男体山は、古くは二荒山と呼ばれ、その名は観音浄土の「補陀洛(ふだらく)」に由来するそうです。
奈良時代から平安時代の僧・勝道(しょうどう)上人(735-817)によって開山され、日光の信仰と文化の礎が築かれました。
男体山へのコースは幾つかありますが、正式な登拝道は日光二荒山神社中宮祠(ちゅうぐうし)からとなります。中宮祠内の登拝門(とうはいもん)から山頂奥宮までは往復約6キロで、標高差は約1,200m。山頂までの所要時間(目安)は、約3〜4時間です。
急登が続き、標高差もかなりありますが、その苦労を補って余りあるほどの素晴らしい眺望が広がります!
■山名の由来は諸説あり
■金精峠付近から見る男体山の山容
日光二荒山神社中宮祠(ちゅうぐうし)は、男体山山頂の二荒山神社奥宮と、日光山内にある二荒山神社本社の中間にあることから中宮祠と呼ばれています。ご神体である男体山を背にして、「幸の湖(さちのうみ)」とも称される、美しい中禅寺湖の畔に鎮座しています。
中宮祠は、延暦3年(784)、勝道上人が山頂をきわめたあと、現在の地に二荒権現をまつる社殿を建てたのがはじまりといわれています。
ご祭神は二荒山大神で、大己貴命(おおなむちのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)、3柱の神様の総称です。
金運・幸運・縁結び・安産祈願等が御利益として知られており、もちろんご参拝のみを目的として訪れても良いでしょう。
なお、奥宮(山頂)への登拝は、社務所で受付が必要です。(有料)
■登拝受付時間:午前6時〜正午
男体山山頂は、勝道上人が初登頂の際、「ただ恍惚として眺めた」という表現も頷けるほどの素晴らしい眺望!
天候によっては、眼下に周囲約25kmの中禅寺湖や戦場ヶ原、日光連山、尾瀬の山々などが一望できます。さらに、遠く浅間山や富士山まで見渡せることも!
観音浄土にもたとえられる絶景を存分に堪能して下さい!
二荒山神社奥宮は、天応2(782)年、勝道上人が山頂に小さな祠を創建したことが由来とされています。
さらに、頂上(三角点)は、勝道上人一行が二荒山大神を拝したとされる聖域!
大岩の上には対面石と、長さ3.6m余りのご神剣が立っています。
現在のご神剣は、2012年10月に新たに奉納されたものです。
それまでの大剣は1880年に奉納されたもので、約130年ものあいだ風雪に耐え、山頂のシンボル的な存在でした。しかし、2012年3月に折れていることが分かり、その事実に多くの方が心を傷めていましたが、そのシンボルが復活したのです。
この剣は「草薙(くさなぎ)の剣」にもたとえられ、シンボルと呼ぶに相応しい威風堂々とした佇まいです。
山頂部は広く開けており、その他、二荒山大神像や味耜高彦根命を祀る太郎山神社もあるので、時間の許す限りゆっくり過ごしてはいかがでしょうか?
男体山の登拝期間は、5月5日〜10月25日まで。
鮮やかな新緑から色彩豊かな紅葉まで、季節を変えて訪れてはいかがでしょう?
その時々で全く表情が異なります。日光は紅葉の名所としても有名で、山肌を彩る紅葉のグラデーションと大展望は見事!
夏は、二荒山神社中宮祠の最大の祭りである男体山登拝講社大祭が行われ、僅か1週間のみ夜間の登拝が解禁されます。
霊峰の頂から拝するご来光は、感動の瞬間!感慨もひとしおです!
■紅葉見頃(例年):9月下旬〜10月下旬(山頂付近から徐々に下っていきます)
■男体山登拝講社大祭(例年):7月31日〜8月7日
今回、ご紹介した男体山は、二荒山神社の境内地。
男体山のみならず、女峰山や奥白根山をはじめとする日光連山8峰、さらに華厳滝やいろは坂などが境内に含まれ、その広さは約3,400haにものぼります。これは、伊勢神宮に次ぐ面積というから驚きです!
その中心となり、日光の信仰と文化を育んできた、霊峰・男体山の素晴らしき自然と歴史に触れてみませんか?
きっと、その奥深さに魅了されてしまいますよ!
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