ローマ観光のハイライト「バチカン市国」世界遺産の見応えに感動!

ローマ観光のハイライト「バチカン市国」世界遺産の見応えに感動!

更新日:2025/05/06 14:48

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
イタリア・ローマにある世界最小の国家で、国土全域が世界遺産に登録されているのが「バチカン市国」。カトリックの総本山として知られ、世界的に重要な文化遺産や宗教的建造物が密集しています。

見所が盛りだくさんで大人気のサン・ピエトロ大聖堂やバチカン博物館は建物自体の装飾が素晴らしく、内部には目を瞠る展示内容がズラリ!大聖堂のクーポラからは、ローマ市内や遠くの山並みまで見渡す素晴らしい眺望が広がります。

カトリックの総本山「サン・ピエトロ大聖堂」

カトリックの総本山「サン・ピエトロ大聖堂」

写真:Hiroko Oji

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バチカン市国といってまず思い浮かべるのは、サン・ピエトロ大聖堂ではないでしょうか。

サン・ピエトロ大聖堂はカトリックの総本山。常に長蛇の列ができる人気の観光スポット。イエス・キリストの一番弟子聖ペテロの墓所があった所に建てられたバロック様式の大聖堂で、キリスト教の建築物としては世界最大。4世紀の創建当初は木造天井を架けるバシリカ式の教会堂でしたが、15世紀、ニコラウス5世の再建の命の後、教皇ユリウス2世によって再建計画が立てられ、ブラマンテの案が採用されて1506年に着工。さらにラファエロやミケランジェロらが関わり1626年完成し、現在の姿となりました。

カトリックの総本山「サン・ピエトロ大聖堂」

写真:Hiroko Oji

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6万人収容が可能な聖堂内には、11の礼拝堂と45の祭壇があり、主祭壇を覆う青銅製の大天蓋は高さ29m。バロックの巨匠ベルニーニによって1624年から約10年かけて完成したもので、 ルネサンスの第一人者ミケランジェロが設計したクーポラの真下に鎮座しています。

天蓋を支える4本の柱には、月桂樹の葉とオリーブの枝がねじれるようにからみ、教皇の家紋である蜂が刻み込まれています。天蓋の内側には、聖霊を象徴する鳩が描かれ、天蓋上部四隅にあるのは、 教皇の象徴である冠や鍵、聖書、剣を持つ天使。この天蓋下には聖ペテロの墓があり、大聖堂内で最も神聖な場所とされています。

カトリックの総本山「サン・ピエトロ大聖堂」

写真:Hiroko Oji

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大聖堂は建物そのものも見事な装飾で溢れ、聖堂内には素晴らしい芸術品が盛りだくさん!見逃せないのはミケランジェロの『ピエタ』。ダビデ像と並ぶ最高傑作です。

ミケランジェロが「ピエタ」を題材とした4体の彫刻作品の中で、ここにあるのは唯一完成したもの。ルネサンスの理想の最終到達点ともいわれる高完成度の傑作です。

<サン・ピエトロ大聖堂の基本情報>
住所:Piazza San Pietro,00120 Cittadel Vaticano
電話番号:+39-06-6988-3462
開場時間:7:00〜19:10

サン・ピエトロ大聖堂の「クーポラ」

サン・ピエトロ大聖堂の「クーポラ」

写真:Hiroko Oji

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ローマ市街地を一望できるスポットとしておすすめが大聖堂のクーポラ!ミケランジェロ設計のこのクーポラに上るには2つの方法があります。(1)全551段の階段を登る(2)途中までエレベーターを利用し残り320段の階段を登る。登り口前のチケット売り場でどちらかのチケットを購入します。

どちらも、途中で淵に聖人像がたくさん並ぶテラスに出られます。写真はこのテラスからクーポラを見上げたもの。ここからクーポラや広場〜ローマ市街の眺めを楽しんだらあと一息、狭い階段を上りましょう。

サン・ピエトロ大聖堂の「クーポラ」

写真:Hiroko Oji

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続く階段の途中ではクーポラの下のギャラリーに出ます。ここからは、下から小さくしか見えなかったクーポラの美しい壁画を間近で見ることができるのです。クーポラ中心から16本に分かれた裾にある窓の下の壁画までモザイクのひとつひとつの欠片が手に取るようにすぐそばで見ることができ、描かれた天使の顔の大きさにも圧倒されます。

壁画だけでなく下には大聖堂内の様子も見渡せます。この眺めを堪能したら、あとはゴールを目指してひたすら階段を登るだけ!途中からはクーポラの形状に沿って壁が傾いていくので、まっすぐ歩いていても体が斜めになっているような感覚が。階段の幅も狭く歩きにくくなりますが、あとほんの少し!頑張りましょう。

サン・ピエトロ大聖堂の「クーポラ」

写真:Hiroko Oji

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最後の極狭螺旋階段を上り切れば、ご褒美の眺め!360度のパノラマ風景が広がります。

広大な石畳の「サン・ピエトロ広場」

広大な石畳の「サン・ピエトロ広場」

写真:Hiroko Oji

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大聖堂の前に広がるサン・ピエトロ広場は、教皇アレクサンデル7世の命により、ベルニーニが古代ローマのコロッセオからインスピレーションを得てデザインし1656年〜1667年にかけて建設。トム・ハンクス主演映画『天使と悪魔』の舞台となったことや、2025年4月21日に死去したローマ教皇フランシスコの葬儀が26日に執り行われたことでも知られます。

