写真:旅人間
地図を見る日本海の荒波が打ち寄せ、荒々しい断崖絶壁が続く福井県坂井市の「東尋坊」は、テレビドラマでも頻繁に登場する景勝地。ところで、この「東尋坊」の地名の由来が、ここから突き落とされた僧の名前と言うのを知っていますか?
その昔、平泉寺に東尋坊という怪力で乱暴者の僧がいました。そして彼は美しい姫君に心を奪われ、真柄覚念(まがらかくねん)という僧を恋敵として激しく対立していたそうです。
1182年4月5日、とても天気の良い日に、平泉寺の僧たちは東尋坊を誘い、海を見下ろせる崖の上に腰掛けて酒盛りを始めました。しばらくして東尋坊は酒に酔って横になり、うとうとと眠り始めてしまいます。その時!真柄覚念は、ここぞとばかりに東尋坊を絶壁の上から海へ突き落とすのです。東尋坊は我に返り反撃しますが、無念にも崖から真っ逆さまに…。
東尋坊が死に絶えると、太陽の輝いていた空は突然、黒い雲に覆われ、豪雨と雷で大地は激しく震え始めます。そして東尋坊の怨念は、自分を殺した真柄覚念をもその絶壁の底へと引きずり込んだそうです。以来、東尋坊が落とされた4月5日の前後には、毎年烈しい風が吹くと言われています。それから、この地を「東尋坊」と呼ぶようになったそうです。
東尋坊の断崖絶壁は歩くことが出来ます。しかし、ここには柵がありません。もしも足を滑らしてしまったり、バランスを崩してしまったりすると大変ですので注意が必要です。
もし、近くまで行って崖の底を見たいと言う場合は、十分に安全を確保したうえで、そ〜っと崖の下を覗くようにしましょう。そこには切り立った岩が幾重にも重なり合い、底には濃色な海が見えます。そして下から巻き上がってくる風は、まるで笑いかけてくるようにも感じられ、その迫力に足がすくみ思わずガクガクするかも…。
写真:旅人間
地図を見る東尋坊の断崖絶壁を見てまわったり、「ここがドラマ殺人現場でよく使われるシーンの場所だ」など周囲を散策するのも面白いですが、この東尋坊を本気で楽しみたいのであれば遊覧船に乗るのがおススメです。
この遊覧船は、東尋坊から雄島まで約30分で周遊してくれるもの。遊覧船が出発すると、ゴツゴツとした岩が続き、波によって浸食された様々な奇岩を見て楽しめます。そして越前海岸でもっとも大きな島で、この地で「神の島」とあがめられている雄島まで向かいます。
写真:旅人間
地図を見る遊覧船に乗って雄島を周遊した後は、大きな見どころが待っています!断崖絶壁の合間に船が入って行くのです。目の前に迫る約25メートルの高さの岩壁は、ビルの高さにすると9階ほどの高さになると言われ、その迫力は声を失い見上げてしまうほど!
そして、岩壁の上の方を見ると、恐る恐る下を覗きこもうとしている人達の姿が見えてきます。崖の上から下を覗きこんだ時の迫力は言うまでもありませんが、遊覧船に乗って下から岩壁を見る迫力は、何とも言えないドキドキ感があります。東尋坊では、上からも下からもその迫力を楽しむのが醍醐味と言えるでしょう♪
この切り立った岩は、マグネシウムの対鉄比率が高い黒色の「輝石安山岩(きせきあんざんがん)」で別名サヌカイトとも言います。そして岩石に規則正しい割れ目を持つ「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」で、これほどの規模を持つものは世界に三箇所だけと言われています。地質学的に極めて貴重で、東尋坊は国の天然記念物及び名勝に指定されています。
写真:旅人間
地図を見る潮風を浴びながら進む遊覧船は、大迫力の岩壁や海食された様々な奇岩を楽しむことが出来ます。岩石に沢山の平行な割れ目が入っている「板状節理(ばんじょうせつり)」や「ハチの巣岩」「夫婦岩」「ローソク岩」、まるで東尋坊を座って見守るライオンのような「ライオン岩」は見逃せない見どころです。
特に「ライオン岩」は、船の上からしか見えず、しかもライオンが座っている姿は一定の角度でしか見る事が出来ません。でも、その姿を見つける事が出来ると、確かにライオンが東尋坊を見守ってるように見えます。まさに、遊覧船に乗った人だけが見られる、レアな絶景です!!
写真:旅人間
地図を見る遊覧船から見る「ライオン岩」は、一定の角度からしかその姿を見る事が出来ません。しかし、その近くを走る時に遊覧船は、スピードを落とし少し静止してくれます。だからしっかり見るチャンスはあります。
しかし、遊覧船の座席の配置で見えなかったり、ついついタイミングを逃してしまったりする人も多いようです。そんな人にワンポイントのアドバイス。ライオン岩の前を通り過ぎた遊覧船は、再度同じ場所を通りますので、2度チャンスがあります。もし、写真を撮りたいと思って見逃してしまった場合は、次のチャンスにバッチリ撮りましょう。
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(2024/12/5更新)
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