夜空を覆う世界一の四尺玉!越後片貝の花火大会はド迫力!

夜空を覆う世界一の四尺玉!越後片貝の花火大会はド迫力!

更新日:2014/07/10 17:24

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
新潟県小千谷市(おじやし)片貝町(かたかいまち)で、毎年9月9日と10日の両日に開催される、「片貝まつり」の花火大会。
世界一大きいと言われる四尺玉を打ち上げるこのおまつりは、単なる花火大会ではなく、400年の伝統を誇る地元の氏神様である浅原神社の秋季大祭の一環で、花火は神社への奉納という形をとっています。
今回は他では見られない大迫力、四尺玉の花火が見られる片貝の花火大会についてご案内致します。

片貝まつり花火大会で打ち上げられる四尺玉の重さはなんと420kg!

片貝まつり花火大会で打ち上げられる四尺玉の重さはなんと420kg!

写真:大竹 進

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浅原神社の境内にある花火資料展示場所に四尺玉が置かれています。
4尺ですから直径約120cm、重さはなんと420kgもあります。
これをスカイツリーを遥かに上回る高さ800mまで打ち上げ、夜空に直径800mもの超特大の花を咲かせるのです。
まさに想像を絶する大きさで、それをこれから実際に自分の目で見られると思うとワクワクしてきます。

ここには花火の中身がどうなっているのかの説明があったり、小型の花火の打ち上げに使う筒なども展示されているので、花火大会が始まる前に見学しておくと、本番の花火がより一層楽しめます。

片貝まつり花火大会で使われる打ち上げの筒の大きさにビックリ!

片貝まつり花火大会で使われる打ち上げの筒の大きさにビックリ!

写真:大竹 進

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片貝の町内に打ち上げで使われる筒が展示されています。
普通の花火大会で打ち上げられるものは一番大きくても尺玉(直径約30cm)程度で、それ以外は三寸(直径約9cm)とか五寸(直径約15cm)が多いのですが、片貝まつりで打ち上げられる花火は尺玉以上が7〜8割もあり、1発1発が皆特大で見応えがあります。
しかもその尺玉を惜しげも無く2連発、時には5連発や10連発と打ち上げるのですから、花火ファンにとっては堪りません。

写真中央にあるのが4尺玉の筒ですが、左端にある尺玉の筒と比べて如何に大きなものであるかがお判り頂けると思います。
手前の三寸や五寸の筒が可愛らしく見えてしまいますね。

片貝まつり花火大会ならではの筒引き

片貝まつり花火大会ならではの筒引き

写真:大竹 進

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花火打ち上げの成功と無事を祈る「筒引き」は9日の朝から午後にかけて行われます。
この木製の大きな筒はかつてこれで花火を打ち上げていた歴史を持つ筒で、普段は浅原神社の一角に祭られていますが、この日は太い2本の綱を付けて神社を出発し、お囃子や若者達の陽気な掛け声とともに町内を練り歩いた後、再び神社に戻ってきます。

他に花火の玉を神社に奉納する「玉送り」や、豪華な山車(だし)も繰り出し、神社の境内始め町内各所には多くの屋台も出店され、片貝の町はクライマックスの花火へ向けて、どんどん盛り上がっていきます。

片貝まつり花火大会は奉納花火

片貝まつり花火大会は奉納花火

写真:大竹 進

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片貝まつりの正式名称は「浅原神社秋季例大祭奉納大煙火(あさはらじんじゃしゅうきれいたいさいほうのうだいえんか)」と言い、前述の通り浅原神社への奉納として行われるものです。
そのため打ち上げに当ってはその都度、その花火の奉納者とメッセージが読み上げられます。
子供や孫の誕生祝、結婚祝、或いは長寿のお祝いなど様々です。
「お祖父ちゃん還暦おめでとう!これからも益々元気でね。」などという家族からのメッセージを聞くと、思わずほんわかとした気持ちになります。
この花火は地元以外からも奉納可能なので、興味のある方はどうぞ片貝町煙火協会にお申し込み下さい。

