写真:大竹 進
地図を見るドブロヴニク旧市街の背後には、標高412mのスルジ山があり、中腹まで登ると旧市街を一望する事ができます。
半島の様に突き出した旧市街は、白い城壁とオレンジ色の屋根が見事なコントラストを見せ、紺碧のアドリア海に映えて、まるで一枚の風景画を見る様です。
この美しい景色を見ていると、ここが1991年に始まったセルビアとの独立戦争の主要舞台となり、一時は「危機にさらされている世界遺産」に載るほど破壊されたとはとても思えませんが、現在は見事に修復され、かつての姿を取り戻しています。
スルジ山には山頂までロープウェイがあり、先の独立戦争で破壊されましたが、2010年に再建され、以前の様に運行されています。(運行時間9:00〜21:00、往復料金80クーナ)
写真:大竹 進
地図を見る城壁に囲まれた旧市街への入口は、西のピレ門、北のブジャ門、東のプロチェ門の3ヵ所ありますが、メインゲートとしては観光案内所やバス停があるピレ門になります。
そのピレ門を入ると、東西に真っ直ぐ約200mに亘って延びているのが、プラツァ通りです。
自分の姿が映るほどピカピカの路面に驚かされますが、通りの両側にはショップやカフェが軒を連ねています。
夜ともなると、この通りを始め、広場や港、露地など、そこかしこにテーブルが並び、アドリア海のシーフードや様々な料理を堪能できる、魅力的で洒落たレストランが、世界各国の人々を迎え入れています。
気に入ったレストランを見つけて、どうぞ旅の思い出作りをして下さい。
写真はプラツァ通りの東端にあるルジャ広場付近から、西側のピレ門方向を見たところですが、前方の塔はクロアチア国内最古の薬局があるフランシスコ会修道院(拝観時間4月〜10月9:00〜18:00、11月〜3月9:00〜17:00、拝観料30クーナ)の鐘楼です。
写真:大竹 進
地図を見るドブロヴニクとはスラブ語の名称で、ラテン語ではラグーサと言います。
右手の優美なアーチがが連なる建物は、ドブロヴニクがかつてラグーサ共和国として栄えた時代、総督邸として15世紀初めに建てられたものです。
総督の住居以外に、評議会や元老院などの機関も集まったドブロヴニクの心臓部でしたが、現在は文化歴史博物館になっています。(開館時間9:00〜18:00、入場料35クーナ)
総督邸の西側には旧港があり、この港に世界各地を結ぶ交易船が集まり、ドブロヴニクに繁栄をもたらしていました。
正面奥の建物はスポンザ宮殿で、16世紀に建てられた頃は税関の様な役割をしていました。
1667年の大地震の被害を受けなかった数少ない建物で、現在は古文書館となっています。(夏期開館時間10:00〜22:00、冬期開館時間10:00〜18:00、入場料20クーナ)
宮殿の前がルジャ広場で、メインストリートのプラツァ通りが広場の左側から始まっています。
背後に見える山が、ドブロヴニク全景を眺めるには最適のスルジ山です。
写真:大竹 進
地図を見る旧市街を取り囲む城壁は遊歩道になっていて、全長1940m。さっと歩けば1時間程度で一周できますから、ドブロヴニクを訪れた際は是非歩いてみて下さい。
この城壁が最初に築かれたのは8世紀ですが、15〜16世紀にかけて今のような形になりました。
遊歩道は反時計回りの一方通行で、遊歩道への入口は西側のピレ門の脇、港の南側にある聖イヴァン要塞、北西のレヴェリン要塞の3ヵ所です。(入場時間4月〜10月8:00〜18:00、11月〜3月10:00〜15:00、入場料70クーナ)
城壁は最も高い所で25mもあり、数ヵ所ある要塞や見張りの塔を結んでいます。
写真は城壁の中で最も高い位置にあるミンチェタ要塞から見下ろしたところですが、オレンジ色の屋根で埋め尽くされた旧市街が、目の前一杯に広がり、圧巻です。
屋根瓦が新しく見えるところは、1991年から始まったセルビアとの独立戦争の際損傷を受け、その後修復したところで、多くの家々が攻撃を受けた事を改めて思い知らされます。
城壁の先には旧港が見えますが、こんな小さな港にかつては世界各地から交易船が集まっていたとは、中々想像ができません。
港の右奥に見えるのが、城壁の遊歩道への入口の一つである聖イヴァン要塞ですが、この要塞の2・3階に海洋博物館があり、ドブロヴニクの歴史を海洋史の側面から紹介しています。(夏期開館時間9:00〜19:00、冬期開館時間9:00〜13:00、冬期の日曜は休館、入場料35クーナ)
また1階には小さな水族館があります。(夏期開館時間9:00〜18:00、冬期開館時間9:00〜14:00、冬期の日曜は休館、入場料30クーナ)
沖合に見える島はロクルム島で、美しいビーチがあり、夏期には旧港から船が出ています。(ボート運航期間5月〜9月、30分〜1時間間隔で運航、往復35クーナ)
写真:大竹 進
地図を見る3ヵ所ある旧市街への入口の中で、メインゲートとなるピレ門は、とても堅固な造りになっていて、城壁の外側に堡塁(ほうるい)を設け、更に空堀には跳ね橋が架けられ、敵の侵入を防いでいました。
城門の入口には、中世の衣装をまとったイケメンの衛兵が、槍を持って立っている事もありますから、シャッターチャンスをお見逃しなく。
このピレ門の脇からも、城壁に登る事ができます。
入江の向こうに見えるのは、ロヴリイェナツ要塞で、城壁の入場料にこの要塞の入場料も含まれています。
旧市街の城壁の南半分は海に面しているため、この区間を歩くと、南側にはアドリア海の青、北側には屋根瓦のオレンジ色が、見事なコントラストを作り上げていて、素晴らしい眺めが左右に続きます。
ドブロヴニクは、アドリア海や地中海クルーズの代表的な寄港地にもなっているので、10万トン前後の巨大な豪華客船の姿を眺められる事も結構あります。
「次はアドリア海クルーズで訪れたい」、そんな事を考えながら城壁を散策するのも良いですね。
ドブロヴニクは、7世紀に誕生して以来、貿易により発展し、ラグーサ共和国として栄えてきましたが、1667年の大地震によって壊滅的な被害を受け、その後衰退していきました。
長い歴史の中で、周囲の大国に支配された事も多くありましたが、1991年からのセルビアとの独立戦争の結果、クロアチア共和国が誕生し、現在に至っています。
今もなおアドリア海の真珠として魅力的な輝きを放ち、世界各国の人々を魅了して止まない街ドブロヴニク。
民族や国家の興亡を見つめてきた城壁や街並み、そんな歴史に思いを馳せて、旧市街の由緒ある王宮や教会を訪れ、そして入り組んだ路地で、現代に生きる人々の生活の匂いを感じてみては如何でしょうか?
印象に残る旅になること間違いなしです!
尚、クロアチアの通貨はクーナと言い「Kn」で表されます。
2014年7月10日現在のレートは1クーナ約18円です。
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(2024/4/19更新)
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