ジオパーク・丹後半島ぐるり一周秘境の旅

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ジオパーク・丹後半島ぐるり一周秘境の旅

ジオパーク・丹後半島ぐるり一周秘境の旅

更新日:2014/08/12 11:09

ナツキのプロフィール写真 ナツキ きのこの文化研究家、博物学者

海の京都の極めつけ・丹後半島は交通の不便さから陸の孤島とされてきました。しかし、親潮の洗う日本海の絶壁を縫うシー・ラインは、奇岩絶景の連続であるのみならず、わが国のさまざまな説話・伝承のゆかりの地がちりばめられています。
今夏よりこの丹後を満喫する「ぐるっと丹後周遊バス(ぐるたんバス)」が初運行。荒々しくも雄大な自然がぐっと身近なものとなりました。この現代の秘境・丹後半島の魅力を紹介いたします。

橋立の北の守り、丹後一の宮・籠神社

橋立の北の守り、丹後一の宮・籠神社

写真:ナツキ

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元伊勢で知られる籠(この)神社は、国宝「海部氏本系図」をはじめ数々の文化財を有する丹後随一の古社。
この神社の見どころは、社頭の鎌倉期の名作・石の狛犬2基。ちょっと他所には類を見ない素晴らしいものです。
また、この神社のパワースポットは、伊勢神宮の外宮に相当する奥の宮・真名井神社にあります。この神社には過去十回以上訪れていますが、年々聖地整備がほどこされ、現在では禁足地、撮影禁止など、タブーだらけでかつての素朴な森厳さは失われてしまいました。が、その分現代人のイメージに添うそれらしい霊験あらたかさが増してきました。
神社脇からは、股のぞきで有名な笠松公園、成相寺へいたるケーブルカー乗り場があります。

徐福伝説を伝える新井崎神社

徐福伝説を伝える新井崎神社

写真:ナツキ

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1階が舟置き場という独特の風景・舟屋ですっかり有名になった伊根を過ぎて、海岸沿いをさらに奥へ進むと紺碧の海に真向かう徐福上陸地と彼を祭った新井崎神社があります。
中国の「史書」に登場する方士・徐福は、秦の始皇帝に「東方の海中に島があり、そこの仙人は不老不死の仙薬を調合していますので、それを求めてきましょう」と一族郎党を引き連れて専制君主の帝国から脱出することに首尾よく成功しました。
この仙薬とは、黒茎の蓬と九節の菖蒲だったといわれます。

新井崎(にいざき)海岸の黒々とした海蝕岩は、その昔蝙蝠山の噴火の際の火山岩といわれ、沖合の老人嶋(おいとじま)神社のある冠島と関連づけられてきました。
ここは丹後半島でも屈指の秘境でしたが、近年道路が整備され比較的容易に訪れることができるようになりました。(但し、ぐるたんバスのコースからは外れています)
写真は新崎神社から黒い火成岩の磯と沖合の冠島を遠望。

浦島太郎伝説を今に伝える宇良神社

浦島太郎伝説を今に伝える宇良神社

写真:ナツキ

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浦島太郎伝説を伝える地は、伊根町の本庄浜にそそぐ筒川河口の宇良神社と丹後半島の西の端の網野町の嶋子神社、そして大阪の住吉大社があります。いずれも物部氏の族長クラスの一族が住みついて伝えられた氏族伝承によるものです。この宇良神社では浦嶋子が亡くなった日とされる8月7日が大祭と定められ、太平楽、剣の舞などの流れを汲む太刀振り、乙姫の饗宴や舞楽の艶やかさを偲ばせる歌謡をともなう花の踊りが村人総出で演じられます。神社脇には水の江里浦嶋公園があり、浦嶋伝説を映像・光・ジオラマビジョンなどで紹介するほか、玉手箱の疑似体験もできます。

京都最北端にそびえる白亜の経ケ岬灯台

京都最北端にそびえる白亜の経ケ岬灯台

写真:ナツキ

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紺碧の海を背景に日本海に向かってスックと立つ白亜の灯台まで来ると最果ての地に来たなと思わずため息が出ます。駐車場から岬先端にある灯台までは片道徒歩20分。灯台からの展望は美しいの一語に尽きます。
写真は灯台より袖志海岸、間人(たいざ)、網野方面を俯瞰したものです。

義経が寵愛した静御前生誕地のある網野町

義経が寵愛した静御前生誕地のある網野町

写真:ナツキ

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丹後の間人(たいざ)は、聖徳太子の母の間人(はしうど)皇后が隠棲されたことから間人と書いて退座を意味する読みが当てられたと伝えられています。
この間人には竹野媛の名に由来する竹野川が流れ、古代丹後王朝の存在を示唆する巨大古墳群もあり、古代史のスクランブル交差点を成しています。
その間人を抜け、鳴き砂の琴引き浜を過ぎれば丹後半島の西の端の網野町に至ります。

この網野町から夕日ケ浦方面へ向かえば、海岸に張り付くような集落の磯地区があります。この地こそが義経が寵愛した白拍子の静御前が生まれた土地であり、晩年(といっても20数歳で亡くなりました)を暮したところ。
磯地区の山寄りの地に木像の静御前を祀った静神社があり、磯地区の集落の真ん中に海を背にして生誕地の碑が建っています。

おわりに

丹後半島は平安の都の薄明域の説話のルーツ。そして、京都というイメージから隔絶した荒々しい自然が猛威をふるう世界。
そんな人と自然の織り成す古代史のテーマパークが、ぐるたんバスの開設で格段に近しい存在となってきました。蕪村がこの地で残した絵画のテーマにゆかりある地(徐福・静御前・経ケ岬)をテーマにするもよし、ビーチや絶景ポイントを辿るもよし。丹後半島は、訪れる人それぞれの期待に応えてくれるしっかりとした奥行をもった土地柄です。ぜひこの機会に訪れてみてください。

ぐるっと丹後周遊バスは7月19日(土)〜11月30日(日)(2014年)の土日のみ、8時40分〜15時40分まで1時間ごとに運行。
天橋立発、網野駅、浜詰夕日ケ浦までワンウェイ。
帰路は、北近畿タンゴ鉄道利用で橋立駅、宮津駅まで戻れます。
バスと鉄道がセットになったぐるたんパス1000円(子供500円)が便利です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/03 訪問

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