美しい渓谷が続く絶好のドライブコース!和歌山県「日高川町」

美しい渓谷が続く絶好のドライブコース!和歌山県「日高川町」

更新日:2025/06/09 10:31

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
和歌山県中部の日高川町は美しい渓谷が続く絶好の山間ドライブコースです。歴史的な場所や、温泉などの宿泊施設もあり、大阪方面からの一泊旅行に最適。日高川は紀伊山地を深くえぐり曲流する大河川で、景観が素晴らしく春は花が咲き誇り、秋は紅葉が美しい地域です。川遊び、渓流釣り、軽登山に由緒ある神社仏閣めぐりも可能なので、素敵な温泉宿やバンガローに泊って、さまざまなプランで自然と歴史の町を満喫してください。

日高川町の概要と渓谷美

日高川町の概要と渓谷美

提供元:和歌山県日高川町企画政策課

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日高川町は、平成17年に旧の川辺町・中津村・美山村が合併して誕生した日高川中上流の自治体。護摩壇山に水源を発し御坊付近で太平洋に注ぐ大河川の日高川が深く紀伊山地をえぐり、屈曲しながら町の中央を流れます。「水と緑の豊かな自然が息づく町」を標榜しており、風光明媚な自然景観、美しいダム湖、歴史豊かな寺や神社、良質な温泉、桜など花の名所もあり、大阪方面からの快適なドライブを楽しめます。

日高川町の概要と渓谷美

写真:菊池 模糊

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日高川の中上流域は、なんといっても渓谷美が一押し。ゆったりした大河の側面と、早瀬・急流の面を両方有しており、様々な景観を楽しめます。写真は高津尾付近の佐井の鳴滝と呼ばれる場所で、古くから筏流しの難所として知られてきました。和歌山県出身の有吉佐和子の小説『日高川』ではヒロインの父の筏師が死んだ場所とされ、往時の激流の面影が残されています。

日高川町の概要と渓谷美

写真:菊池 模糊

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日高川の景勝地は多く、中でも椿山ダムに近いヤッホーポイントは美しい景観を誇ります。駐車場があり、歩いて渡れる椿山レイクブリッジが架かっており、ちょっとした散策コースです。実際、ヤッホーと大声で叫べばこだまが返ってきますので、ぜひチャレンジしてみましょう。

花の名所など

花の名所など

写真:菊池 模糊

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県道御坊美山線の平川地区に「地蔵の鼻」と呼ばれるポイントがあります。ここは、四月上旬ころ、チューリップと桜が満開で素晴らしい景観になります。地元の「平川花の会」というボランティアたちが世話しており、1万本のチューリップを開花させ、町民や観光客の癒しの場所になっています。

花の名所など

写真:菊池 模糊

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春の桜のシーズンは気候も良く、日高川沿いに桜並木が広がります。写真は中津付近にある「かまきりトンネル」入り口付近の道路で、多くの桜が道を覆い美しいドライブコースの景観が続きます。隠れた桜の名所といえるでしょう。

花の名所など

提供元:和歌山県日高川町企画政策課

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花の名所として忘れてはならないのがリフレッシュエリアみやまの里にある藤棚ロード。4月中下旬から5月初中旬かけ藤の花が咲き誇り、日本一の道の長さを誇る藤のハイキングコースが出現します。GWには「藤まつり」が開催され多くの観光客で賑わいます。

日高川町中流のポイント

日高川町中流のポイント

写真:菊池 模糊

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日高川町には文化歴史面でも興味深いスポットが多いです。三十木集落付近は江戸時代の大文豪の井原西鶴の出生地とされ、記念碑と産湯の井戸があります。この井戸は、一説には徳川吉宗も使ったとされます。
すぐ側には予約利用制の「西鶴記念交流館(黄金の館)」が建っています。興味のある方は、あらかじめ日高川町役場に連絡して見学してください。

日高川町中流のポイント

写真:菊池 模糊

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芳澤あやめ(初代)は江戸時代の元禄から享保にかけて活躍した女形の歌舞伎役者で、屋号を橘屋といい、圧倒的な人気で一世を風靡しました。現日高川町高津尾の日高川ふれあいドーム前には芳澤あやめの銅像が立っており、近くに生家跡や「あやめ公園」もあります。歌舞伎の歴史に興味のある方は、ぜひ訪問され足跡をたどってみてください。

日高川町中流のポイント

提供元:和歌山県日高川町企画政策課

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日高川は渓流釣りのメッカでもあります。シーズンともなれば、鮎釣りやアマゴ釣りを目的とする本格的な太公望たちがやってきます。

いっぽう、初心者でも楽しめるのが、渓流釣り掘り的な田尻地区の「鷲の川 渓流アマゴ釣り」。日高川支流の山奥の渓谷を堰き止めて釣り場にしたもので、有料で渓流の女王アマゴを釣ることができます。つかみどりやBBQレンタルもあり、釣ったアマゴを味わうことも可能で、家族で自然を満喫できます。

