フィレンツェ駅前に建つ「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」は見所満載!

フィレンツェ駅前に建つ「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」は見所満載!

更新日:2025/11/04 14:07

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
「花の都」と称される世界遺産の町フィレンツェ。ルネッサンスの栄光を今に伝える、見所がギュッと詰まった美しい町並みが広がります。

この町の出入口となる鉄道駅前に堂々と建つのが「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」。駅名にもその名が使われる当教会は、寄せ木細工のような美しい正面ファサードだけでなく、内部には名だたる巨匠たちの見逃せない芸術品や内装がびっしり!どこを見ても目を瞠るばかりの観光スポットです。

鉄道駅と広場に挟まれた「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」

鉄道駅と広場に挟まれた「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」

写真:Hiroko Oji

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ドゥオーモやウフィツィ美術館などといった有名観光スポットがギュッと詰まった世界遺産の町フィレンツェ。この町への出入り口ともなる鉄道駅はフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅といって、駅名にもその名が使用されているのが「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」です。

駅舎を出て、駅前広場を挟んで見えるのがサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。またぐるりと回りこんだ南側に面しているのが、広々としたサンタ・マリア・ノヴェッラ広場。年末になると大きなクリスマスツリーが設置され、控えめながら10軒近くのクリスマスマーケットの屋台が開かれる広場です。

鉄道駅と広場に挟まれた「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」

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正面ファサードは、ルネサンスを代表するレオン・バッティスタ・アルベルティが設計した白、緑、ピンクの大理石を用いた幾何学的な模様が美しいもの。トスカーナ地方を代表するゴシック建築の教会です。

着工は1350年頃、トゥリーノ・デル・バルデーゼの遺産をもとに、ファサード下部が白色と緑色の大理石により化粧されたことに遡り、上部の丸窓は1367年に設置されました。その後、裕福な商人が建築家レオン・バッティスタ・アルベルティにファサード計画を委嘱し、1458年〜1478年、ファサードの残りの部分が色大理石に覆われたのです。 上部アーキトレーブにはジョヴァンニ・ルチェッライの名と完成時期1470年を表すラテン語銘文が刻まれました。また、ファサードを飾る『聖母戴冠と踊る天使たち』を表すバラ窓は、1365年〜1367年に制作されたものです。

鉄道駅と広場に挟まれた「サンタ・マリア・ノヴェッラ教会」

写真:Hiroko Oji

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建物はゴシックと呼ばれる、13世紀にフランスから伝わった様式。高い天井の真ん中には先が尖った尖頭アーチが続き、列柱で3身廊に分けられ、多くの信者を収容できる広々とした柱廊が特徴です。

フィレンツェで最初のゴシック建築教会であり、現在の建物は1279年竣工という教会内は奥行きがあり、左右の壁には絵画や色鮮やかなステンドグラスが飾られたたくさんの祭壇が並びます。主身廊中央の天井から吊り下げられているのは、ジョット作の十字架像『磔刑図』。15世紀の作品です。

貴重な作品が残る教会内

貴重な作品が残る教会内

写真:Hiroko Oji

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この教会にはジョットやブルネレスキをはじめマサッチョ、ミケランジェロ、ギルランダイオ、ボッティチェッリ、ヴァザーリなど名だたる芸術家による貴重な作品が集められています。

身廊の最奥にある主祭壇の背後にあるのがトルナブオーニ礼拝堂。中央の十字架はジャンボローニャの作品で、ステンドグラスはギルランダイオ(ミケランジェロの先生)作『聖母マリアの生涯』。正面と左右の壁には同じくギルランダイオの代表作であるフレスコ画が4連作でびっしり3つの壁面を覆っています。

貴重な作品が残る教会内

写真:Hiroko Oji

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主祭壇のお隣、右翼廊にあるのがフィリッポ・ストロッツィ礼拝堂です。

正面にあるのは14世紀〜15世紀にかけて制作されたステンドグラスのうち、重要な作品『聖母子もしくは聖ヨハネ』と『聖ピリポ』。両作品共にフィリッピーノ・リッピにより制作されました。祭壇には、ベネデット・ダ・マイアーノの彫刻であるフィリッポ・ストロッツィの斑岩の墓があり、その上には大理石レリーフの聖母子が置かれ、周りを取り囲む壁には1487年〜1502年のフィリッピーノ・リッピによるフレスコ画が描かれています。

