近年、世界中で和食ブームが起こり、日本酒がワイングラスで飲まれる時代になってきました。ワイングラスで飲むことにより、お猪口では分からなかった日本酒の持つ繊細な香りや微妙な色付きが新たに発見された結果、最近では日本の女性が気軽にワイングラスで日本酒を楽しむ光景が増えてきています。
2014年に最高金賞(メイン部門)を受賞したのが今治にある蔵元・八木酒造部製造の「山丹正宗(やまたんまさむね)吟醸酒」です。愛媛県産米の松山三井を100%使用し、水は自社採取の地下水を使用。高縄山系の中軟水がキレの良さを産み、味は淡麗辛口タイプの仕上がり。ANA国際線ファーストクラスで採用されている吟醸酒は、飲みやすくすっきりとした薫り高いお酒です。あっさりとした魚介のお刺身やマリネなどにぴったり!
写真は八木社長自らのご出演。「事前予約を頂ければ工場内を案内させていただきます」との事(繁忙期を除く)で、来場者にはうれしい「試飲も可能」だそうです!「最高金賞以外にもおいしいお酒があるので、どうぞお気軽にお越しください」とのこと。
「酒どころ=寒冷地」というイメージがありますが、実は愛媛は隠れた酒どころ。数々の賞を毎年のように獲得する愛媛の蔵元は全国トップレベルの酒造りの技術力です。その起源は戦国時代後期。その後、全国的にも有名な越智杜氏、伊方杜氏など多くの技術者を輩出、その伝統と技術は脈々と受け継がれ、現在、愛媛県内には45の蔵元が存在します。
2013年に続いて2014年も金賞(大吟醸部門)を受賞したのが松山市柳原にある蔵元・雪雀酒造製造の「雪雀(ゆきすずめ)純米大吟醸」です。お米は兵庫産の厳選された山田錦、水は高縄山系の中硬水を使用。低温長期発酵の吟醸造りによるフルーティーな香りと、繊細かつ力強い味わいの吟醸酒です。なお雪雀の名づけは、交流があった木堂・犬飼毅首相であることも押さえておきたいポイントです!
写真は猪野(いの)社長。
「雪雀のこだわりは、『酒の味を決めるのは、麹米である』という総杜氏の考えから、すべての麹米に酒造好適米を使用、麹造りに一番のポイントを置いています。」との事。場内見学も受付中で事前予約が必要(繁忙期除く)。試飲もできるそうです!
平野が少なく急峻な土地が続く愛媛は、東から東予、中予、南予に分かれ、それぞれ独自の風土が根付いたことで、お酒も地域の特色があります。東予は淡麗ですっきりとしたお酒。中予は淡麗で旨みのあるお酒。南予はどっしりとした味わいのあるお酒で、総じて愛媛のお酒は、瀬戸内の白身魚を中心とした淡泊な食文化に合うよう、少し甘みがあり、旨みを感じるお酒であると言われています。
2014年に金賞(メイン部門)を受賞したのが松山市溝辺にある蔵元・栄光酒造製造の「松山三井(まつやまみい)純米吟醸」です。愛媛県産米の松山三井を100%使用し、水は高縄山系湧ヶ淵の伏流水。淡麗な味わいの中に、ふくよかな旨みのただよう贅沢な美酒です。なおこのお酒は数々のコンテストで受賞歴があり女性に人気のあるお酒です。
写真右側にある梅酒「蔵元の梅酒」。
栄光酒造では梅酒づくりにも力を注いでいます。愛媛県産の南高梅を本格米焼酎と、高縄山系湧ヶ淵の名水で仕込んだ本格梅酒。味は甘さが控えめでスッキリとした味わいの梅酒です。
場内見学はグループ単位で事前予約があれば対応可能(ただし繁忙期は除く)とのこと。もちろん試飲も可能です。
2013年度に新酒鑑評会で金賞を受賞したのが松山市道後にある蔵元・水口酒造製造の「仁喜多津(にきたつ)大吟醸酒」です。お米は兵庫産の山田錦を使用、仕込み水は地元・熟田津(にきたつ)の軟水です。フルーティーな味わいと独特の香りが特徴で、大吟醸ならではの華やかな仕上がりです。
一方で酒造りのノウハウは、道後ビールや道後サイダーの製造など他の製品にも生かされ、道後を訪れる観光客に人気の商品となっていて、それらの製品は工場に隣接する販売所で買う事ができます。
また明治幼期に開業した当時の風情ある建物をそのまま残し、ショールームとして再利用。酒造りに使用された甕や荷車などを展示、当時の面影を偲ぶ事ができます。
水口酒造では地元の要望に応えるために、自社内に湧き出る熟田津の良水を一般に開放、会員になればいつでも水汲みが可能で、平日でも空のタンクを抱えた市民が列を作って並んでいます。
工場内はビール工場のみ見学が可能ですが事前予約が必要です。
併設する「にきたつ庵」は昼夜を問わず女性に人気の食事処となっています。
「愛媛のおいしい地酒あります」をコンセプトに、県内の蔵元28社150銘柄以上の地酒を取り揃えたアンテナショップは松山市中心部(大街道)のすぐそばに位置しています。
気軽に日本酒を楽しもう!をテーマに旅行者のみならず、地元の若者、サラリーマン、お年寄りまで、男女を問わず散歩感覚で立ち寄れるお店なのです。
店内は「立ち飲み形式」でテーブルのみが配され、テーブルは酒樽のフタをひっくり返して使用中!一杯100円からのワンコインバーでおつまみもあります。気に入ったお酒はその場で瓶ごと買えます。
また豊富な知識を持った店長さんが丁寧に教えてくれるので、初めての方でも安心して自分好みのお酒を探すことができます。きっとお気に入りのお酒が見つかるはずです!もちろん今回紹介できなかったほかの蔵元の美酒も皆さんを待っています。
伊予の女酒と言われるように、穏やかな気候風土で育ったえひめの地酒は優しい味が自慢です。
どうぞこの機会に蔵元たちの「渾身の一滴」に出会う旅、えひめの蔵元に足を運んでみてください。
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