重要文化財の古建築が素晴らしい横浜「三溪園」

重要文化財の古建築が素晴らしい横浜「三溪園」

更新日:2012/11/06 16:54

結月 ここあのプロフィール写真 結月 ここあ 旅行ブロガー
横浜と言えば山手の西洋館やエキゾチックな港町のイメージですが、ここ三溪園は5万3千坪の庭園に10棟の重要文化財を含む17棟もの古建築があります。
なんと京都や鎌倉などの各地から、原三溪氏が歴史的建築物を収集・移築したもので、四季折々の景観も美しく、日本の美を感じることができるスポットです。

三溪園の象徴である「旧燈明寺三重塔」

三溪園の象徴である「旧燈明寺三重塔」

写真:結月 ここあ

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入り口に入るとすぐに、目に飛び込んでくる景色がこれです。
美しい庭園のどこからも見ることが出来る「旧燈明寺三重塔」。

三溪園は、生糸貿易で財をなした横浜の実業家である、原三溪氏の元邸宅です。
三溪氏が京都や鎌倉などから、歴史的に価値のある建築物を移築して、明治39年に三溪園として一般に公開を始めました。

園内には、10棟の重要文化財を含む、17棟の古建築が四季折々の景観に佇んでいます。
横浜にありながら、現代の建物が視界に入らないことに驚きます。

重要文化財にも指定されている古建築の中から、特に歴史のある優雅で美しい建築物を紹介したいと思います。

徳川吉宗が幼少期過ごしたと言われる、巌出御殿

徳川吉宗が幼少期過ごしたと言われる、巌出御殿

写真:結月 ここあ

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1649年建築の「臨春閣」は、紀州徳川家初代頼宣が建築した数寄屋風書院造りの別荘建築で、巌出御殿(いわでごてん)を移築したものです。
重要文化財に指定されているだけのことはあり、ご覧の通り美しく、趣のある建物になっています。

橋の中央には屋根付きの観月台もあり、月を見上げたり、水面に映る月を楽しんだりしたのでしょう。

今でも、ここからの月は美しいとか。

狩野派の襖絵も美しい内部

狩野派の襖絵も美しい内部

写真:結月 ここあ

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臨春閣の内部です。
狩野派の襖絵も美しい数寄屋風書院造り。

避暑のために建てられたもので、見た目は地味ですが、細部はなかなか手の込んだ細工があちこちに見られます。

現在は、残念ながら障壁画は複製画で、原本は園内の三溪記念館で収蔵され、定期的に展示もされています。

徳川家光ゆかりの風流な聴秋閣

徳川家光ゆかりの風流な聴秋閣

写真:結月 ここあ

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聴秋閣は、京都二条城にあった徳川家光、春日野局ゆかりの楼閣です。
こちらも重要文化財に指定されています。
静寂の中に、川のせせらぎの音が心地よく響きます。
風流って言葉が似合いますね。
書院造で、茶亭としての機能も果たしていたようです。

園内に咲く花や木々は、基本的には外来のものはなく、どこからも四季の景色を十分に堪能できるようになっています。

廃物になってしまいそうな建築物を重要文化財に

廃物になってしまいそうな建築物を重要文化財に

写真:結月 ここあ

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ダム建設により寄贈された「旧矢箆家住宅」は、白川郷にあった江戸時代の庄屋の家で重要文化財指定となっています。

茅葺屋根の見事な合掌造で、囲炉裏や古民具などの見学や、屋根裏の部分にも登ることが出来ます。

原三溪氏は、巨額の富を、生涯この三溪園に費やしました。
目利きもよかったので、廃物になってしまいそうな建築物を譲り受け息を吹き込み、重要文化財に指定されるまでになりました。
素晴らしいことですね。

お客様を招いたり、お茶会を開いたり、仏間として使っていたりと古建築を生活の一部として使われていたそうです。
建物に対する愛情があったからこそ、この三溪園があるのでしょう。
三溪園で、美しい日本庭園や歴史ある古建築に触れてみませんか、優雅な気持ちになれますよ。

三溪園へは、JR横浜駅や根岸駅、みなとみらい線の元町中華街駅からもバスの便があります。
見学後は、中華街に繰り出すのもいいですね。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2010/04/14 訪問

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