倉敷の中の倉敷!?岡山・倉敷美観地区「語らい座 大原本邸」

倉敷の中の倉敷!?岡山・倉敷美観地区「語らい座 大原本邸」

更新日:2025/09/09 17:25

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
岡山県の人気観光地、倉敷美観地区にある「語らい座 大原本邸(旧大原家住宅)」は、倉敷紡績(株)、(株)クラレ、大原美術館を設立するなど、倉敷発展の礎を築いた大原家の代々の当主が暮らした家です。約660坪の邸内には、外観からは想像もできない風景が広がり、斬新なインスタレーションで大原家の歴史を紹介しています。倉敷美観地区で“倉敷の中の倉敷”とも呼ばれる語らい座 大原本邸を訪れてみませんか?

岡山県屈指の人気観光「倉敷美観地区」

岡山県屈指の人気観光「倉敷美観地区」

写真:モノホシ ダン

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岡山県の観光地として屈指の人気スポット、倉敷美観地区。1979年(昭和54年)には、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、江戸・明治時代に造られた伝統的な建物が並ぶさまは往時の賑わいを感じさせます。

写真は、フォトスポットとしても人気の「倉敷館」。1917年(大正6年)に倉敷町役場として建てられた洋風木造建築で、現在は観光案内所や自動販売機・コインロッカー・トイレを備えた無料休憩所として利用されています。

<倉敷館 観光案内所の基本情報>
住所:岡山県倉敷市中央1-4-8
電話番号:086-422-0542
営業時間:9:00〜18:00(年末年始は変更の可能性あり)
アクセス:JR倉敷駅から徒歩約15分。車利用の場合は、美観地区周辺有料駐車場を利用

岡山県屈指の人気観光「倉敷美観地区」

写真:モノホシ ダン

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かつて高瀬舟が往来した倉敷川の川面から倉敷美観地区の眺めを楽しめるのが「くらしき川舟流し」です。高砂橋から今橋の間を約20分かけて往復します。風流な川舟で、水上散歩はいかがでしょうか。

<くらしき川舟流しの基本情報>
住所:岡山県倉敷市中央1-4-8(チケット売り場)
電話番号:086-422-0542(倉敷館観光案内所)
運航時間:9:30〜17:00(約30分ごとに運航)
乗船料:大人700円、5歳〜小学生350円
運休日:第2月曜日(祝日は除く)、悪天候時

岡山県屈指の人気観光「倉敷美観地区」

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倉敷美観地区のシンボル「大原美術館」は、1930年(昭和5年)に開館した日本で最初の西洋美術中心の私立美術館です。本館では、モネ、ピカソ、ゴーギャンなど世界的に有名な名作コレクション展示で至福の時間を過ごすことができます。

本館の他、工芸・東洋館と児島虎次郎記念館も鑑賞可能です。

<大原美術館の基本情報>
住所:岡山県倉敷市中央1-1-15
電話番号:086-422-0005
見学時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
見学料:大人2000円、小・中・高校生500円
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、7月21日〜8月31日までは毎日開館)

“生きた重要文化財”「語らい座 大原本邸」とは

“生きた重要文化財”「語らい座 大原本邸」とは

写真:モノホシ ダン

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大原美術館から今橋を渡ってすぐの場所にあるのが「語らい座 大原本邸(旧大原家住宅)」です。大原美術館の設立者、大原孫三郎の生家で、1795年(寛政8年)に建てられ、入母屋本瓦葺きの屋根、白漆喰塗り壁、倉敷格子、倉敷窓を施し、倉敷の町家らしい造作が見られます。

敷地内の10棟が国の重要文化財で、今でも大原家の鼓動が感じられる“生きた重要文化財”とも呼ばれています。文化財に指定された後も長らく非公開でしたが改修を施し、2018年(平成30年)4月に一般公開されるようになりました。

“語らい座”というネーミングには、語らう場とともに「カタライザー(触媒)」の意味が込められています。玄関の暖簾をくぐると、みせのま・いま・だいどころと続く古い商家のたたずまいが感じられます。

“生きた重要文化財”「語らい座 大原本邸」とは

写真:モノホシ ダン

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みせのまの土間には、薄暗い空間にプロジェクションマッピングにより白い言葉が浮かぶ独創的な展示があります。「ふりそそぐ言葉」という展示で、5代壮平、6代孝四郎、7代孫三郎、8代總一郎が語った言葉が天井からつり下がっています。

