。
住所:P.za San Marco,52,30124 Venezia VE,
電話番号:+39-041-240-5211
開館時間:10:00〜17:00
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