温泉などの宿泊地

温泉などの宿泊地

写真:菊池 模糊

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日高川町には数は多くないものの、温泉宿などの宿泊施設があります。きのくに中津荘は、日高川中流域の旧中津村中央部にある大きな宿で本館・別館あわせて90名の宿泊が可能。昼食をいただけるレストランもあり、近くに日高川ふれあいドームや日高川交流センターがあり、各種イベントや会議にも便利で、大型バス駐車場も完備しています。
効能のある中津温泉(ナトリウム・炭酸水素塩泉)もあり、季節の和食が提供され、リーズナブルな値段で宿泊できます。

温泉などの宿泊地

写真:菊池 模糊

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きのくに中津荘から上流へ少し遡ったところに鳴滝バンガローがあります。木の香りただようログハウス風のバンガローで、オートキャンプ場もあり自然の中の林間宿泊を楽しめます。諸設備が整っておりシャワーも完備。近くに日帰り入浴施設「あやめの湯 鳴滝」がありますので、ぜひ温泉に浸かって1日の疲れを癒してください。

バンガローは犬を連れての宿泊可能な棟もありますので、ご希望の方は施設にご相談ください。

温泉などの宿泊地

写真:菊池 模糊

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日高川を遡り初湯川に至ると椿山ダムの近くに美山温泉愛徳荘があります。古民家あるいいは武家屋敷と見紛う風格のある木造建物と、効能のある温泉や美味しい料理が自慢の宿です。

また徒歩すぐに屋根付きの運動広場「美山ドーム」や、「藤棚ロード」、道の駅的な「みやまの里 道のホットステーション」などがあり一帯は「リフレッシュエリアみやまの里」と呼ばれています。

由緒ある神社仏閣

由緒ある神社仏閣

提供元:和歌山県日高川町企画政策課

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日高川の下流域に近い鐘巻には安珍・清姫伝説であまりにも有名な道成寺があります。ここは、能・歌舞伎・浄瑠璃などの娘道成寺ものの舞台として多くの参詣者を集めています。
安珍に懸想した清姫が蛇体となって日高川を渡り追いかけ、道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺してしまうという壮絶な物語で、幾多の芸能で取り上げられました。

道成寺は701年創建の天台宗の名刹で和歌山県最古の寺。本尊の千手観音菩薩をはじめ数々の国宝や重要文化財の宝庫で、境内には入相桜など桜の銘木もあります。絵巻を使う住職の絵とき説法が面白いのでぜひ一度お参りください。

<道成寺の基本情報>
住所:和歌山県日高郡日高川町鐘巻1738
電話番号:0738-22-0543
拝観時間:9:00〜17:00 年間無休
基本料金:大人700円、小学生350円 有料駐車場あり
アクセス:
(電車)JR道成寺駅より徒歩7分
(車)湯浅御坊道路川辺ICから10分

由緒ある神社仏閣

写真:菊池 模糊

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皆瀬にある下阿田木神社は、平安時代に創建された古風な本殿(県指定文化財)が荘厳な神社で、主祭神は伊邪那岐命と伊邪那美命です。お弓神事と呼ばれる14名による的射が正月3日に行われ県指定無形文化財となっています。これは、年の初めに弓を射ることで神意を占い悪霊を払うもので、起源は源平時代に遡るとされています。
境内にあるイチョウの大木は非常に見事で、樹齢は300年を超えます。桜も多く春は花の神社となります。

由緒ある神社仏閣

写真:菊池 模糊

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上阿田木神社は初湯川にある平安時代に創建された古社で、女神である伊邪那美命を主祭神とします。4月下旬に春の祭典を行い「花祭り」とも呼ばれる華やかなもので、稚児による神楽が奉納されフィナーレでは上から切り花が舞い散ります。独特の雰囲気で県無形文化財となっています。

また鎮守の森には重右衛門杉と呼ばれる古木をはじめとして多くの木々が鬱蒼と茂っています。深い森の中の神社という感じですが、場所的には愛徳荘から徒歩圏内ですので、併せて訪問してください。

日高川町へのアクセスは?

和歌山県中部に位置する日高川町は、長大な日高川に沿っており、絶好のドライブコースなので、車で行かれることを推薦します。
下流域から遡る場合は、湯浅御坊道路川辺ICを降りて、道成寺から上流部へ行くルートにになります。いっぽう、中上流部へ直接行く場合は、有田ICで降りて国道424線ルートで下阿田木神社付近に出ます。それぞれの良さがありますので、行き帰りでルートを変えるのが良いでしょう。
なお、道路事情は良く心配ありませんが、日高川が曲流しておりカーブが多いので、景色に見とれてしまいわないよう慎重に運転してください。

電車バスなどの公共交通機関を利用する場合は、JR新大阪駅より特急で約1時間40分で御坊駅下車。バス川原河行に乗車して日高川を遡ってください。川原河でコミュニティバス寒川線を利用すれば上流部に行けますが、バス本数が少ないので、あらかじめ運航時刻を確認の上ご利用ください。

2025年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2025/04/07−2025/04/08 訪問

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