打ち上げ開始前には桟敷席の会場で片貝花火太鼓が披露されます。
四尺玉を打ち上げる筒を模した長大な四尺玉太鼓を中心に据え、花火の打ち上げ音にも似た片貝花火太鼓を聴くと、会場の雰囲気は一気に盛り上がります。

日も暮れた19時30分、いよいよ花火の打ち上げ開始です。
2日間で15,000発の花火が打ち上げられますが、その内7〜8割が尺玉のため、1発1発に色々な仕掛けが施されていて、空中での変化も楽しみです。
写真の花火も複数の花火では無く、1発の花火によるもので、小さな花火では見られない豪華さです。

片貝まつり花火大会のハイライト、圧倒的大迫力!空いっぱいに広がる四尺玉

片貝まつり花火大会のハイライト、圧倒的大迫力!空いっぱいに広がる四尺玉

写真:大竹 進

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片貝の花火大会は多くが尺玉ですが、更に大きい二尺玉や三尺玉が数発、そして世界一大きいと言われる四尺玉は9日、10日の両日の午後10時に1発ずつ打ち上げられます。
これはそれぞれ別の種類の四尺玉で、9日に打ち上げられるのは「昇天銀竜黄金すだれ小割浮模様」、10日は「昇天銀竜黄金千輪二段咲き」ですから、2日間会場に足を運んで見比べてみるのも良いですね。

四尺玉打ち上げのアナウンスが流れ、会場が静まった後、お腹の底に響く打ち上げ音と共に、銀竜に例えられる大きな火の玉がどんどん上昇して行くのが先ず目に入ります。
普通なら花火が開く高さを超えても更に上昇し、800m上空でついに炸裂。
まるでビッグバンの様に、黄金に輝く針の様な光が一瞬で広がり、やがてすだれ模様に移行すると共に、七色の小さな花火がすだれの中にパーッと現れ、そしてその小割浮模様が消え光の帯がどんどん下へ下へと延びてきます。

直径800mにも広がった超特大の花火は、桟敷席から見上げていると、まるで空一杯に光の雨が滝の様に降り注いでくる感覚になります。

「百聞は一見に如かず」とはまさにこの事でしょう!
超豪華、超特大、桁違いの四尺玉花火は、片貝花火大会の最後を飾って、花火を見上げる人々全てに圧倒的な感動を与え、深い余韻の中、長く長く光の尾を引いて静かに消えていきます。

片貝まつり花火大会のまとめとして

片貝まつりの花火は、海の花火の柏崎、川の花火の長岡、山の花火の片貝と言われ、 越後三大花火大会の一つに数えられています。
打ち上げられる花火の数では全国にもっと多い所がありますが、尺玉が7〜8割も占めるという1発1発の花火の質という点においては、他に例がありません。
また、浅原神社の例大祭の一部として行われるため、花火以外にも多くの手作りの山車が町内を練り歩き、家々には紅白の幔幕(まんまく)や、祭礼の提灯が吊り下げられ、懐かしい日本の情緒を醸し出しています。

花火の打ち上げは9月9日、10日共19時30分〜22時20分に実施されます。
迫力ある花火を最も近くから見られる浅原神社裏手の桟敷席は、8名程度が座れる升席単位の販売になっており、2日間通しで3万円です。
9日・10日に当日券として1人3千円で販売されますが早いもの勝ちです。(午後1時から浅原神社右手 桟敷席中央入り口)
桟敷席を少人数で鑑賞する場合は、花火鑑賞ツアーに申し込まれる事をお勧めします。
桟敷席以外の場所は無料で、神社周辺、片貝小学校グランド、スポーツセンター周辺等が主な観覧可能箇所です。

あなたも今年は、圧倒的な迫力で目の前に迫る、世界最大の花火を眺めてみませんか?

奉納煙火・桟敷席のお申し込みは片貝町煙火協会までお電話下さい。
(4月1日より受付中です。)
片貝町煙火協会(かたかいまちえんかきょうかい)
TEL 0258−84−3900、0258−84−7880
FAX 0258−84−3902
〒947−0101 新潟県小千谷市片貝町6532−5

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掲載内容は執筆時点のものです。 2011/09/09 訪問

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