大阪の二つの顔〜通天閣と慶沢園

大阪の二つの顔〜通天閣と慶沢園

更新日:2012/12/20 15:59

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
大阪を代表する繁華街は、キタとミナミですが、第3の街として、最近ますます注目を集めている天王寺界隈。

2014年に完成すれば、日本一の高層ビルとなる『あべのハルカス』が起爆剤となり、再開発が進んでいます。そんな活気溢れる天王寺界隈で『のんびり』と『パワフル』の二つの顔を持つ大阪を楽しんでください。

通天閣に昇って、天王寺界隈を俯瞰

通天閣に昇って、天王寺界隈を俯瞰

写真:SHIZUKO

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今年2012年7月に100周年を迎えた『通天閣』と『新世界』は、1912年(明治45年)に『ルナパーク』という遊園地とともに開業しました。

パリのエッフェル塔を模して作られた通天閣から、放射状に3本の通りが作られ、開業当時は、ルナパークまで日本初のロープウェイがあったというのですから、驚きです。浪花っ子の新しいもん好きの面目躍如ですね。ルナパークの開業で、新世界に芝居小屋や映画館、飲食店も続々と集り、この界隈は一大歓楽地へと発展しました。

通天閣開業の3年前に、天王寺公園が大阪市によって整備され始め、1915年には天王寺動物園が完成。住友家から寄贈された茶臼山本邸の書院跡に1936年に大阪市立美術館も完成し、庭園が『慶沢園(けいたくえん)』として、市民のオアシスになったとのこと。

写真の中央の建物が『大阪市立美術館』。手前の木々の多いところが『天王寺動物園』。右上の建物が『あべのハルカス』です。

新世界で何を食べる?

久し振りに『新世界』に行ってみて、本当に驚きました。噂には聞いていたけれど、これほどまでに変貌を遂げているとは。

子どもの頃は、親に連れられて天王寺動物園に行った後、新世界の『ジャンジャン横丁』でご飯を食べて帰るのは、かなり楽しみでした。とってもパワフルな街の雰囲気が楽しくて、ワクワクしたものです。でも、物心ついた頃から近寄るのが怖い場所になってしまい、ずっと足が遠のいていました。15年くらい前に行ったときも、やっぱり緊張が解けない状態。

それが、今や、明るい観光地にすっかり変わっていました。東京で言えば、浅草に通じるものがあります。

新世界をメジャーにした要因の一つは『串カツ』です。

大阪といえば、粉もんと串カツといわれるくらい、串カツは大阪を代表する食べ物になりました。『新世界で串カツ』が、大阪の観光スタイルとしてすっかり定着。確かに美味しいですから、お勧め。もちろん、ソースの2度付け(一度口に入れたものをもう一度ソースに浸けること)禁止。

人気のお店は、行列が出来ていますから、時間に余裕を持って遊びに行ってくださいね。串カツ以外にも、たこ焼きやふぐ、どて焼きも美味しいですよ。

再び賑わいを取り戻した町を通天閣がしっかり見守っています。

新世界で何を食べる?

写真:SHIZUKO

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金ぴかになった通天閣

金ぴかになった通天閣

写真:SHIZUKO

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大阪のおばちゃんは豹柄とキラキラ好きと言われますが、これは間違いではありません。そのルーツは、大阪城を作った豊臣秀吉かも。彼も金ぴかが大好き。黄金の茶室や黄金の風呂なんてのも作らせています。

それにあやかって、通天閣の展望台である5階フロアーは、エレベーターや柱のみならず、ゴミ箱まで金ぴかに変身しました。

通天閣のシンボル『ビリケンさん』も、きらきらと黄金に輝いています。

大阪の町を、黄金の豪華なフロアーから見下ろすと、なんだか殿様気分になれます。

贅を尽くした名庭園・慶沢園

贅を尽くした名庭園・慶沢園

写真:SHIZUKO

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天王寺公園内の大阪市立美術館の右手に広がる名庭園『慶沢園』。

多くの来園者が手作り弁当や、デパ地下で購入したらしいお弁当やおかずを持参。のんびりと美味しいものを楽しみつつ、ゆったりとした時間を過ごしています。ここは、大阪のオアシスのようです。

大名庭園を基礎に作られた林泉式回遊庭園。大きな池を真ん中に配置し、その周囲に名木や名石を置き、いろいろ趣向を凝らしてある庭園です。緑豊かなこの場所は、静かでとても落ち着きます。

月に1回、ガイドウォークが行われていて、無料で30分くらいいろいろ説明してもらえますから、日程をチェックしてぜひ参加してみてください。説明を聞きながら歩くと、何気なく置いてあるように見える石も、一つ一つこだわりがあって、なるほどと思わされます。

そんな石の中で、この庭園の見所の一つは『竜頭石』『竜尾石』。

ともに自然石で、手前の『竜頭石』は、竜が口を開けた姿。左の水辺に尻尾の『竜尾石』。2つの石の間にツツジを植え込み、竜の体を現わしているのですが、判りますか。これ、ガイドウォークに参加すると、とっても近くで見ることが出来ます。ぜひ、情報をチェックしてみて下さいね。

静かに佇む茶室・長生庵

静かに佇む茶室・長生庵

写真:SHIZUKO

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庭園の奥には『長生庵』という茶室があります。こじんまりとした佇まいに秋を感じます。わび・さびの世界ですね。パワフルな新世界界隈とは別世界。

普段は立ち入り禁止ですが、ガイドウォークに参加すると、入ることが出来ます。

そして、なんとここでお茶会も出来るそうです。1日の利用料は16,200円。月に1・2度は利用されているということです。

大阪市立美術館で美術鑑賞をして、慶沢園でのんびりして、新世界で大阪グルメを堪能して、通天閣で大阪を一望する1日。変化に富んだ大阪を楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/21 訪問

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