写真:Hiroko Oji
地図を見る北イタリアのヴェローナの町で、一番人気ともいえるのが「ジュリエットの家」。旧市街のど真ん中、カッペッロ通り23番にある14世紀に建てられた煉瓦造りの建物です。バルコニーを見上げられる中庭を囲む建物の半分が資料館兼博物館となっていて、ヴェローナ市所有なのでヴェローナカードで入場できます。
シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台となり、二人の存在をさも現実であったかのように思わせてくれるのがこの館です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る中庭にはジュリエットの像も設置されていて、ここまではだれでも無料で入れます。
このジュリエット像はレプリカなのですが、右胸に触ると幸せになれるといわれており、彼女に触れようと毎日長蛇の列ができるほど。ぜひワンタッチと記念の写真を1枚おすすめしたいのですが、知らない人たちから自分の胸を触られるなんて…と思うと気の毒にさえ感じてしまいます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るまた、映画のワンシーンを思い出させてくれるこのバルコニーも注目の一つ。
実はこのバルコニーは、市立カステル・ヴェッキオ美術館の倉庫に眠っていた石棺を1937年に取り付けたというものなのです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る「ロミオとジュリエット」という物語は1300年初頭に起きた史実がもとになっていると書類では残っていて、シェークスピアが16世紀末に戯曲として書く前には、イタリアの作家たち何人かがすでに物語として書いていたといいます。その中でも一番よく知られるようになったのが、シェークスピアだったのです。
受付を通って階段を上ると、最初に入れるのがこのバルコニーのあるお部屋。天井の格間装飾と柱頭装飾のある柱が支えるアーチが連なり、一瞬で物語の世界に飛び込んだかのような気にさせてくれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る2階のバルコニーのお部屋、片隅でひっそり佇んでいるのがこのジュリエットの像です。
これは1969年のネレオコスタンティーニ作、オリジナルのブロンズ像。もともと1972年〜2013年まで中庭に展示してあったのですが、多くの人が右胸を触った結果、胸に穴が開いてしまい、修復されてからは室内に展示されるようになりました。こちらは自由に触れないようにロープで仕切られてはいるのですが、中庭のレプリカのように触られたのか、ピカピカになりつつある右胸です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るジュリエット像の前を通ってバルコニーに出てみると中庭を見渡せます。ジュリエットがロミオへの愛を告白するセリフ「おおロミオ、あなたはなぜロミオなの?」でよく知られるあのバルコニーです。
下から見たバルコニーは素敵な装飾が施されていますが、内側は何の変哲もないただの石造りの箱。でも、ここに立つと、下からロミオが手を伸ばして上ってくるような錯覚にも浸れます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る館内には、映画で使用した2人の衣装とベッド、作品中のワンシーンを描いた絵画などが飾ってあります。
『ロミオとジュリエット』は、14世紀初期、町の名門一家モンテッキ家の息子ロミオとカプレティー家の娘ジュリエットが仮面舞踏会で出会って恋に落ち、二人は永遠の愛を誓って物語は進みます。両家の争いが繰り返され二人の愛は許されないまま、ロレンツォ神父の手を借りて駆け落ちを決め、ジュリエットが自殺をした振りをして仮死状態に。それを知らないロミオはジュリエットの死を知らされてお墓に駆けつけ、死んでいる姿を見て自ら毒を飲んで後を追います。そこで目を覚ましたジュリエットはロミオの死に絶望して短剣で自ら命を絶つという悲恋の物語です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る特に目を惹くのはこちらの衣装。控えめだけれど芯のしっかりした上品な二人の姿が思い描かれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るまた渡り廊下のような通路を通った別館の一室が寝室になっていて、1968年のゼフィレッリ監督による映画『ロミオとジュリエット』で実際に使用されたベッドも置かれています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る別館の階段最上階の廊下には、バルコニーがある館の形をした赤いミニチュアが置かれています。このミニチュアと同じものがポストとして、中庭からの出口のアーチの右側に設置されています。
これは、ジュリエットクラブのポストで、世界中からジュリエット様へ愛の手紙が送られてくるのです。ボランティアの人たちがジュリエットの秘書としてその手紙に返事を書いてくれ、年に一度バレンタインデー前後には心のこもったすばらしい手紙がベローナ市から表彰されています。もし興味のある方は挑戦なさってみてくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る建物の内部に施された格間天井装飾や14世紀頃の幾何学的模様の壁、剝がれた壁の下に覗く煉瓦造りの壁面、暖炉などを見ることができ、ルネッサンス期の代表的な家具「カッサパンカ」という当時の収納付き長椅子なども置かれていて、タイムスリップしてしまったような空気が満ちています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るまた、彩色が美しい陶器類や「ロミオとジュリエット」をテーマにした19世紀末の絵画、映画のワンシーンとなる写真などが展示されており、資料館になっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るジュリエットの家から徒歩15分ほどの所には、ジュリエットのお墓も設けられています。1868年、建物の所有者であった修道会が整備し、1938年、市立博物館の館長が回廊や石棺を安置した地下聖堂までのルートを創設したおかげで、このロマンチックな世界に観光客が訪問しやすくなったのです。
史実をもとにしたと言いながらも架空の世界なのに、お墓まであるのがすごい!入口の門をくぐった所にはシェークスピアの像や戯曲の一節が刻まれた石も置かれています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る奥にある建物まで、柱頭装飾の柱が並ぶ通路沿いには様々な彫刻が置かれており、自然と物語の世界へ。建物はサン・フランチェスコ・アル・コルソ修道院で、回廊を取り囲む建物の一つの地下に、ひっそりと置かれているのがジュリエットの棺です。
物語では、ロミオとジュリエットの駆け落ちを計画・援助し、ジュリエットの偽装死のための薬を調合したロレンツォ神父がいたのがこの修道院だったとされています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る回廊に面した建物内には「ジョヴァンニ・バッティスタ・カヴァルカゼル」博物館があり、主に19世紀〜20世紀にかけて市内の宮殿・邸宅や教会の壁から切り離された中世と現代のたくさんのフレスコ画が展示されています。
また、博物館の庭園には、10世紀〜18世紀のヴェロネーゼ起源の碑文や彫刻のコレクションも並んでいます。
ジュリエットの家から少し離れてはいますが、悲劇のラストシーンに惹かれてこちらへ足を運ばれてはいかがでしょうか。
<ジュリエットの墓の基本情報>
住所:Via Luigi da Porto,5,37122 Verona
電話番号:+39-045-800-0361
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日
住所:Via Cappello,23,37121 Verona
電話番号:+39-045-803-4303
開館時間:9:00〜19:00
休館日:月曜日
2025年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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