写真:那須 マッキー
地図を見る栃木県において那須塩原は日光に次いで「滝」が多い事で有名。沿道沿いにあるお手軽に観漠が出来る滝から、体力に自信のある健脚向けの、ちょっとハードなハイキングコースがあります。今回はその健脚コース中でも特に人気のある「秘境スッカン沢」のトレッキングコースをご案内します。私は何度も訪れていますが、苔むす森、渓流の美しさ、滝の迫力はいつも違う表情を見せて楽しませてくれます。
「雄飛の滝線歩道」ハイキングコースは、那須塩原を南東に流れる、スッカン沢沿い2キロの道のりを往復約2時間で散策します。歩き始めて1キロの地点付近からは「素廉の滝(それんのたき)」「仁三郎の滝(別名・舞姫滝)」「雄飛の滝」の3つの滝が続き、最終地のスッカン橋の「カツラの大木」を目指します。
写真:那須 マッキー
地図を見る渓谷を流れる、スッカン沢という名前は、高原山の噴火により、そのカルデラ跡を水源としているため、火山成分の鉱物や炭酸が多く含まれている水が流れています。この沢の水は昔は辛くて飲めないことから、「酢っ辛い沢」と呼ばれていました。それがなまって「スッカン沢」になったと云われています。
この沢の水は現在でも、場所によって「蒼白く」見える事があります。四季を通して美しい渓流を見せていますが、この沢には魚は住めないそうです。
写真:那須 マッキー
地図を見る渓谷沿いに一番最初に現れるのが「素廉の滝」しかし、この滝は気まぐれな滝で、その全貌を現わすことは、滅多にありません。「素廉の滝」は、横幅が100メートルとも150メートルとも、云われています。遊歩道の対岸の岩肌一面を流れ落ちる様子が「すだれ」に似ていることから、その名が付いたと云われています。多い時には、20台ほどのカメラと三脚が立ちならび、長い時間シャッターチャンスを狙っている事もある、人気の撮影スポットです。
素廉の滝を過ぎると、「仁三郎の滝(舞姫滝)」へ到着、いつも水量が多くて、見応えのある観漠が期待できる滝です。仁三郎とは最初にこの滝を発見した人の名前です。舞踏場のような滝壺に流れ落ちる滝の様子が、白いスカートをまとった、乙女のように見える事から、別名・舞姫滝とも云われています。
写真:那須 マッキー
地図を見る「仁三郎の滝」と「スッカン橋」の中間にある滝が、「雄飛の滝」です。岩に囲まれた薄暗い場所に指す一筋の光のように見えて、夕日が傾くのも忘れるほど美しいことから「雄飛(夕日)の滝」と言われます。観漠台からの眺めは「雄飛の滝」上部を見る事が出来ます。ルートを外れ、滝壺へ降り眺める方法もありますが、初めて訪れる方には危険ですから、お薦め出来ません。
このハイキングルートに「雄飛の滝線歩道」の名が付く位に、有名な滝です。一見の価値はありますよ。
写真:那須 マッキー
地図を見る今回の最終目的地、スッカン橋のたもとのある「カツラの大木」です。樹齢は不明ですが、明治時代の文献には「蠎蝎桂樹(もうかつけいじゅ)」大蛇のようなカツラの大木と紹介されています。その大きさと異様な形状は、見るものを威圧するような迫力があります。
「カツラの大木」の後ろ側には、桂状摂理という岩質の「薙刀岩(なぎなたいわ)」があり、こちらも見どころの一つになっています。
本来であれば、これより先には「咆哮霹靂の滝」「雷霆の滝」へ行く事が出来るのですが、先の震災の影響により、当分の間は通行止めとなっています。この2つの滝へ行くには、お隣の矢板市八方ヶ原方面から進入する方法しかありません。「カツラの大木」まで行ったら、必ず引き返すようにしてください。
美しい渓谷と滝を満喫できるスッカン沢の旅です。秘境と言われる位、今も残る手つかずの自然は一見の価値がありますよ。体力と足に自信のあるハイキング好きの方にはお薦めです。
知る人ぞ知る有名な「雄飛の滝線歩道」ですが、歩きにくい場所もところどころありますので、余裕を持った時間配分が必要です。
今回の往復所要時間2時間には休憩時間、食事時間、滝の観漠時間は含まれていません。
歩行はスニーカーでも可能ですが、出来る限りトレッキングシューズのご利用をお勧めします。進入禁止の場所もありますので、ルールを守った行動をお願いします。なるべく単独行動は避けグループでの楽しいハイキングをお勧めします。
■携帯電話は圏外となりますので、ご注意ください。
■携行必需品は、レインウェア(上下セパレートタイプのもの)、帽子、水。両手が使えるよう荷物は両肩で背負うリュックタイプに入れましょう。季節を問わず長袖シャツの着用がお薦めです。
■駐車場は「雄飛の滝線歩道」入り口にあります。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/3更新)
- 広告 -