30万人〜40万人の収容が可能な広場を取り囲む半円形の回廊には、4列のドーリア式円柱が全部で284本並び、その上部には高さ3.2mの140体の聖人像が並び広場を見下ろしています。中央のオベリスクは、紀元前1世紀にエジプトのアレクサンドリアでローマ人が建て、40年にエジプトから運ばれてきました。高さ25.5m、重さ320tもある巨大なもので、日時計の役割も兼ねています。

広大な石畳の「サン・ピエトロ広場」

写真:Hiroko Oji

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オベリスクの左右には2つの噴水があります。大聖堂に向かって右側が、バロック建築先駆者の1人カルロ・マデルノの設計に基づいて1613年に、左側がベルニーニによって1675年に造られました。

また、左右の噴水とオベリスクとの間にあるのがベルニーニポイント!円形の印が2つあり、この上に立って柱廊側を見ると、4列の柱が重なって1列に見えます。

広大な石畳の「サン・ピエトロ広場」

写真:Hiroko Oji

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広場から大聖堂に向かって左手にはスイス衛兵がピクリとも動かずビシっと立っている姿も見られます。タイミングが合えば1時間に1度行われる衛兵の交代式を見ることもできますよ。

世界有数の美の宝庫「バチカン博物館」

世界有数の美の宝庫「バチカン博物館」

写真:Hiroko Oji

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大聖堂北側に隣接するバチカン宮殿内にある24の美術館の総称がバチカン博物館。14世紀以来教皇の住居となったところで、歴代ローマ教皇が収集した美術品が多数収蔵されています。見学できる1400もの部屋をつなぐ通路は全長7km。迷路のような建物は、数々の礼拝堂やギャラリーを併せもつ世界有数の美の宝庫です。

中でも必見のシスティーナ礼拝堂では、ミケランジェロのフレスコ画『最後の審判』や天井画があり、ボッティチェリやギルランダイオらの見事な壁画と共に圧倒されるばかり。撮影禁止なのが残念!

世界有数の美の宝庫「バチカン博物館」

写真:Hiroko Oji

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また首が痛くなるまで天井を見上げてしまう見所の一つ、地図のギャラリーがこちら。

グレゴリウス13世の時代に描かれたイタリアの地方と教会の所有地の地図のフレスコ画から、こう呼ばれています。16世紀末に描かれた細やかな装飾が美しい40枚もの地図が120mにも渡って並び、その頭上を飾る天井画の素晴らしいこと!見惚れるばかりです。

世界有数の美の宝庫「バチカン博物館」

写真:Hiroko Oji

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タペストリーのギャラリーや彫刻のギャラリー(写真)なども見応えある作品がズラリ。展示品だけでなく、天井装飾や足元の大理石モザイクも素晴らしい空間です。

迫力ある壁画で覆われた部屋の数々

迫力ある壁画で覆われた部屋の数々

写真:Hiroko Oji

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さらに、4つの部屋からなるラファエロの間も見逃せない一つ。4つの部屋とは、コンスタンティヌスの間、ヘリオドロスの間、ボルゴの火災の間、署名の間で、それぞれ圧巻の迫力が伝わります。

写真のコンスタンティヌスの間は、公式の儀礼のためにデザインされたもので、ラファエロとその弟子たちによって装飾が施されました。

迫力ある壁画で覆われた部屋の数々

写真:Hiroko Oji

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こちらはラファエロの『アテナイの学堂』が描かれている署名の間。もともとユリウス2世の私的なオフィス兼図書館として使われていた部屋です。

中央にいる二人の男性は、プラトン(レオナルド・ダ・ヴィンチがモデル)とアリストテレス、肘をついて屈んでいる男性はヘラクレイトスに扮したミケランジェロであると伝えられています。上に続く天井装飾も素晴らしいのでお見逃しなきように。

迫力ある壁画で覆われた部屋の数々

写真:Hiroko Oji

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また、無原罪の御宿りの間も魅了される部屋の一つ。1856年〜1865年にかけてアンコナ出身の画家フランシス・ポデスティによって造られたもので、聖母の戴冠や無原罪の信仰箇条を協議・宣言する様子が描かれています。

<バチカン博物館の基本情報>
住所:Viale Vaticano,00165 Rome
電話番号:+39-06-69883145
開館時間:8:00〜20:00

ローマ観光で外せない「バチカン市国」訪問は時間の余裕を!

ローマ観光のついでにバチカン観光も…となんて思っていたら全くの見当違い!さすが国土全域が世界遺産だけあって、サン・ピエトロ大聖堂(クーポラや広場も含む)もバチカン博物館も、そこ一か所だけでも少なくとも半日はたっぷり時間を取ってじっくり味わいたくなる素晴らしい感動スポットです。

特に20を超える美術館・博物館の入るバチカン博物館内は、順路に沿っていても途中からどこをどう歩いているのかわからなくなり、迷子状態になりかねないほどの広さ。素晴らしい展示品や装飾に感動しっぱなしのスポットですので、ぜひたっぷり時間に余裕をもってご訪問くださいね。

2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2024/12/13−2024/12/14 訪問

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