弘法大師と真田幸村ゆかりの里!和歌山「九度山」桜めぐり

弘法大師と真田幸村ゆかりの里!和歌山「九度山」桜めぐり

更新日:2025/02/21 14:39

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
和歌山県・九度山町は、平安時代に弘法大師(空海)が高野山を開創以来、政所が置かれ、高野山への参詣道として大いに栄えた山あいの町です。また近世では、戦国武将・真田幸村ゆかりの真田庵をはじめとする歴史遺跡のほかに慈尊院、丹生官省符神社などが世界遺産に登録され注目を集める人気のスポットです。春爛漫の九度山町で、咲き誇る桜を愛でながら、弘法大師と真田幸村ゆかりの地をめぐる旅を楽しんでみませんか?

九度山の春を満喫できる真田幸村ゆかりの「真田庵」

九度山の春を満喫できる真田幸村ゆかりの「真田庵」

写真:モノホシ ダン

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「日本一の兵(つわもの)」と後に称される武将・真田幸村ゆかりの「真田庵」は、激動の戦国時代を生きた真田昌幸・幸村父子が隠れ住んでいた屋敷跡に建つ寺院の通称です。

正式名称は、善名称院(ぜんみょうしょういん)といい、1741年(寛保元年)に創建された高野山真言宗の寺院です。境内には、門や瓦、絵馬などに真田家の家紋「六文銭」があしらわれています。

九度山の春を満喫できる真田幸村ゆかりの「真田庵」

写真:モノホシ ダン

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本堂(和歌山県指定有形文化財)は、城郭を思わせる八棟造(やつむねづくり)の建物です。本堂の前にはこの地で生涯を閉じた昌幸の墓と、真田家3代を祀る「真田地主大権現」があり、福徳を授ける幸運の神、知恵の神としてこの寺の守護神とされています。

九度山の春を満喫できる真田幸村ゆかりの「真田庵」

写真:モノホシ ダン

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境内は、春になると桜や藤の花、牡丹などが咲き乱れ、毎年5月に開かれる「紀州九度山真田まつり」では、武者行列のゴール地点として、さらなる賑わいをみせます。

「大坂夏の陣」のヒーロー、真田幸村ゆかりの真田庵で、九度山の春を満喫してみてはいかがでしょうか。

<真田庵(善名称院)の基本情報>
住所:和歌山県伊都郡九度山町九度山1413
電話番号:0736-54-2019(九度山町産業振興課)
拝観時間:9:00〜16:00
宝物資料館入館料:200円
アクセス:南海高野線 九度山駅から徒歩約10分
車利用の場合は道の駅「柿の郷くどやま」駐車場から徒歩約5分

実在した“高野山案内犬”の石碑が建つ「慈尊院」

実在した“高野山案内犬”の石碑が建つ「慈尊院」

写真:モノホシ ダン

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高野山参詣起点の地として、弘法大師が816年(弘仁7年)に創建したのが「慈尊院」です。以後、高野山一山の庶務を司る政所として、高野山への宿所ならびに冬季避寒修行の場として大いに賑わいました。

なお九度山という地名の由来は、弘法大師が高野山を開創した際に、大師の母公の玉依御膳(たまよりごぜん)が滞在したこの慈尊院に、必ず9度は下山して会いに来たことから名付けられました。

また本堂の弥勒堂は国の重要文化財で、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としても登録されています。

実在した“高野山案内犬”の石碑が建つ「慈尊院」

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さらに慈尊院は、高野山が明治時代まで女人禁制だったため「女人高野」として子授けや安産の寺とされています。

県指定有形文化財の多宝塔は、高さ約15m、1624年(寛永元年)再建されたもので、本尊として大日如来が祀られているため大日塔とも呼ばれています。

桜の時期は、境内の枝垂桜とのコントラストが印象的です。

実在した“高野山案内犬”の石碑が建つ「慈尊院」

写真:モノホシ ダン

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ところで慈尊院の境内には「高野山案内犬ゴンの碑」があります。ゴンは寺によく遊びにきていた野良犬で、1989年(平成元年)頃から寺に飼われ、鐘の音が好きだったため「ゴン」と呼ばれました。

