イスタンブールの世界遺産「ブルー・モスク」見所とマナー

イスタンブールの世界遺産「ブルー・モスク」見所とマナー

更新日:2018/03/20 14:45

世界で最も美しいモスクと評され、1985年に世界遺産に登録された「スルタンアフメット・ジャーミィ」は、トルコ国内最大都市イスタンブールの旧市街、世界遺産歴史地区の中心エリアにあります。「ブルー・モスク」の名で親しまれるトルコを代表するこの寺院は、オスマン帝国時代1616年に建造されたものです。今も信者が集まる聖なる場ブルー・モスクの見所を、モスク見学のマナーと一緒にご紹介します。

スルタンアフメット歴史地区のシンボル

スルタンアフメット歴史地区のシンボル
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東洋と西洋の文明が融合するエキゾティックな都市トルコ・イスタンブール。そのイスタンブールの中でも、地区自体が世界遺産に認定されている「イスタンブール歴史地区」の中心にあるモスク(モスクをトルコ語ではジャーミィと言います)が「スルタンアフメット・ジャーミィ」です。

「スルタンアフメット・ジャーミィ」は、直径27.5mもの大ドームを中心に4つの副ドームと30の小ドームから成り立ち、大理石とタイルで作られた外観は、華美ではないものの圧倒されるほど厳格な重厚感を醸しだしています。
夜には季節を問わずライトアップされ、エキゾティックで神秘的な街の灯りと一体化し、また昼とは異なる景観が、この地区にあるレストランやホテルの屋上などから眺められます。

モスクの前には、記念撮影する観光客や市民の憩いの場としての美しい公園が広がり、この公園に面した観光客用の入口から中へと無料で入り見学することが可能です。

神の言葉や威厳を現す書と生命力溢れる模様

神の言葉や威厳を現す書と生命力溢れる模様
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重々しい外観から、内部へと足を一歩踏み入れた途端、その鮮やかで繊細に装飾されたドームの内装に、圧倒されます!緻密な模様が天井まで描かれていて、首が痛くなるまで見続けてしまうほどの美しさなのです。写真の一番奥、ブルーのサークルや帯がある部分が大ドームの中央で、神のいる天を現している装飾がなされています。

ブルーのサークルや帯の上には、金色のアラビア文字で、神の言葉の威厳を伝える書が描かれ、色鮮やかな植物の模様は、生命力を伝える象徴として表現されているそうです。イスラム教にとっての書は、仏教同様最高位の芸術ともいわれ、緻密で完璧な装飾は、オスマン朝建築の傑作として高い評価を得ています。

オスマン帝国14代スルタン・アフメット1世は、1609年から7年の歳月をかけてこのモスクを建造し、完成した翌年に亡くなりますが、その莫大な建築費がオスマン帝国の没落に拍車をかけたとも言われているのが納得できるほど見事な装飾です。

1日に5回の祈り、美しい礼拝堂へ

1日に5回の祈り、美しい礼拝堂へ
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このモスクでの礼拝は1日5回。観光客は立ち入ることができない、一面にチューリップの模様が美しく織り込まれた絨毯の上で行われます。
一番最初にご紹介した外観に、モスクに付随するように細長い塔が見えるかと思いますが、この6本の尖塔(ミナーレ)から、礼拝時刻のアザーン(詠唱)が大音量で街中に流れます。特に夜明け前のアザーンは起こされるほどの迫力です!

朝から晩まで閉ざされることのない「スルタンアフメット・ジャーミィ」ですが、この祈りの間だけは観光客も見学することを控えるのがマナーです。季節などによって礼拝の時間は変わるので、見学可能時間が張り出されることもありますが、あくまで目安の時間です。早朝は礼拝も少ないのでゆっくり見学するには朝8時〜10時頃をお薦めします。

また、入口には靴を脱ぐ場所が用意されていて、この祈りの聖域に入らなくてもモスクに入るには、必ず靴を脱がなければなりません。脱いだ靴を入れるビニール袋も用意されていますが、小サイズのものなので、できれば自分の靴が入るサイズの袋を持参しましょう。靴を持って見学するようになりますから、持ち歩き難いロングブーツなどは控える方がベストです。

ブルー・モスクと呼ばれる由来

ブルー・モスクと呼ばれる由来
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モスク内のドームには、260余りもの窓があり、どの窓にもステンドグラスの装飾がなされ、2万枚以上の青を主体としたイズニックタイル(イズニックはトルコ・ブルサの都市名でタイルが製造された地名が由来・原料の枯渇により17世紀後半より現在は製造されていません)で覆われています。

太陽光がこのステンドグラスを通って、淡い青い光となりドームの中を照らし、イズニックタイルの色彩も、青が協調されて浮かび上がることから、ブルー・モスクと呼ばれるようになったそうです。
この2万枚以上ものイズニックタイルは、様々な模様を使っているにも関わらず、建物全体として見ると、ステンドグラスの色彩と融合して、見事な秩序ある構成が無限に連なっているようで神秘的。宗教を越えて"綺麗"とため息をつかせる美しさが、ここにはあるのです。

最後になりましたが、モスクは祈りの場で、肌を露出させることを極力避け、慎んだ行動が望ましいそうです。その為肌の露出や髪をスカーフ等で覆うことは、見学する際のマナーの1つでもあります。
ブルーモスクの入り口でスカーフの貸出もありますが、できれば自分のものを持参して、世界一美しいモスクで、たっぷりと異国情緒を堪能してみてはいかがでしょうか。

見学を終えた最後には、

「スルタンアフメット・ジャーミィ」は入場無料のモスクですが、出口で寄付を受け付けています。寄付をすると、金額に関わらず、寄付金の利用目的や管理団体名などがトルコ語で書かれたスルタンアフメット・ジャーミィ発行の受領書をくれますので、入場券代わりに旅の思い出として寄付されるのもいいですね。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/12/15−2013/12/16 訪問

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