ボーデン湖を見渡すドイツの古城「メーアスブルク城」で騎士の世界へ

ボーデン湖を見渡すドイツの古城「メーアスブルク城」で騎士の世界へ

更新日:2025/05/27 12:35

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドイツ、オーストリア、スイスの三国に跨るボーデン湖は、アルプス地方ではレマン湖につぐ第二の規模。東からライン川が流れ込み、西へと流れ出していきます。

この湖の北岸湖畔に佇む町がメーアスブルク。“湖の要塞”という意味を持つ風光明媚な町で、対岸のコンスタンツに渡る船の出発地として村落が築かれました。この町の一番の見所となるのが「メーアスブルク城」。騎士物語に紛れ込んだかのような世界が体験できます。

風光明媚なボーデン湖畔の町「メーアスブルク」

風光明媚なボーデン湖畔の町「メーアスブルク」

写真:Hiroko Oji

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ドイツ、オーストリア、スイスの三国にまたがり、三国で共同統治されているボーデン湖は、コンスタンツ湖とも呼ばれ、アルプス地方ではスイスのレマン湖に次いで第二、ドイツ国内では最大の湖です。氷河の作用によってできた氷河湖でもあり、ドイツ最長の河川であるライン川が流れ込み、交易の場としても発展してきました。

このボーデン湖に面して、南西岸に大都市のコンスタンツの町が、その対岸にあるのがメーアスブルクの町です。

風光明媚なボーデン湖畔の町「メーアスブルク」

写真:Hiroko Oji

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ボーデン湖の北岸湖畔に佇むメーアスブルクの町は、メロヴィング朝時代の要塞や優美な広場、風光明媚なブドウ畑などが魅力で、ドイツならではの立派な木組みのお家が軒を並べています。

風光明媚なボーデン湖畔の町「メーアスブルク」

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町の丘の上にあるお城へ向かう坂道を登っていくと、木組み家屋に入るカフェ・レストランやお土産物屋がびっしりと石畳で覆われた路地の両側に軒を並べています。その坂道のほぼ中腹の、水車小屋のある美しい木組み家屋の隣の小さな広場に熊の噴水もあって、人々の憩いの場となっています。

騎士物語の世界「メーアスブルク城」へGO!

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写真:Hiroko Oji

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このメーアスブルクの町の丘の上に建つ、7世紀築城のドイツ最古の城のひとつが「メーアスブルク城」。18世紀に華麗なバロック様式のピンク色した新城が完成するまでは、コンスタンツ司教の住まいだったところで、町のシンボル的存在です。

何度も改装を重ねた城は、13世紀にはこの一帯を支配したコンスタンツ司教の居城に、また1414年〜1418年にかけてコンスタンツ会議を開催した神聖ローマ皇帝ジギスムントがここに滞在していました。この城には現在でも所有者が住んでおり、人が住んでいる城の中ではドイツで最古!居住エリア以外の場所が現在では城博物館として公開されています。

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写真:Hiroko Oji

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お城の入り口そばにある像は、アネッテ・フォン・ドロステ・ヒュルショフ。彼女は19世紀の最も重要なドイツの女流詩人の一人とされ、かつてはドイツ・マルク紙幣のモデルにも使われた人です。1841年〜1848年5月に51歳で亡くなるまでの3回、メーアスブルク城に住んでいました。妹が城主と結婚したこともあって、彼女は城の最も有名な居住者であり、彼女の作品は多くのファンをボーデン湖に引き付けています。

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写真:Hiroko Oji

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お城に入場するには、前の建物に入るチケットブースで購入し、入り口となる堀に架かる木製の橋手前でチケットチェックを受けるのですが、そのチェックが豪快!中世の服装を纏った係員が持っているナイフをチケットに突き刺すという演出で、ここから中世の世界に引き込まれてしまいます。

中世へタイムスリップ

中世へタイムスリップ

写真:Hiroko Oji

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城内に一歩足を踏み入れれば、とたんに中世にタイムスリップ。まるで時間が止まったかのようで、壁の向こうからヒョイと騎士が出てきても不思議ではない空気に満たされています。

中世へタイムスリップ

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城内ではいたるところに狩りに使われた様々な武器と動物の角が掲げられています。

狩りの間や階段室には鹿をはじめ多くの動物の角が、槍や刀剣・弓矢・銃など狩りに使われた武器とともに掲示されていて、当時の城主は狩りが好きだったという事が伝わってきます。

中世へタイムスリップ

写真:Hiroko Oji

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城の部屋や中庭からは丘の上に向かって並ぶ家屋やボーデン湖を見下ろすことが出来ます。

北側には傾斜に沿って建つ年季を感じさせる屋根瓦や木組み家屋の姿、反対の南側には緑に囲まれてオレンジ色の屋根瓦が続き、その奥に真っ青なボーデン湖の広がる風景は美しいばかりです。

中世の生活を垣間見るお部屋たちも

中世の生活を垣間見るお部屋たちも

写真:Hiroko Oji

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狩りの間に続くお部屋は、寝室やリビングルーム、キッチン、バスルーム、トイレなどとなり、道具や家具などを通して当時の暮らしぶりを想像しながら進めます。

こちらはキッチン。壁にかかる鍋やフライパンに竈などが残されています。人形を使ってパンを焼く様子やテーブルセッティングも再現されており、中世の騎士たちがどの様な食事をしていたのかもよく伝わってきます。タイミングが合えば、使用人の台所で中世のレシピに従って料理が行われる実演も見ることができます。

中世の生活を垣間見るお部屋たちも

写真:Hiroko Oji

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いつの時代も水の確保は命をつなぐ大切なもの。このお城でも水の確保に重宝した古井戸がしっかり残されています。

中世の生活を垣間見るお部屋たちも

写真:Hiroko Oji

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また、アネッテ・フォン・ドロステ・ヒュルショフが晩年を過ごしたお部屋も公開されています。狩りの間や武器庫など他のお部屋とは雰囲気が違ってほんわかとした感じのお部屋でほっとできる空間です。

要塞としての一面も

要塞としての一面も

写真:Hiroko Oji

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メーアスブルグ城は豪華絢爛なお城とは違ってどちらかというと要塞的なもの。その一面として武器庫があり、鎧兜や武器の展示もたくさん見られます。

壁一面に並ぶ鎧は迫力があり、かつ威圧的。夜中ならふと背中がぞくっとして恐怖を感じてしまいそうなところも。

要塞としての一面も

写真:Hiroko Oji

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建築当初から残る石積みの壁そばに大砲が置かれているスペースもあります。

要塞としての一面も

写真:Hiroko Oji

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さらに少し離れたところにあるのは拷問室。断頭台や足かせ首かせなど様々な拷問具も並んでおり、入り口には「自己責任でお入りください」との表示。きっと気分がすぐれなくなる人もいらっしゃるのでしょう。

現在も人が住んでいながら、居住スペース以外では色々な面を見ることができるお城です。併設のカフェやお庭からはボーデン湖を見渡す素晴らしい風景も楽しめますので、城内見学を終えたらぜひ一休みして、可愛らしい町並みが残る町散策にお出かけくださいね。

メーアスブルク城の基本情報

住所:Schlosplatz 10,88709 Meersburg
電話番号:+49-7532-80000
開城時間:10:00〜18:30(冬季〜18:00)
アクセス:鉄道は通っていないので、対岸のコンスタンツ鉄道駅(ドイツ国鉄&スイス国鉄が乗り入れ)前の港からフェリーで約15分、港から徒歩7〜8分

2025年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2024/07/28 訪問

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