京都「重森三玲庭園美術館」モダンな庭園と歴史ある建築の融合

京都「重森三玲庭園美術館」モダンな庭園と歴史ある建築の融合

更新日:2025/12/01 13:22

島塚 渓のプロフィール写真 島塚 渓 トラベルライター
重森三玲(しげもりみれい)庭園美術館は、京都市の出町柳(でまちやなぎ)駅から徒歩15分ほどの静かな住宅街にあります。昭和を代表する庭園家である重森三玲の邸宅のうち2006年から書院・枯山水庭園・茶室を予約制で一般に公開しています。国の登録有形文化財となっている貴重な建物とモダンな庭園は必見なので、ぜひ実際に足を運んでみてください。

モダンな庭園を特徴とする重森三玲が暮らした邸宅

モダンな庭園を特徴とする重森三玲が暮らした邸宅

写真:島塚 渓

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昭和を代表する作庭家の重森三玲が晩年を過ごした邸宅のうち、書院・庭園・茶室が美術館として一般公開されています。重森三玲は、昭和18年(1943年)に吉田神社の神官から土地と建物を譲り受けると、庭園の整備や茶室の建築を開始します。数回に分けた工事を経て、昭和45年 (1970年)に造園が終わり、細部までこだわり抜いた美しい邸宅が完成します。

モダンな庭園を特徴とする重森三玲が暮らした邸宅

写真:島塚 渓

重森三玲がデザインした庭園は「永遠のモダン」と呼ばれ、時代を超えても色あせることのない斬新さと普遍的な美しさを備えています。

庭園の研究者としても活躍した重森三玲は古今の庭園の実測調査を行っており、膨大な経験と斬新なインスピレーションで東福寺の方丈庭園や岸和田城の八陣の庭など多くの傑作を生み出しました。自宅の庭園も力強い石組とモダンな苔の地割りが特徴的な枯山水庭園で、晩年の代表作として知られています。

書院と庭園は必見

書院と庭園は必見

写真:島塚 渓

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書院は江戸時代の寛政元年(1789年)に建造され、歴史と趣のある雰囲気を体感できます。書院内部から鑑賞する庭園は、苔の地割りと勇壮な石組みがいっそう見事に映え、美術館を代表するビュースポットです。書院の正面には以前住んでいた神官が吉田神社を拝むため使用した平たい礼拝石が置かれており、もとの石材を活かした重森三玲らしい作庭となっています。

書院と庭園は必見

写真:島塚 渓

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美術館の庭園では、白砂で海や水の流れを表し、苔と石で島を表現しています。礼拝石の周りには、蓬莱(ほうらい)・方丈(ほうじょう)・壷梁(こりょう)・瀛州(えいしゅう)という仙人が住むとされる4つの島が配置されています。仙人は神仙思想に基づく長寿や不老不死の象徴とされており、亀島や鶴島などとともに枯山水庭園の重要なモチーフとなっています。

書院と庭園は必見

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庭園の石材には、阿波の青石と呼ばれる徳島県産の緑泥片岩(りょくでいへんがん)が多く使われています。暗緑色で縞模様が美しく、雨に濡れるとツヤがでるという特徴から、古くから庭園の石材として重宝されてきました。重森三玲はこの貴重な石材を好んで使用し、松尾大社の境内には阿波の青石を200個以上も使用した松風苑(しょうふうえん)という庭園を造園しています。

モダンな意匠も見逃せない

モダンな意匠も見逃せない

写真:島塚 渓

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重森三玲庭園美術館では茶室の好刻庵(こうこくあん)も公開されています。襖の大胆な波のデザインは、桂離宮の松琴亭にある青と白の市松模様を参考にしたとされています。他にも襖の取手・欄間・釘隠など多くの意匠を重森三玲がデザインしており、修学院離宮や曼殊院などの王朝文化の建築や調度品の影響を受けています。

モダンな意匠も見逃せない

写真:島塚 渓

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書院の縁側の下には、曲線で波打ち際を表現した洲浜があります。洲浜模様は重森三玲が好んで庭園に取り入れた意匠であり、敷石には花崗岩の一種の丹波鞍馬石が用いられています。石材の隙間はベンガラを混ぜた朱色のセメントで塗り固められており、丹波鞍馬石の独特の鉄錆色と青色を帯びた阿波の青石とのコントラストが非常に印象的です。

重森三玲庭園美術館の基本情報

住所:京都府京都市左京区吉田上大路町34-22
料金:
庭園・書院入室・茶室入室見学1500円(10月、12月〜3月の週末開催予定)
庭園・書院入室・茶室の内部を外から見学1200円(10月、11月、12月〜3月開催予定)
庭園・書院・茶室ともに内部を外から見学1000円(4月〜9月)
拝観時間:事前申込みで指定
アクセス:
京阪電鉄「出町柳駅」下車徒歩15分
市バス「京大正門前」下車徒歩5分

2025年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2023/11/18 訪問

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