写真:松田 朝子
地図を見るバイロイトがドイツの芸術・文化史において脚光を浴びるようになったのは、18世紀の半ば、フリードリヒ3世とヴィルヘルミーネ辺境伯夫妻の時代です。特にヴィルヘルミーネ辺境伯夫人は音楽や芸術に造詣が深く、素晴らしい歴史的建築物、宮殿、そして宮殿庭園などをバイロイトにもたらしたのです。
写真:松田 朝子
地図を見る歴史的建造物の中でも特筆すべきは、バイロイト辺境伯歌劇場(オペラハウス)でしょう。ここは、1744年から1748年にかけてフリードリヒ3世と夫人ヴィルヘルミーネの命により建築されたもの。ヴィルヘルミーネは楽器の演奏をはじめ、作曲やシナリオの執筆、そして自ら役者としても舞台に立ちました。さらには宮廷オペラ芸術監督として、バイロイトにイタリア歌手の合唱団を呼び寄せたのです。
またこのオペラハウスは、1748年9月、ヴィルヘルミーネの一人娘、エリーザベト・フリーデリケ・ゾフィーの結婚式を記念して設立されたものです。当時、歌劇場では数週間の祝宴が催され、辺境伯夫妻とバイロイト宮廷の栄光が国際的な王侯聴衆の注目を集めました。
写真:松田 朝子
地図を見るまたここは現存するバロック様式の劇場建築の中でも重要とされている建造物でもあります。2012年には「ヨーロッパにおけるバロック様式の祝祭・音楽文化の特別な記念碑」として、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
1748年に建てられたこの建物は、奇跡的にも内部はほぼ当時のままの状態で残っていましたが、2012年から2018年にかけの修復工事でさらに美しい姿に。このオペラハウスは栄華を極めた頃の姿を後世に伝える場所となっています。オペラハウスに隣接して資料館があり、ここではオペラハウスの歴史から、舞台装置のからくりなども知ることができます。
<基本情報>
住所:Opernstrasse 14, 95444 Bayreuth
電話番号:+49-921-759-6922
写真:松田 朝子
地図を見るバイロイトは歌劇王リヒャルト・ワーグナーが晩年を過ごした街。彼自身のオペラの演奏会場として建てられたバイロイト祝祭ホールは、今や世界的に有名な歌劇場として知られています。この建物は1872年から1875年にかけて、ワーグナーの設計に基づき建設されました。辺境伯オペラハウスのような華やかさはないものの、ここは世界でも最も優れた音響を誇る歌劇場のひとつとされています。
写真:松田 朝子
地図を見るユニークなのは、ステージの前にオーケストラピットをほぼ完全に覆う防音スクリーンが設けられているところ。劇場内で舞台とオーケストラピットの両方を見ることができるのは、指揮者だけです。音響効果を間接的にすることで、オーケストラサウンドを空間全体に広く行き渡らせることができるのだそうです。
祝祭ホールでは常設のアンサンブルはなく、1876年から始まって、毎年7月25日から8月28日まで、ワーグナーのオペラと楽劇の30公演のみに使用されます。これは世界的にも有名なバイロイト音楽祭のイベントで、期間中は全世界からバイロイトに、オペラファンが押し寄せます。
<基本情報>
住所:Festspielhuegel 1- 2, 95445 Bayreuth
電話番号:+49-921-78780
写真:松田 朝子
地図を見るエルミタージュはヴィルヘルミーネが1735年の誕生日に、夫のフリードリヒ3世から贈られた夏の離宮。ヴィルヘルミーネは庭園を拡張し、新宮殿や噴水、植え込みなどを随所につくり園内を整備しました。
1753年に完成した新宮殿は、エルミタージュで最もアイコニックな建物。色とりどりのガラスや水晶を散りばめたロココ式の宮殿は他に類を見ないでしょう。
写真:松田 朝子
地図を見るその隣にある旧宮殿には様々なテーマに分かれた部屋があり、中国や日本をテーマにした部屋も見られます。
写真:松田 朝子
地図を見る園内には新宮殿と同じようにガラスや水晶で作られた洞窟があり、ここは仕掛け噴水の部屋となっています。ここではガイドさんが色々なトリックを使って水の噴出を見せてくれます。ちょっとクスッとさせられるこの仕掛け、広大な庭園を歩いてヒートアップした体に束の間の涼をもたらしてくれます。
<基本情報>
住所:Eremitage 1, 95448 Bayreuth
電話番号:+49-921-759-6937
写真:松田 朝子
地図を見るまたバイロイト周辺には、伝統的な家族経営の醸造所を含め、200以上の醸造所があって、1,000種類以上のビールを醸造しています。なかでもマイゼル&フレンズは、1887年の創業から4代にわたる家族経営の醸造所。バイロイトの中心部で創業時から続くレンガ造りの建物は印象的。
ここの敷地内の昔ながらのビール作りを再現した見学ツアー「マイゼルズ・ビール・エクスペリエンス」は、1988年には最も充実したビール博物館としてギネスブックに登録されています。ビールのみならず、所狭しと展示された様々な形のビアグラスや、400点余りものホウロウでできた醸造所の看板も展示されていて、アーティスティックなビールの世界をも楽しませてくれます。ツアーの最後には、今も毎日ビールが醸造されている最新鋭のマイゼル&フレンズ醸造所を見学します。
写真:松田 朝子
地図を見るおしゃれな雰囲気のビールショップでは、自社製品はもちろん世界中から集められた80種類ものビールが綺麗にディスプレイされ、隣接のレストランでは100種類ものビールから選ぶことができます。またマイゼル&フレンズの敷地内は、モダンなウォールアートが楽しめるホテルもあるので、朝から晩までビール漬けの日々を堪能できます。
写真:松田 朝子
地図を見るいやいや、そんなに酔っ払ってもいられない…という人におすすめしたいのが、マイゼル&フレンズのノンアルコールビール。ドイツでも昨今は若者がアルコールを飲まなくなっているのだそう。ドイツの醸造の歴史が途絶えてはと造られたのがノンアルコール。こちらで造られるノンアルコールのビールは濃厚で、泡までクリーミー。今までノンアルコールビールを美味しいと思ったことのない人をも納得させうる味です。これならアルコールを辞められるかもしれません。
<基本情報>
住所:Andreas-Maisel-Weg 1, 95445 Bayreuth
電話番号:+49-921-401-234
写真:松田 朝子
地図を見るバイロイトから車で30分、ヴィルスベルクは小さくもロマンチックな町。知る人ぞ知るエリアですが、今やグルメのホットスポットとして注目されています。その中心にあるのは、ミシュラン2つ星に輝くシェフ、アレクサンダー・ヘルマン氏が経営する「AURA」という高級レストラン。ここはヘルマン氏の家族が1869年から数世代に渡って営むポストホテルの中にあります。
写真:松田 朝子
地図を見る革新的な料理のもととなるのは、品質と創造性。使われる食材は70を超える地元の生産者や農家から厳選されています。それに地域の特性に革新的な味覚を纏わせて生まれた料理は、一皿ごとのアートのようです。
<基本情報>
住所:Marktpl. 11, 95339 Wirsberg
電話番号:+49-9227-2080
バイロイト音楽祭は2026年には150周年を迎えます。「フェスティバル150」はそんな節目の年を祝う音楽祭。この頃にはいつに増してたくさんのコンサートやレイヴ、その他多様な文化イベントも開催されます。フェスティバルは歴史とイノベーションが融合するかつてないスケールが予想されています。オペラファンもそうでない人も、バイロイトを訪れるには良いタイミング。美食と美建築とビールをこの機会にいかがでしょうか?
2025年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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