30躰超の仏像が1日だけの総開帳!観音の里・高月(長浜市)がアツイ!

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30躰超の仏像が1日だけの総開帳!観音の里・高月(長浜市)がアツイ!

30躰超の仏像が1日だけの総開帳!観音の里・高月(長浜市)がアツイ!

更新日:2014/07/08 12:53

成沢 崇のプロフィール写真 成沢 崇 名古屋仏像研究会 会長、旅ライター

『観音の里』として仏像ファンから絶大な人気を誇る長浜市高月町。
国宝、重要文化財を含め多くの観音像が祀られていることから、『観音の里』と称され、毎年8月第1日曜日には多くの仏像ファンが集う「観音の里 たかつき ふるさとまつり」が開催されます。

今回は「観音の里 たかつき ふるさとまつり」で押さえておきたい主要スポットをご紹介します。

湖北に生まれた独自の観音文化

湖北に生まれた独自の観音文化

写真:成沢 崇

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「観音の里」と称される長浜市高月町。
東には己高山がそびえ、西の琵琶湖へ流入する高時川、余呉川などの豊富な水量に恵まれた肥沃な田園地帯。

高月町の歴史はたいへん古く、琵琶湖のある西側には古墳時代の姿を今に伝える「古保利古墳群」があり、東側にそびえる己高山は近江国の鬼門にあたる場所で、古代からの信仰の深い場所。都から伝わった中央仏教に加え、北陸の白山信仰、琵琶湖対岸にそびえる比叡山の影響を強く受けながら観音信仰を基調とした独自の「己高山仏教文化圏」がこの地に構築されました。

その当時のお堂や仏像は戦乱により多くが焼失しましたが、その中で戦火をくぐり抜けた一部の仏像は高月町内のお堂に今も遺されています。

それらのほとんどが、仏教文化圏として隆盛を極めたであろう平安時代〜鎌倉時代の作というのだから驚きです。

しかし、高月町内では常に住職がみえるお堂というのは数えるほどしかありません。ほとんどが無住となってしまい、その中に入ることも仏像を拝見する事もできません。

そういった無住のお堂を管理されているのが、それぞれの集落にいらっしゃる「世話人」「世話方」と呼ばれる地域の方々です。私達と同じように日常生活を送りながら、無住となったお堂と仏像のお世話をされています。

8月第1日曜に開催される「観音の里 たかつき ふるさとまつり」では町内の人々が参拝者や観光客のためにお堂を開けてくださり、30躰を超える仏像の拝観が出来ます。

お堂の前ではお菓子やスイカ、お茶などの接待もいただく事ができ、仏像だけではなく、温かく優しい湖北の人々に触れ合うことが出来るのもこの祭りの醍醐味の1つです。

これだけは押さえておきたいのが、渡岸寺観音堂の国宝十一面観音

これだけは押さえておきたいのが、渡岸寺観音堂の国宝十一面観音

写真:成沢 崇

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祭り当日には周遊バスツアー(事前予約制)や、一日乗り放題の巡回バス(有料)がありますが、ただバスに揺られているだけではあっという間に一日が終わり記憶にもなかなか残りません。

そこで、何度も湖北を巡ってきた私がここだけは訪れて欲しい!という仏像をご紹介します。

まず、ふるさとまつりのメイン会場となる渡岸寺観音堂です。
観音堂にお祀りされている十一面観音像は、全国でも七躰しかない国宝に指定された貴重な仏像。顔の両面に大きな顔を持つ独特の姿で、グラマラスな肉体と落ち着いた風貌は湖北地方の十一面観音の中では最も知名度が高く、多くの参拝者がその美しさに魅了されます。

渡岸寺観音堂(向源寺)
滋賀県長浜市高月町渡岸寺215番地
0749-85-2632(渡岸寺観音堂国宝維持保存協賛会)
JR北陸本線「高月駅」下車、徒歩5分
北陸自動車道「木之本」インターから約10分

赤後寺に祀られる手首のない二躰の観音像。通称「転利(コロリ)観音」

赤後寺に祀られる手首のない二躰の観音像。通称「転利(コロリ)観音」

写真:成沢 崇

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高月駅から国道8号線を西へ渡り琵琶湖方面へ。高月町の北端唐川の集落にある日吉神社境内に建つお堂が赤後寺です。

