写真:bow
地図を見る若狭地方の中心部、若狭町(旧上中町)、そこに名水百選『瓜割の滝』があります。平安時代・村上天皇の勅願寺である天徳寺。その境内の山あいの岩間に『瓜割の滝』の水源があり、清らかな水がこんこんと湧き出ています。その水が『瓜割の滝』となって流れだしています。
さかのぼること養老年間からここは神泉・霊泉と尊ばれ、五穀成熟病退散の霊験ありと信じられ、信仰の対象とされていました。また何年経っても絶え間なく水が湧き続けていることから、ここは雨乞いの地として有名だったとされています。真夏でも枯れることなく、冷たい水を生み出し続けるこの森は神聖な「水の森」としても敬われてきました。
そんな『瓜割の滝』は、一年を通して水温が変わらず、夏でも水につけておいた瓜が割れるほど冷たいというところからその名が付いたとされています。
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地図を見る『瓜割の滝』を求め、天徳寺の境内「水の森」の中を歩きます。森の中には清らかな川が流れていて、見ているだけでも涼しげ。
やがて画像の場所に辿り着くのですが、実はここが『瓜割の滝』!滝というからには見上げるような流れを想像していた方にとっては拍子抜けかもしれませんが落差は1m程度、こじんまりとした滝なのです。この滝付近では名水をいただくこともでき、冷たく、美味しい水にきっと癒されることでしょう。
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地図を見る『瓜割の滝』は昭和60年、環境庁が全国各地の湧水や河川の中から100か所の名水を選んだ「名水百選」の一つに選ばれました。『瓜割の滝』の水は名水百選の中でも保存可能期間がトップクラスにランクされているという特徴もあるんだそうです。
また『瓜割の滝』がある若狭町が、平成8年に国土交通省が”地域固有の水をめぐる歴史文化や優れた水環境の保全に努め、水を活かした町づくりや村づくりに優れた成果をあげている地域”として選定した「水の郷百選」に認定されました。
さらに『瓜割の滝』は平成18年には福井県が飲用に適し、基準を満たした水を35カ所選定した「ふくいのおいしい水」にも認定されました。
『瓜割の滝』から湧き出る水は、この付近の幾重にも重なった地層が自然のフィルターとなってゆっくりと年月をかけて濾過された水。美味でミネラルバランスがよく、もちろん地域の人たちにも愛されています。
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地図を見る『瓜割の滝』には非常に珍しい藻類が繁殖しています。良く見ると川底や石が赤い色をしています。これは「ヒルデンブリンチアリブラリス(ヒルデンブリンディアリブラリス)」という、ちょっと舌を噛みそうな長い名前の紅藻が繁殖しているためなのだそうです。この赤い藻はこの『瓜割の滝』の水質・水温・水量でしか生育しないというとても貴重な種類なのだとか。
『瓜割の滝』は夏は前述の通り、冷やした瓜が割れるような冷たさ。逆に冬は暖かく湯気が立ち上がるとされています。これは1年を通して水温が常に一定であることを示しています。そんな『瓜割の滝』の素晴らしい環境が珍しい紅藻類を育んでいるのです。
いかがでしたか?
『瓜割の滝』の下流には名水公園として庭園が整備されていて、春の桜、初夏には1万株ものアジサイ、秋の紅葉と、四季折々の景色と水の調和を楽しめるようになっています。ぜひ庭園にも足を踏み入れてみて下さい。
昭和61年には天皇陛下、皇后陛下もこの地を訪れて『瓜割の滝』の水をたいへん美味しいとお褒めになったそうです。『瓜割の滝』の水は持ち帰ることもでき、駐車場の一角には水汲み場も設置されています。利用する際には目の前にある売店、「名水の里」で名水シールを買った上で水汲み場を利用するようにしましょう。シールは容器1個につき300円。代金は『瓜割の滝』の清掃協力金として役立てられます。せっかくの名水ですので、ぜひ行かれた際には持って帰りましょう!
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(2024/10/14更新)
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