『ダビデ』だけじゃない!フィレンツェ「アカデミア美術館」の作品群

『ダビデ』だけじゃない!フィレンツェ「アカデミア美術館」の作品群

更新日:2025/10/22 14:52

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
フィレンツェの象徴で花の聖母教会「ドゥオーモ」から徒歩10分もかからないロケーションにあるのが「アカデミア美術館」。『ダビデ像』をはじめミケランジェロ作の彫刻とフィレンツェ派絵画を集めた、大人気の美術館です。

館内の目玉作品は『ダビデ像』ですが、コロッソの大広間や奴隷のギャラリー、大広間や後期ゴシック様式の間などでも素晴らしい作品が目白押し。奥には楽器博物館もあり、見応え大ありの美術館です。

アカデミア美術館はコロッソの大広間から見学開始

アカデミア美術館はコロッソの大広間から見学開始

写真:Hiroko Oji

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イタリア中部トスカーナ州の州都フィレンツェは、古代ローマ帝国時代に町の建設が始まり、メディチ家統治下で15世紀にはルネッサンス文化の中心地となった世界遺産の町です。

この町の華やかな中心地の一つとなるドゥオーモ広場から北へ歩くこと5分のロケーションにあるのが「アカデミア美術館」。コジモ1世が1563年に設立したアカデミアが基になり、1784年にピエトロ・レオポルド大公(マリーアントワネットの兄)の命により統合され、現在の美術学校であるアカデミアが誕生しました。

1786年にはピエトロ・レオポルド、更に1810年はナポレオンによって、数多くあった教会が廃止され、これらの教会の祭壇画など美術作品がアカデミアに持ち込まれたことから、美術館としてフィレンツェの中でも特に人気のある美術館のひとつになっています。

アカデミア美術館はコロッソの大広間から見学開始

写真:Hiroko Oji

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アカデミア美術館でまず足を踏み入れる展示室が「コロッソの大広間」。広間の名前の「コロッソ」は巨像という意味があり、19世紀にこの部屋に保存されていた「ディオスクロイ(ギリシア神話の双生の英雄)の大石膏像」に由来しています。

広間の中央にあるのは、ジャンボローニャ作の彫刻「サビニの女たちの略奪」。ただし、こちらのは大理石彫刻の石膏モデルで、オリジナルは、シニョーリア広場隣接の回廊「ロッジア・ディ・ランツ」に展示されています。

アカデミア美術館はコロッソの大広間から見学開始

写真:Hiroko Oji

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広間では像を囲む様にペルジーノやボッティチェッリなど、ルネッサンス期を代表する画家達の絵画が並びます。

写真(右)の絵画『キリスト降架』は、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会中央祭壇のために描かれた作品で、フィリッピーノ・リッピによって描き始められたものの、1504年に彼が他界したため、ペルジーノが後を引き継いで仕上げた作品。一説では、ラファエロも制作に携わった可能性があるとも言われています。左の絵はピエトロ・ペルジーノの『聖母被昇天』で、トスカーナ地方の避暑地にあるベネディクト修道院の主祭壇に置かれていた作品です。

ダビデゾーンへ

ダビデゾーンへ

写真:Hiroko Oji

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次に足を進めると「奴隷のギャラリー」と呼ばれるゾーンに入ります。

このギャラリーで観られるのは、ミケランジェロ作の「奴隷シリーズ」と言われる未完の彫刻4体に『聖マタイ像』と『パレストリーナのピエタ像』を加えた全6点。また、それらの彫刻の間の壁面には、ミケランジェロに強い影響を与えた画家たちの絵画も展示されています。

ダビデゾーンへ

写真:Hiroko Oji

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ミケランジェロが生涯で4点制作したと言われる「ピエタ像」のうちの一点がこの『パレストリーのピエタ』です。他の3点は「バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂(サン・ピエトロのピエタ)」「フィレンツェのドゥオーモ博物館(フィレンツェのピエタ)」「ミラノのスフォルツァ城博物館(ロンダニーニのピエタ)」。4点のうち3点は未完で、唯一完成しているのが、サン・ピエトロのピエタです。

ダビデゾーンへ

写真:Hiroko Oji

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ギャラリーの最奥、アカデミア美術館内中央の北端に設けられている「ダビデのトリブーナ」で一心に注目を浴びるのが、アカデミア美術館最大の見どころ『ダビデ像』。土台を含めると517cmメートルもある大理石彫刻像です。