ここには平安時代初期の作とされる千手観音像と聖観音像2躰が安置されていて、度々兵火にあうも村人たちは観音様を守るために土の中や川の中に埋め守ってきました。

その為に二躰の仏像は化仏や手首が取れてしまい痛々しいお姿となっています。
唐川の人々は長らく秘仏として崇めてきましたが昭和44年に二躰共に重要文化財に指定されたことがきっかけで、現在では常時開帳し参拝者にそのお姿を拝見してもらっています。

肉付きが良く包容力にあふれたこの仏像は、2014年3月21日〜4月13日に東京藝術大学大学美術館で行われた『観音の里の祈りとくらし展−びわ湖・長浜のホトケたち−』にも出展され、多くの人の注目を集めました。

この本尊は、災い転じて利となす「転利(コロリ)観音」といわれ、三回参拝すれば極楽往生できるともいわれています。

赤後寺
滋賀県長浜市高月町唐川1055
0749-82-5909(奥びわ湖観光協会)
JR北陸本線「高月駅」下車 車で10分
北陸自動車道「木之本」イナターから約5分

千手観音?いや、千手千足観音です!

千手観音?いや、千手千足観音です!

提供元:高月観音の里歴史民俗資料館で販売されている絵葉書より

http://www.city.nagahama.shiga.jp/section/takatsuk…

高月町には文化財指定を受けていない仏像も多く残されており、その中でも最も不思議な姿をされたている仏像が、正妙寺の千の手と千の足を持つ千手千足観音。

上半身は裸形で腰布をまとい、憤怒相をされています。
額には縦に目を持つ三眼で、頭上には9つの化仏と大きな頂上面。正面二本の手は右手に錫杖、左手に戟(ゲキ)をもち脇手は左右17本、肩幅にどっしりと力強く開いた脚は脇脚として左右19本が扇状に広がっています。

何度見ても不思議な様相をしている正妙寺の千手千足観音。
恐らく天台密教の影響で、この地にお祀りされているのでしょうが何故ここに祀られたのかは謎のままです。

大急ぎで走っているかのようなその姿は、どこか可愛らしさもあって著者おすすめの仏像です。

寺と言っても小さなお堂が山の上にあるだけで、お堂へと続く上り坂にはイノシシ避けの電線が張り巡らされています。参拝時には電気は通っていないと思いますが、念のため触れないように気をつけましょう。

正妙寺
滋賀県長浜市高月町西野
0749-82-5909(奥びわ湖観光協会)
JR北陸本線「高月」駅よりタクシーで20分、「木ノ本」駅よりタクシーで20分
高月町コミュニティバス北回り線「西野」バス停下車徒歩5分
北陸自動車道「木ノ本」インターから約15分

巡れるお堂は約25ヶ所。どこを選ぶか事前に検討を

巡れるお堂は約25ヶ所。どこを選ぶか事前に検討を

写真:成沢 崇

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祭りの当日は約25ヶ所ものお堂で拝観が可能ですが、全てを回ることはもちろん不可能。

事前の下調べをしてから当日に望むのが効率よく回るコツです。
他にも下記のようなお堂が著者おすすめの仏像スポットです。

・大円寺(高月観音堂)
 滋賀県長浜市高月町高月4番地

・保延寺観音堂
 滋賀県長浜市高月町保延寺

・尾山釈迦堂
 滋賀県長浜市高月町尾山

・西野薬師堂
 滋賀県長浜市高月町西野

当日受付の巡回バスで効率よく巡りましょう。

当日受付の巡回バスは1日乗り放題で1,500円となります。
朝8時30分に高月駅を出発するバスは、3つのコースが有り、それぞれが約30分間隔で各お堂を回っています。もちろん駅前のレンタサイクルや自家用車で周ることも可能。ただし、自家用車の際は駐車スペースが少ないお堂ばかりですのでお気をつけ下さい。

平成26年度は第30回を記念して、8月2日(土)15時から江州音頭や花火、婚活イベント、屋台などで祝う前夜祭も行われます。余裕を持って前日入りされるのもいいですね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/11−2013/09/12 訪問

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