提供元:遠藤隆尚
地図を見る創業明暦元年(1655)、古色豊かな純和風の老舗料亭「富貴樓」は、JR長崎駅から路面電車(蛍茶屋行き)に揺られること5分、諏訪神社前駅から歩くこと数分の、なだらかな坂の中腹にあります。
屋号の由来は、ときの内閣総理大臣・伊藤博文が訪れた際に、女将・内田トミさんの名から「富」を用いて名付けられました。
有形文化財にも指定されている料亭の門構えは、敷居が高いように感じますが、ランチのみ2名から利用できる「ミニ卓子料理」であれば、気軽に足を運べるでしょう。
*富貴樓では、卓袱料理を卓子料理と呼んでいます。
*事前に予約をしてください。
詳細はMEMOの「料亭 富貴楼」を確認してください。
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地図を見る宴会といえば、まずはビールで乾杯!が日本のおなじみの光景。
なのですが、卓袱料理は最初に「お鰭(おひれ)」というお吸物が出てきて、私達を驚かせます。「お鰭」は、鯛の身と鰭(ひれ)が入ったお吸い物で、”お客様一人に魚一匹を使いました”という歓迎の気持ちが込められているそうです。
主人役(料亭では女将)が、お客様に「おひれをどうぞ」と挨拶し、宴が始まります。
魚の出汁がよく効いた、さっぱりとした味わい。空腹な胃にも優しく染み渡ります。
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地図を見る食前酒とおひれを頂いたら次に出てくるのは、酢の物・口取り・お刺身など、季節の山海の珍味が彩りよく盛られた冷菜。
刺身の盛り合わせは必ず小菜に含まれ、最初に箸を付けるのが習わしだとか。口取りは、海・里・山の食材を季節に合わせて造られていて、見た目も彩りも美しく、食べるのが勿体ないほど。
*大人数の場合は大皿に盛りつけられ、各自が直箸でざっくばらんに頂くのですが、2名の場合はすでに小分けにされて出てくる場合もあります。
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地図を見る九州地方、特に薩摩を代表する郷土料理、お土産屋さんでもよく見かけるほど有名なトロットロの角煮は、卓袱料理では「東坡煮(とうばに)」と呼ばれています。
一度水煮してから時間をかけて煮込む「東坡煮」は、コクやゼラチン質の食感は残しつつも、余分な脂は取り除かれているので、あっという間に食べてしまいます。
中鉢には、東坡煮のほか、食パンの間に海老などの擂り身を挟んで油で揚げた「蝦多士、蝦吐司(ハトシ)」や、黄卵を使った衣で揚げた長崎独特の天麩羅、鶏ガラスープで煮込んだ具材を盛り付けてパイ生地を乗せて焼いた南蛮料理「パスティ」など、聞き慣れない料理が沢山あります。
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地図を見る卓袱料理の締めには、水菓子と「梅椀(うめわん)」を頂きます。
5種の具材が盛られた椀盛りを、5枚ある梅の花びらになぞらえて「梅椀」と呼んでいるのですが、卓袱料理では、献立の最後に出される甘味を指しています。
日本の漆器・ポルトガルで好まれる甘味・中国の薬膳と、三国の要素が詰まっているとも言われる卓袱料理の「梅椀」。
塩づけの桜に小さなお餅が、なんとも可愛らしいお汁粉です。
いかがでしたか?
料理を大皿に盛りつけ、身分の上下に関わらず円卓を囲んで楽しく食事をするのも、当時の日本では考えられない光景でした。
開放的で新しいもの好き、人見知りもしないし、格式にこだわらない。そんな長崎の人々の風土と気質が産んだ料理「卓袱料理」は、一食の価値がある郷土料理です。
料亭 富貴楼
住所: 〒850-0006 長崎県長崎市上西山町5−4
電話:095-822-0253
今回ご紹介した料理は「料亭 富貴楼」の”お昼限定特別ミニ卓子”ですが、すべての料理を掲載しておりません。
詳細はMEMOの「料亭 富貴楼」を確認してください。
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