日本版モアイ!?変顔続出の兵庫県加西市・北条の五百羅漢

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日本版モアイ!?変顔続出の兵庫県加西市・北条の五百羅漢

日本版モアイ!?変顔続出の兵庫県加西市・北条の五百羅漢

更新日:2014/07/14 17:51

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

モアイといえば、チリ・イースター島の石造彫刻のこと。しかし、そんなイースター島のモアイを彷彿させる石像群が日本にも存在します。兵庫県加西市に残る北条の五百羅漢です。本物のモアイほどの大きさはない代わりにそれぞれに異なる表情を見せ、変顔続出!その個性あふれる表情に魅了されること、間違いありません!北条の五百羅漢を拝みに、この夏、ぶらりと旅に出てみませんか?

愛すべき素朴さ、稚拙さ!ユニークな顔がひしめく羅漢寺境内の五百羅漢

愛すべき素朴さ、稚拙さ!ユニークな顔がひしめく羅漢寺境内の五百羅漢

写真:乾口 達司

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最寄り駅は、JRや神戸電鉄と接続する粟生駅と北条町駅とを結ぶ北条鉄道の終着駅・北条町駅。五百羅漢は駅の西方に位置する羅漢寺の境内にひっそりたたずんでいます。羅漢とは「阿羅漢」の略称。仏教の世界において人々から尊敬を集め、施しを受けるに相応しい聖人のことを意味します。なかでも、五百羅漢はブッダに付き従い、仏教に深く帰依した500人の弟子たちのことを指しています。後世、日本においても五百羅漢像は数多く作られますが、羅漢寺の五百羅漢もそのうちの一つ。しかし、羅漢寺の場合、いったい、いつ、誰が、どのような目的で五百羅漢を刻んだのか、まったくわかっていません。

その由緒来歴は置くとして、この個性的な表情、みなさんはどのような印象を持たれるでしょうか。中央で活躍した名のある仏師だけが持つ高度な造形性は、ここにはありません。しかし、その代わり、表情には、稚拙であるがゆえに親しみを感じさせる素朴さがあふれています。人によっては何てシュールなんだ!という印象さえ抱くかも知れませんね。むしろ、私たちがイメージする石仏一般とは大きくかけ離れたその個性的な表情にこそ、北条の五百羅漢が放つ最大の魅力があるといえるでしょう。

知ってる顔、ありますか?一体ずつ表情の異なる造型

知ってる顔、ありますか?一体ずつ表情の異なる造型

写真:乾口 達司

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ご覧のように、その大半が同一方向を向いて並べられています。その配列方法もイースター島のモアイを連想させますよね。角柱状の石柱から頭部の掘り出しがなされていること、首から下は石柱のまま残されていることなど、造型に共通性が見られることから、その多くが同一の作者あるいは特定の造形性を共有した集団によって造型されたと考えられています。しかし、よく見ると、共通する造形性のなかにそれぞれ個性がにじんでいることが見て取れるはず。なかでも、私が注目したいのは、一体ずつ、その表情が異なっていること!
古くから「親が見たけりゃ北条の西の五百羅漢の堂にござれ」とうたわれており、それぞれ表情の異なる五百羅漢のなかには、身のまわりにいる人に似た顔が必ずあるといわれています。本当にご家族やお知り合いの顔があるのかどうか、一体ずつ確かめながらめぐってみるのも面白いでしょう。ひょっとすると、ご自身の顔を発見するかも知れませんよ。

こんな笑い顔も!表情豊かな羅漢たち

こんな笑い顔も!表情豊かな羅漢たち

写真:乾口 達司

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仏教に深く帰依する羅漢にふさわしく、羅漢の多くはあまり喜怒哀楽を顔を表さず、静かにたたずんでいます。しかし、なかには、真ん中の一体のように明らかに歯を見せて笑っているものもいます。鼻の下を長く伸ばしているせいで、見る人によっては、どこか野卑な印象さえ抱くのではないでしょうか。羅漢をこのような人間味あふれる表情で造型しているのは、当寺の特徴であるといえるでしょう。

さらに見逃せないのは、多くのものが頭を丸く剃った状態で作られているなか、左右の羅漢のように、髪を生やしているものが散見されること。ほかにも、烏帽子のようなものをかぶっている羅漢もおり、頭部を見比べるだけでもさまざまな発見があることでしょう。

これはかなり変顔!どんぐり眼や憂い顔

これはかなり変顔!どんぐり眼や憂い顔

写真:乾口 達司

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その多くは切れ長の目を持ち、無表情のまま、屹立しています。しかし、すべてがすべて、切れ長の目をしているわけではありません。なかには、写真のような表情の羅漢も立っています。右手の羅漢の場合、目を大きく見開いており、明らかにほかのものとは造型が異なります。左手の憂い顔も同様。像高もほかのものの半分くらいしかないため、もしかしたら、別の作者によって造られたものかも知れませんね。

稚拙な手の意匠にも注目!笑いを誘うアンバランスな造型

稚拙な手の意匠にも注目!笑いを誘うアンバランスな造型

写真:乾口 達司

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その表情だけでなく、首から下の体部にも目を向けましょう。よく見ると、体部にはちゃんと手も刻まれているのです。その意匠も羅漢によって異なり、写真のように何かを手にしているもののほか、両手を合わせてお祈りしているものなど、さまざま。頭部と手の大きさのアンバランスな組み合わせがユーモラスで、微笑ましく感じられませんか?

おわりに

北条の五百羅漢がいかに魅惑的な造型なのか、おわかりになったのではないでしょうか。もちろん、ここで紹介したのは、ほんの一部。ほかにも、魅力的な表情や意匠の羅漢が数多く立っているため、ぜひ、ご自身の目で個性豊かな日本のモアイたちを堪能してみてください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/06 訪問

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