やがて誰に教わるわけでもなく、慈尊院をねぐらとして高野山への参詣者の道案内するようになりました。ゴンは、2002年(平成14年)6月に亡くなりましたが、多くの参詣者から愛されていたため同年7月に境内の弘法大師像の隣に、ゴンの石像が載せられた立派な碑が建てられました。

約1200年前の弘法大師の時代にも案内犬がいたという伝説があり「弘法大師の案内犬の再来・生まれ変わり」「お大師さんの犬」などと呼ばれ現在でも親しまれています。

<慈尊院の基本情報>
住所:和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832
電話番号:0736-54-2214
拝観時間:8:00〜17:00
アクセス:南海高野線九度山駅から徒歩約25分
車利用の場合は、無料駐車場利用

弘法大師を高野山へ導いた神を祀る「丹生官省符神社」

弘法大師を高野山へ導いた神を祀る「丹生官省符神社」

写真:モノホシ ダン

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慈尊院から119段の石段を登った高台にある「丹生官省符神社(にうかんしょうぶじんじゃ)」は、弘法大師が政所創建の時に地元にゆかりのある丹生都比売大神・高野御子大神の二神を祀った神社です。

極彩色の本殿の3棟は重要文化財で、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として世界遺産にも登録されています。

弘法大師を高野山へ導いた神を祀る「丹生官省符神社」

写真:モノホシ ダン

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拝殿からは、かつて入山できない女性たちがここから霊峰高野山を遥拝しました。

なお、主祭神のひとり高野御子大神は、狩場明神に姿を変え白黒二頭の犬を放ち弘法大師を高野山へと導きました。拝殿横の大絵馬はその時の出会いの様子を描いたものです。

先にご紹介した「高野山案内犬ゴン」が、「お大師さまの案内犬の生まれ変わり」といわれるのはこの逸話によるものです。

弘法大師を高野山へ導いた神を祀る「丹生官省符神社」

写真:モノホシ ダン

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丹生官省符神社の御朱印は、直書きのほかに、書き置きの月替わりの御朱印(500円)と、世界遺産登録二十周年の特別御朱印(500円)が人気です。参拝の記念に授かってみてはいかがでしょうか。

<丹生官省符神社の基本情報>
住所:和歌山県伊都郡九度山町慈尊院835
電話番号:0736-54-2754
アクセス:南海高野線九度山駅から徒歩約30分

九度山町の“枝垂桜”の名所として名高い「勝利寺」

九度山町の“枝垂桜”の名所として名高い「勝利寺」

写真:モノホシ ダン

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ほかに九度山の桜の名所としては、枝垂桜の名所として名高い「勝利寺」があります。

写真の仁王門は、1773年(安永2年)の完成で、本堂や地蔵堂などとともに九度山町の指定文化財。門の両脇の仁王像は、高野山奥の院の明遍杉(みょうへんすぎ)で作られたものです。

急な石段を上がった先からは、まるで雲海のように広がる桜の絨毯の眺めを俯瞰できます。

九度山町の“枝垂桜”の名所として名高い「勝利寺」

写真:モノホシ ダン

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勝利寺の御本尊は、弘法大師空海が42歳の時に厄除祈願に刻んだとされる十一面厄除観音菩薩です。

ちなみに勝利寺という寺号のお寺は、全国でもここ一つしかありません。そのため縁起が良い寺院とされ、現在でも地元のサッカーチームなどが必勝祈願に訪れます。

九度山町の“枝垂桜”の名所として名高い「勝利寺」

写真:モノホシ ダン

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なお勝利寺は、住職さんがいないお寺のため、御朱印(300円)は勝利寺を管理されている慈尊院(右)でいただくようにしましょう。

<勝利寺の基本情報>
住所:和歌山県伊都郡九度山町慈尊院749
電話番号:0736-54-2214(慈尊院)
アクセス:南海高野線「九度山駅」より徒歩約25分
車利用の場合は、紙遊苑駐車場利用

春の九度山で桜の名所めぐりを楽しもう

いかがでしたか。なお九度山町の桜の名所ではほかにも、道の駅「柿の郷くどやま」のアミューズメント広場、紀伊丹生川左岸の広場、南海高野線の学文路駅〜九度山駅間路沿いの桜並木などの名所があります。

この機会にあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。

2025年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/04/10−2024/04/06 訪問

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