貴重な作品が残る教会内

写真:Hiroko Oji

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このサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のいくつかの助祭壇では、反宗教改革の決定にしたがった改築で破壊されてしまう運命だった作品が、ジョルジョ・ヴァザーリの活動によって壁の中に保存されることになりました。そのおかげで現在の我々も、蝶番がついて可動式になった通常の祭壇画の裏の作品をも鑑賞できるのです。

そのうちのひとつが写真の助祭壇の絵画。フィレンツェの芸術家ブルーノ・ディ・ジョヴァンニの1330年頃の作品で、左から、聖バルバラ、アレッサンドリアの聖カテリーナ、聖ジョルジョ(右端なので前の新しく掲げられた絵画で隠れています)が描かれています。また、マザッチョのフレスコ画『三位一体図』も後ろの壁に保存されていたおかげで現在も目にすることができます。

見応えある3つの回廊

見応えある3つの回廊

写真:Hiroko Oji

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敷地内には緑の回廊、死者の回廊、大回廊という3つの回廊が設置されていて、とても物静かに厳かに過ごせる空間となっています。

緑の回廊「キオストロ・ヴェルデ」は1332年〜1350年頃にかけて、フラ・ヤコポ・タレンティによって建てられ、創世記の歴史、洪水、パオロ・ウッチェロによるノアの酩酊のグリサイユフレスコ画があり、八角形の柱をツートンカラーの切石を模倣して塗装されたリブアーチがつないでいます。

見応えある3つの回廊

写真:Hiroko Oji

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死者の回廊は、1333年の洪水の被害を修復するためにフラ・ヤコポ・タレンティが監督した工事の後、1337年〜1350年建造。この数年間に、アンドレア・オルカーニャやナルド・ディ・シオーネなど重要なフィレンツェの画家による最初のフレスコ画の装飾が行われました。壁面にはフレスコ画の他にもレリーフや墓標・墓石が残されています。

見応えある3つの回廊

写真:Hiroko Oji

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出口に近い大回廊は市内で最大の回廊で、反宗教革命の考えに沿った図像のフレスコ画が壁を覆います。これらは、1562年〜1592年にかけてフィレンツェの芸術家ポチェッティ、サンティ・ディ・ティト、アレッサンドロ・アッロリ、ルドヴィコ・ブティらが描いたものです。

スペイン礼拝堂

スペイン礼拝堂

写真:Hiroko Oji

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緑の回廊の北側にある礼拝堂の一つスペイン礼拝堂は、主にスペイン人らが集まっていたのでこう呼ばれる礼拝堂。1343年〜1355年にフラ・ヤコポ・タレンティにより建設され、1367年〜1369年にかけてアンドレア・ボナイウートのフレスコ画が壁と天井全面に施されました。

入り口の反対側の壁(写真)には、『カルバリーへの登り』(左)、『磔刑』(中央上) 『地獄への降下』(右)が描かれています。

スペイン礼拝堂

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3面に描かれたフレスコ画は、キリストの受難やイエスの死と復活、ドミニコ会の使命が、そして入り口の壁には、13世紀半ば頃にフィレンツェで説教に積極的に取り組んでいたヴェローナの聖ペテロの生涯の出来事がテーマとなっています。

スペイン礼拝堂

写真:Hiroko Oji

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ヴォルト天井の『復活のベール』(写真)『サンピエトロのナビセラの帆』『ペンテコステセイル』『アセンションベール』の4枚のフレスコ画も目を惹く作品です。

博物館部門も必見

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写真:Hiroko Oji

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かつての食堂として使われていたスペースには博物館が入っていて、聖遺物箱、絵画などの宗教的な品物が展示されています。

博物館部門も必見

写真:Hiroko Oji

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陳列ケースには、教会の宝物室としての展示品がずらり。豪華な眺めです。

博物館部門も必見

写真:Hiroko Oji

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法衣や胸像、絵画にも目を奪われます。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、鉄道駅前に位置しているため訪問しやすいロケーションです。しかしながら、多くの観光客はドゥオーモ広場を目指すため、穴場的存在となる教会で、ゆっくりのんびり素晴らしい芸術品を鑑賞できます。ぜひ、中心地との往復の途中でお立ち寄りくださいね。フィレンツェカード利用で無料入場できますよ。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の基本情報

住所:P.za di Santa Maria Novella,18,50123 Firenze FI
電話番号:+39-055-219257
開場時間:
(月〜木)9:00〜17:30
(金)11:00〜17:30
(土)9:00〜17:00
(日)13:00〜17:00

2025年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2024/12/09−2024/12/12 訪問

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