「最後まで根気強くやるほうがゴールにたどり着く」「十人のうち七人も八人も賛成するようなら、やらないほうがいい」「感情を出発点とした政策には賛同できない」といった言葉が並びます。

お気に入りのメッセージを見つけてビジネスや自分の生き方の参考にしてはいかがでしょうか。

“生きた重要文化財”「語らい座 大原本邸」とは

写真:モノホシ ダン

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続く土間には、高く積み上げられたキューブツリー「つみあがる必然」があります。キューブに描かれているのは、歴代の当主の名前や顔写真、その周りには各代の関係者が広がる立体相関樹です。大原家の幅広い交友関係がよくわかります。

主家と蔵の間に延びる石畳の風情ある景色が美しい

主家と蔵の間に延びる石畳の風情ある景色が美しい

写真:モノホシ ダン

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また土間を上がった座敷には、世界三大ピアノブランドの一つ、ドイツのベヒシュタイン社のピアノがあります。大原孫三郎が購入した、1928年(昭和3年)製のアップライトピアノで、優雅な装飾があり、鍵盤には象牙が使用され、弦の張り方にも特徴があって、大変貴重なピアノです。

現在は、イベントやコンサートなどでその美しい音色を楽しむことができます。

主家と蔵の間に延びる石畳の風情ある景色が美しい

写真:モノホシ ダン

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最後の土間では「この家で」と題して、7代孫三郎とその妻の壽惠子から長男總一郎に宛てた手紙が障子に映し出されます。倉敷を代表する大原家の8代となる總一郎に厳しさを求めながらも、親として愛情にあふれる気持ちが感じられます。

主家と蔵の間に延びる石畳の風情ある景色が美しい

写真:モノホシ ダン

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土間を抜けると美観地区を彷彿とさせるような石畳に出ます。主屋と蔵が立ち並び、その間に石畳が延びる風情ある景色は、思わず見入ってしまうほどの美しさです。

大原家と倉敷の歩みが良く分かる「中倉」

大原家と倉敷の歩みが良く分かる「中倉」

写真:モノホシ ダン

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なまこ壁が施された蔵も展示スペースになっています。「中倉1〜大原家の歴史〜」では、大原家8代と倉敷の歩みを年表形式で紹介しています。

大原家と倉敷の歩みが良く分かる「中倉」

写真:モノホシ ダン

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「中倉2〜10年先が見えた人〜」では、7代孫三郎を紹介する部屋です。大原孫三郎の生涯を描いた城山三郎の小説のタイトル『わしの眼は十年先が見える』という言葉を残した孫三郎は、大原美術館の設立や、倉敷紡績、倉敷絹織(現クラレ)など紡績事業をはじめ、金融や電力会社など数々の事業を手がけました。

写真手前の10のレリーフは、孫三郎の手がけた事業の多彩さを物語るものです。

「ブックカフェ」や「離れ座敷」で至福のひとときを

「ブックカフェ」や「離れ座敷」で至福のひとときを

写真:モノホシ ダン

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「ブックカフェ」は、8代總一郎の書斎をイメージしたカフェスペースです。總一郎が好きだった「鳥」「民藝」関連の書籍のほか、約2000冊の蔵書に囲まれた落ち着いた空間で、オリジナルコーヒーを味わえます。

「ブックカフェ」や「離れ座敷」で至福のひとときを

写真:モノホシ ダン

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「離れ座敷〜思索の、間〜」は、歴代の当主がくつろいだ休憩・交流スペースです。庭にはモミジの木がたくさんあり、紅葉の季節は真っ赤に染まります。

なお、この離れ座敷では、お抹茶とお菓子のセットがいただけます。静寂に包まれた日本庭園を眺めながら、大原家の人々の足跡に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

語らい座 大原本邸の基本情報

住所:岡山県倉敷市中央1-2-1
電話番号:086-434-6277
営業時間:9:00〜17:00(最終入館は16:30まで)
入館料:一般500円、高校生以下400円
休館日:月曜日(祝日、振替休日の場合は開館)、年末年始
アクセス:JR倉敷駅から徒歩約15分。車利用の場合は、美観地区周辺有料駐車場を利用

2025年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2025/08/14 訪問

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