世田谷「玉電と郷土の歴史館」〜個人が守り続ける「玉電」の面影

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世田谷「玉電と郷土の歴史館」〜個人が守り続ける「玉電」の面影

世田谷「玉電と郷土の歴史館」〜個人が守り続ける「玉電」の面影

更新日:2014/07/10 17:12

池口 英司のプロフィール写真 池口 英司 フリーライター、フォトグラファー 日本写真家協会(JPS)会員

「玉電」。今は廃止された東京急行の路面電車・玉川線のことを、昔のことを知っている人は、親しみを込めてそう呼びます。昔「玉電」の線路が延びていた場所のすぐ脇に、当時の姿を残すべく、個人が運営する「玉電」の博物館がオープンしたのは、2011(平成23)年12月のこと。入場無料の小さな博物館には、懐かしい「玉電」の思い出がぎっしりと詰められています。

昔の蕎麦店の一部を改造して博物館に

昔の蕎麦店の一部を改造して博物館に

写真:池口 英司

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玉川線は、渋谷と二子玉川を結ぶ東京急行(東急)の路面電車で、他に三軒茶屋と下高井戸を結ぶ路線と、二子玉川と砧を結ぶ路線があり、気楽に利用できる住民の足して親しまれていました。しかし、クルマの増加によって路面電車は不要の存在と捉えられるようになり、玉川線は、現在は「世田谷線」と呼ばれるようになった三軒茶屋―下高井戸間を除いて廃止されてしまいます。1969(昭和44)年5月11日のことです。

徐々に人々の記憶から消えてゆく「玉電」の歴史を後世に伝えようと、自身が経営する蕎麦店の一部を改造し、ミニ博物館としてオープンさせたのが大塚勝利さん。ここは蕎麦店の時代から、客席に路面電車の運転台が置かれている店として名を馳せていましたが、2011(平成23)年に蕎麦店としての営業を終え、かつてのコレクションスペースを整備して、個人運営の博物館「大勝庵 玉電と郷土の歴史館」としてリニューアルオープンを果たしました。館内は、写真のように、大塚さんのコレクションがぎっしりと並んでいます。

実際に使用された電車の運転台も

実際に使用された電車の運転台も

写真:池口 英司

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大塚さんの趣味人生の転機となったのが、ちょっとしたきっかけから、玉川線で運転されていた71号電車の運転台を譲り受けたことでした。路面電車のものとはいっても、運転台というのは大きなものです。他に保存する場所もなく、自身が経営する蕎麦店の入口近くに電車の運転台が鎮座することになりました。以来、この「大勝庵」は、「電車の運転台がある蕎麦店」として、知る人ぞ知る存在になったのです。71号の運転台は、今も昔と変わらない場所に置かれ、このミニ博物館のシンボル的存在となっています。

玉川線の貴重な記録を数多く保管

玉川線の貴重な記録を数多く保管

写真:池口 英司

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館長の大塚さんは、自身を「ガチガチのマニアではないし、専門用語などは解らない」と仰います。それでも、玉川線に寄せる思いは人一倍。館内に保管されている史料には、現役時代の玉川線の姿を語る貴重なものも数多く、マスコミからの情報提供の依頼も多いのだといいます。この博物館の入館料は無料。今は、訪ねてくれたお客さんと交流ができることが無二の楽しみだと、大塚さんは仰います。

郷土の歴史を物語るアイテムの多数陳列

郷土の歴史を物語るアイテムの多数陳列

写真:池口 英司

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大塚さんの趣味の範囲は鉄道だけにとどまらず、アルゼンチンタンゴの鑑賞や、昭和時代を物語るレトログッズの収集にも情熱が注がれています。レトログッズは期間限定の形で随時展示され、いつ行っても同じ物が並んでいるようなことにならないよう留意されているのだとか。写真右のヘッドライトも、かつて実際に使用されていたもの。今はコンセントを差し込むと点灯するようになっています。

かつての線路跡は、今は遊歩道に

かつての線路跡は、今は遊歩道に

写真:池口 英司

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博物館、つまりかつての蕎麦店のすぐ裏に、「玉電」の線路跡があり、ここは今、遊歩道として整備されています。写真に写っているのは古レール利用のガードと、タイル絵。大塚さんが蕎麦店を開業する直前に、路面電車が廃止されてしまったのだそうです。

大勝庵 玉電と郷土の歴史館
世田谷区玉川3-38-6 第二玉川グランドハイツ1F 
(東京急行電鉄 二子玉川駅下車 徒歩7分)
開館日 :火・木・土・日(不定休 12月27日〜1月5日は休館)
開館時間:10:00〜15:00
入館料 :無料
電話  :080(1227)6158 (開館時間内のみ受付)

路面電車の思い出話をここで

館内には貴重な史料、お宝グッズが所狭しと並んでいます。昔を偲ぶ路面電車の思い出話を楽しみに、あるいは世田谷の歴史調査に、是非「大勝庵 玉電と郷土の歴史館」を訪ねて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/08 訪問

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