ダビデがゴリアテという巨人を1人で倒す逸話から、巨人と戦う前、今にも石を投げようとする直前を表現した像。強い肉体を持った裸の青年戦士として表現されています。

ヴェッキオ宮殿の正面玄関とミケランジェロ広場にはレプリカが置かれています。

1800年代の大広間&1300年代の間

1800年代の大広間&1300年代の間

写真:Hiroko Oji

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トリブーナの翼廊に続く1800年代の大広間は、1784年にトスカーナ公レオポルト2世が、サン・マッテオ病院を改築して造った展示スペースです。

ここには、大理石彫刻を制作する上で元型となる石膏模型が部屋いっぱい、隙間なく置かれており、精巧な大理石彫刻の制作過程を知ることができます。

1800年代の大広間&1300年代の間

写真:Hiroko Oji

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この大広間で一際目立つのが、バルトリーニが制作した『デミドフのモニュメント(石膏模型)』。ニッコロ・デミドフ伯爵を讃えるモニュメントの型として使用されましたが、最終的にモニュメントを完成させたのは、弟子のロマネッリ。完成したモニュメントは、現在もフィレンツェにあるニコラ・デミドフ広場で見られます。

1800年代の大広間&1300年代の間

写真:Hiroko Oji

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1300年代の間には、フィレンツェのゴシック絵画が、3つのセクションにまたがって展示されています。

その中の一つ『生命の木』は、13世紀イタリアの神学者ボナヴェントゥラの著書「生命の木」が元になり、絵画を通してキリストの教義を示しています。一本の木はキリストが磔刑に処せられた十字架、その木が根付いている岩はキリストが殉教したゴルゴタの丘を象徴しています。そのほか『キリストの磔刑』なども必見です。

充実した絵画部門

充実した絵画部門

写真:Hiroko Oji

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彫刻だけでなく絵画部門も素晴らしい作品で溢れています。

ダビデゾーンほど人混みはありませんので、ゆっくり穏やかに鑑賞できるのがありがたいゾーンです。

充実した絵画部門

写真:Hiroko Oji

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こちらの作品はネリ・ディ・ビッチの『受胎告知』。15世紀中ごろ、フィレンツェのカンポラ修道院にあるサンタ・マリア・デル・セポルクロ教会のために木製パネルに描かれており、遠近法の素晴らしい作品です。

充実した絵画部門

写真:Hiroko Oji

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こちらはイル・フランチャビーチョの『聖母子像』。長年無名画家の作品とされていたのですが、フィレンツェ画家である彼の作品と判明しました。

これらの他にも、上階の後期ゴシック様式の間にある、聖母が戴冠する姿を中心にそれを祝福する聖人達と天子の姿を描いた多翼祭壇画『聖母戴冠』や、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内の礼拝堂に飾られていた祭壇画『受胎告知』なども見応えがありますので、ぜひ上階へも足を延ばしてくださいね。

中庭の奥には楽器博物館も

中庭の奥には楽器博物館も

写真:Hiroko Oji

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通路のガラス窓から見える中庭の奥、2001年開館の「楽器博物館」には、メディチ家とロレーヌ家が収集した17世紀〜19世紀の希少な楽器類が約50点ほど展示されています。

中でも、必見の2点がストラディバリウスの制作者アントニオ・ ストラディバリ作の「テノール・ヴィオラ」と、楽器製作家バルトロメオ・クリストファリがメディチ家のために制作した小型のチェンバロ「スピネット」です。

中庭の奥には楽器博物館も

写真:Hiroko Oji

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他にも打楽器や18世紀のトランペットまで様々な楽器が展示されています。

大きなハンマーで弦を打って音を出すこの楽器は、フェルディナンド大公の父コジモ3世のために制作されたもので、17世紀〜18世紀にかけて非常に人気のあったものとのことです。木材ではなく、3種類の大理石が使われているのも特徴です。

中庭の奥には楽器博物館も

写真:Hiroko Oji

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鍵盤楽器もグランドピアノ型やアップライト型のものから装飾が施されたものまで幅広く、見るのも楽しいひと時です。

楽器とともに、宮廷での音楽生活を描いた17世紀の絵画や、エピソードの書かれたパネルも置かれていますので、お時間があればこちらでの鑑賞もお薦めです。

アカデミア美術館の基本情報

住所:Via Ricasoli,58/60,50129 Firenze FI
電話番号:+39-055-098-7100
開館時間:8:15〜18:20
休館日:月曜日

2025年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2024/12/11 訪問

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