ヘリタンスカンダラマを遠くから見ても、見事に森と調和しているため、ホテルがあることに気がつきません。「細い未舗装の道の先にラグジュアリーホテルがあるのか」と不安になりつつもホテルにたどり着くと、その圧倒的な存在感に心を奪われます。
チェックインをしてまず驚くのはフロント左にある岩の壁。「フロントに岩がある」のではなく、「岩の横にフロントがある」のです。フロントでチェックインするときに、まず「並のホテルではないな」と実感します。
チェックインを済ませ部屋へ向かう通路の壁がすごい!ヘリタンスカンダラマに初めて宿泊する方は、ほぼ100%「おおぉー」と声を出してしまう存在感。
「自然を活かす」のではなく「自然の岩がそのまま放置されている」のです。さらに先に進むとバワが愛した芸術家のオブジェや家具が、ヨーロッパの美術館のようにバランスよく配置されています。そしてホテルのいたるところでみかける緑のツタも気になります。自然の緑色のカーテンのように上から下に垂れさがっていて、光がツタの間から差し込んでいます。バワはツタを好んで使い、今ではヘリタンスカンダラマ全体を覆う美しい緑になりました。
ホテルを建設するにあたり環境汚染や自然破壊といったことが懸念され、地元住民に反対された歴史があります。ゴミを少なくする、汚水は浄化してから湖に流す、なるべく地元の人をスタッフに採用する――今でこそ珍しくはありませんが、当時、画期的なアイデアをいくつも採用し、難問を解決してホテルをオープンしました。
全長約1kmあるホテルの一番端にあるのがSPA施設。現在はシックスセンシズスパがヘリタンスカンダラマのSPAを運営しています。時間があればぜひSPAを体験してください。バワの世界観がこのSPA施設に充満しています。自然の光と緑、心地よく差し込む日差しの中での本格SPAは最高の思い出になるはずです。
「バワは未来を予想して植物を植えた」とホテルマンが説明してくれました。自然にツタがホテルを覆っているのではなく、バワが今のようなかたちになることを狙ってツタを植えたことにも注目しましょう。
「数十年後に植物が育ってホテルが今のようになる」と想像していたバワは、ホテル建築の常識を覆した鬼才であったことは間違いありません。
ヘリタンスカンダラマには7つの部屋タイプがあります。大きく分けるとダンブッラウィングとシーギリヤウイングの2エリアがあり、さらにシャワーのみの部屋、バスタブ付きの部屋、ジャグジー付きの部屋があり数種類のスイートルームがあります。
イチオシの部屋タイプは、シーギリヤウイングのデラックスルームジャグジー付き。
昼間、ジャグジーでまったり過ごすのがヘリタンスカンダラマの極上のひとときではないでしょうか。
ヘリタンスカンダラマ独特の部屋タイプの呼び方には注意が必要です。旅行代理店のスタッフもよく間違えてしまいます。「ラグジュアリールーム」がバスタブ付きで「デラックスルーム」がジャグジー付きの部屋になります。
通常のホテルはデラックスルームよりラグジュアリールームの方がランクが上ですが、ヘリタンスカンダラマは逆です。ラグジュアリールームよりデラックスルームの方がランクが上になります。
また何も指定しないベーシックな部屋はスーペリアルームになり、バスタブがなくシャワーのみになります。
バワ建築のホテルでの楽しみはこちら、バワが愛した場所にある椅子です。ヘリタンスカンダラマに限らず、生前バワが好きだった場所に今でも椅子が置いてあります。ヘリタンスカンダラマはカンダラマ湖の先にシーギリヤロックがちょこんと見えるこの景色を愛していました。
座ってはいけないなどの規制は一切ありませんので、この椅子に座って景気を見てください。そしてバワのこと、ヘリタンスカンダラマのこと、スリランカのこと想ってください。
ヘリタンスカンダラマを楽しむコツをまとめます。
1.可能であれば2泊以上してください。1泊の場合でも15時頃チェックイン翌日12時チェックアウトなどホテルでの滞在時間を十分とって、ホテルの端から端まで探検しましょう。
2.ホテルにある家具や調度品をしっかりチェック。バワお気に入りの芸術家の作品です。
3.SPAを1回は体験しましょう。
4.部屋のランクはちょっと豪華にデラックスルームジャグジー付きを指定。
ヘリタンスカンダラマをより深く知りたい方は、ヘリタンスカンダラマに宿泊する前に、コロンボにあるバワの自宅兼オフィスだった「Number11」の見学をおすすめします。椅子やレストランの入り口の取っ手など、ヘリタンスカンダラマで採用された調度品やデザインを見ることができます。
世界遺産の観光地より見応えがあるかもしれないヘリタンスカンダラマ。宿泊施設というより、旅のメインの観光地という気持ちでホテルライフを楽しみましょう。
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(2024/9/9更新)
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