幻の軽便鉄道!兵庫県播磨町郷土資料館に残る別府鉄道の遺産

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幻の軽便鉄道!兵庫県播磨町郷土資料館に残る別府鉄道の遺産

幻の軽便鉄道!兵庫県播磨町郷土資料館に残る別府鉄道の遺産

更新日:2014/08/21 17:32

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

ローカル線のなかには時代の移り変わりによって廃線となり、いまではその痕跡をたどるのが難しいものも見られます。兵庫県加古川市や播磨町一帯で活躍した軽便鉄道・別府鉄道もそのうちの一つ。しかし、かつての沿線にある播磨町郷土資料館には当時の車両や貴重な鉄道遺産が保存・展示されており、在りし日の別府鉄道の雄姿を目にすることができます。今回は廃線マニア必見の幻の鉄道・別府鉄道をしのぶ旅に出掛けてみましょう。

別府鉄道の在りし日を伝えるDC302

別府鉄道の在りし日を伝えるDC302

写真:乾口 達司

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別府鉄道(べふてつどう)は、播磨灘に面する別府港と内陸部とを結んだ軽便鉄道のこと。化学肥料を製造する多木製肥所(現在の多木化学株式会社)の製品を出荷し、官設鉄道(現在のJR)まで運搬する目的で設置されました。1921年(大正10)、別府港口駅―野口駅間を走る野口線が開業(3.7キロメートル)。その2年後の1923年(大正12)には土山駅とのあいだを走る土山線(4.1キロメートル)が開業しますが、山陽本線と接続する土山線の開業にともない、貨物輸送はおもに土山線、旅客輸送は野口線がそれぞれになうこととなりました。その最盛期は1960年代。しかし、自動車の普及にともなって輸送形態が激変し、1984年(昭和59)1月31日をもって、63年間の鉄道営業にピリオドが打たれました。

現在、別府鉄道の遺産の多くは土山線の沿線に位置する大中遺跡公園内の播磨町郷土資料館に保存されています。写真は資料館の裏手に静態保存されている車輌。前方側のディーゼル機関車DC302は、1953年(昭和28)、川崎車輌(現在の川崎重工業株式会社)で製造されたもの。重量30トンで全長8.33メートル、幅2.74メートル、高さ3.7メートルからなる車輌です。廃線からすでに30年の歳月が流れていますが、いまなお別府鉄道で活躍していた車輌が見られるのは、鉄道ファンには特に嬉しいことですよね。

最大の魅力は車輌に乗り込めること!客車ハフ5の内部

最大の魅力は車輌に乗り込めること!客車ハフ5の内部

写真:乾口 達司

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DC302が牽引するのは客車のハフ5。長さ9.35メートル、幅2.62メートル、高さ2.65メートルで定員は50名。1930年(昭和5)、日本車輌で製造され、別府鉄道に入線した1959年(昭和34)以来、廃線まで当線で活躍しました。

なかでも、魅力なのは、実際に車輌に乗り込めること!写真はハフ5の内部の様子を撮影したものですが、そのレトロな装いが昔のローカル線ならではの雰囲気をかもし出してくれています。ちなみにDC302の運転台にも入れるので、ぜひ、ご自身が運転手になった気分を味わってください。

館内の収蔵品もあわせて見学を!車輌にとりつけられていたプレートの数々

館内の収蔵品もあわせて見学を!車輌にとりつけられていたプレートの数々

写真:乾口 達司

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別府鉄道ゆかりのものは館内にも展示されています。写真は車輌にとりつけられていたプレートの数々。「DC302」というプレートは、もちろん、上で紹介したディーゼル機関車DC302にとりつけられていたものです。実物を車輌を目にしているだけに、プレートに対する印象もより強いものとなるはずです。

こちらも懐かしい!鉄道機器類の数々

こちらも懐かしい!鉄道機器類の数々

写真:乾口 達司

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写真は転轍標識灯や出発合図器、合図灯などの機器類。いずれも鉄道の運行に欠かすことのできない必須アイテムであり、当時を知る資料としても貴重なものばかり。鉄道ファン垂涎の品々ですね。

車輌が走行!?廃線跡に設置された「であいのみち」

車輌が走行!?廃線跡に設置された「であいのみち」

写真:乾口 達司

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鉄道ファンのなかには、実際に車輌が走行していた路線の跡を歩いてみたいと思う人も多いでしょう。別府鉄道の場合、その大部分は開発によって失われていますが、実はその名残りをとどめるところもあるのです。それは大中遺跡公園を貫くようにして走る資料館の目の前の道!通称「であいのみち」と呼ばれている遊歩道で、かつての土山線に沿って整備されたものなのです。この道の上を30年前まで別府鉄道が走っていたかと思うと、感慨深いですね。公園散策のついでに「であいのみち」も歩いてみましょう。

おわりに

いまから30年前に廃線となった別府鉄道。しかし、その遺産がいまなお数多く残されていることがおわかりになったのではないでしょうか。廃線となった鉄道のなかでも特にマニアックな路線であるため、特に廃線マニアにはぜひ訪れていただきたいところ。別府鉄道の在りし日の姿を目に浮かべながら、当地に足を運んでみてください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/07/09 訪問

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