写真:大宮 つる
地図を見るこちらのお寺は「吉見観音」として親しまれていますが、正式名称は「岩殿山安楽寺」といいます。いまから約1300年ほど前に、聖武天皇の勅命をうけ、行基菩薩が岩窟に観音像を安置したのがはじまりといわれています。
写真:大宮 つる
地図を見るさて、「板東十一番 岩殿山安楽寺」という石碑を眺めながら、階段を上った先にあるのが、町指定文化財の「安楽寺仁王門」と仁王門に安置されている二体の「仁王像」です。朱色がまぶしい存在感のある“阿(あ)”“吽(うん)”の密迹金剛力士(元禄15年建立)がお迎えしてくれます。金網越しに眺めてみてくださいね!
写真:大宮 つる
地図を見るご本堂の手前に、小さめの「お地蔵様」と大きめの「大仏様」が2体ご鎮座。
大仏様は、お寺の資料によると寛政2年鋳造の阿弥陀如来とのこと。柔和な表情をしています。お地蔵様のほうは資料がなく不明ですが、お地蔵様が座られている台座が波打つ感じ、ユニークさを醸し出していますね。
写真:大宮 つる
地図を見る現在のご本堂は、1661(寛文元)年に、秀慶法印によって再建されましたが、歴史をさかのぼると次のようなことがあったそうです。
795(延暦14)年、坂上田村麻呂公は奥州征伐の途中、この地に立ち寄り、戦勝を祈願し、吉見領の総鎮守となりました。その後、源平合戦で名高い源範頼公は、平治の乱後、比企禅尼に庇護され、稚児僧として蟄居。のちに、居を構えて、代々この地方を領していたそうです。
源範頼公がこちらの「ご本堂」と、次にご紹介する「三重塔」を建立しましたが、北条氏との戦いですべて消失。のち1661年に再建されたという歴史のあるご本堂となります。なお、毎年6月18日に、「厄除観音」がご開帳されます。
写真:大宮 つる
地図を見る子授け、子宝祈願スポットとしても有名なことから、多くの“よだれかけ”がかけられています。
写真:大宮 つる
地図を見るまた、絵馬に願いごとをを託して祈願すると願いが成就するとも言われています。絵馬の多さから、吉見観音のご利益の篤さを感じ取れます。
「三重塔」は、今から約370年前の寛永年間(1624〜1645年)に果鏡(ごうきょう)法印によって再建されました。中に誕生釈迦尊像が安置されています。
全体の高さは約25メートル。インドにおいて仏教とともに起こった建築とされ、仏陀の遺骨を奉安し供養するために建てられたものです。また、純和風的建築様式を取り入れており、江戸時代初期の特徴が出ているものとのこと。
関東地方は塔建築が少なく、江戸時代初期の塔は埼玉県内に三塔ありますが、その中でもこちらの三重塔は、その時代の様式を最もよく伝えている極めて重要な建造物として、県の重要文化財に指定されています。
写真:大宮 つる
地図を見る吉見観音の参拝の帰り、参道沿い右手側に「どびんや」というお店があります。“厄除だんご”が食べられるので、立ち寄ってみてはいかがでしょう?
写真:大宮 つる
地図を見るその昔、疫病がはやった際に、おだんごを観音さまへお供えし、難を逃れたということにもとづいて、門前で売られているそうです。お味は、しょうゆ、のり、あまから、つぶあん、ゆずみその5種類。ゆずみそはこのお店オリジナルだそうです。
写真は、手前がしょうゆ、奥がゆずみそです。
「よろず願いごと」が叶うと話題の、埼玉県比企郡にある「吉見観音」をご紹介しましたが、いかがでしたか?
吉見町一帯がパワースポットで、吉見観音のほかにも、地域の守り神「八坂神社」、占い師の信仰が厚い「北向地蔵」、金運UPなどの「龍性院・弁天様」、「岩室観音」もあります。パワースポット巡りをしてみるのもいいですね!
最寄駅の東武東上線・東松山駅から、川越観光自動車の鴻巣免許センター行きのバスで久保田下車し、徒歩40分のところにあります。交通アクセスがそれほどよくありませんので、車での来訪がオススメです。無料の駐車場(50台分)があります。
なお、関連メモに、車で8分の距離にある「吉見百穴」についてまとめた記事など周辺のガイド記事を掲載していますので、旅の参考にしてみてください。
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この記事を書いたナビゲーター
大宮 つる
青森生まれ・静岡育ち。神奈川・東京を経て、現在、さいたま住まい。神社仏閣やパワースポット、珍スポットなど地域の魅力を発掘し、お伝えしていきたいと思います。元気な男児の子育てに奮闘中。台湾が好きでよく行…
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