山車が大集結!富士山本宮浅間大社、秋の例大祭「富士宮まつり」

山車が大集結!富士山本宮浅間大社、秋の例大祭「富士宮まつり」

更新日:2014/09/03 12:43

富士山の八合目以上をご神体として管理する、富士山の構成資産の一つ「富士宮本宮浅間大社」。毎年11月上旬に浅間大社で最も古いまつり「富士宮まつり」が行われます。県指定無形民俗文化財の「富士宮囃子」を奏で豪快な山車が集結。そんな祭魂が感じられるまつりと、源頼朝が奉納したと云われる歴史あるまつり「流鏑馬」を併せてご紹介します。

朱色をした美しい社殿

朱色をした美しい社殿
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色鮮やかなこの建物は、富士山本宮浅間大社。全国に約1300ある浅間神社の総本社です。徳川家康が江戸幕府を開いた翌年の1604年に、祈願成就のお礼として富士山本宮浅間大社を造営。その後、家康の命令で再建された今の社殿は、国の重要文化財に指定されています。

地元の方は「浅間さん」と呼び親しみ、ここに祀られている祭神は、容貌と貞淑の誉れ高い「木花之佐久夜毘売命(このはなさくやひめのみこと)」。女性の神様なので、七五三のシーズンには可憐な着物を着た可愛い子供たちの姿が多く見られます。家庭円満・安産・子安などにご利益があって、火難消除・漁業・農業の守護神として全国的な崇拝を集め、ここを訪れる人の姿は絶えません。

富士山本宮浅間大社の前身は、富士山を浅間大神として最初に祀った山宮浅間神社。大同元年(806年)に現在地に遷座され、富士山は古くから信仰を集め、中世には足利氏や武田氏などが社領の寄進や社殿の造営を行ったそうです。境内には、二世ですが武田信玄お手植えの枝垂れ桜が植えられ、西門近くには、織田信長が武田氏に勝って石に腰かけて富士山を眺めたと伝承される「富士見石」など、歴史に名高い武将の名前が残さた歴史ロマン溢れるスポットもあります。

実りの秋に感謝するまつり

実りの秋に感謝するまつり
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浅間大社では、年間を通して様々なイベントが行われます。中でも秋に行われる「富士宮まつり」は、記録によれば875年から続く一番古くから行われているまつり。3日間行われ、街中まつり一色に染まる、見応えのあるまつりです。
まつりのメインは、2日目に行われる「本宮」と呼ばれる共同催事。浅間大社前に参加地区の屋台や山車が勢揃いし、一斉囃子(ばやし)と共同踊りが繰り広げられ、神事が行われます。

『富士宮まつり』
開催日:平成26年11月3・4・5日
※日程時間など、詳しい内容は下記のMEMO【富士宮観光協会】よりご覧下さい。

豪華絢爛な山車

豪華絢爛な山車
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神事の後、県指定無形民俗文化財の「富士宮囃子」を奏でたり、勇壮な競り合いが夜まで行われます。囃子は、太鼓や鐘の音が何とも日本的で、心を弾ませてくれるリズムカルなメロディー。
人のうごめく熱気と迫力を間近くで体感することができ、日本のパワーが感じられます。

まつりに出ている山車や屋台の最上部に見える人形は、浅間神社に関わりのある人形が乗せられています。ちなみに「城山区」と言う地区では、山宮浅間神社から現在の地に富士山本宮浅間大社を遷座した征夷大将軍の坂上田村麻呂が乗せられているので、訪れたら是非探してみて下さいね。

「さっそう」と駆け抜ける勇ましい姿

「さっそう」と駆け抜ける勇ましい姿
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こちらは、変わって5月上旬に行われる「流鏑馬」。
源頼朝が富士の裾野で巻狩りを行い、武将を引き継いで大社に流鏑馬を奉納したと言われる故事から毎年行われています。

天下太平や武運長久を祈ったのが起源とされ、浅間大社の門前の「桜の馬場」と呼ばれる場所で開催されます。まつりでは、鎌倉武士に扮した射手が馬にまたがり、走りながら55cm四方の的に矢を射とめます。力強く砂を蹴り上げながら走る馬の姿や、一瞬にして的を射るので、片時も目を離せなく、とてもスリリングです。
見事に矢が当った的は、縁起物として販売されるそうなので、是非いかがですか?

富士宮まつりと同様に、流鏑馬まつりも3日間行われます。まつりの期間中、浅間大社の境内にたくさんの露店がずら〜りと軒を連ねるので、出店を見学するだけでも楽しいですよ。
流鏑馬まつりは、初夏の風物詩になっていて「5月の流鏑馬でこたつをしまって、11月の富士宮まつりでこたつを出す」と言われるほど、市民にとってどちらも季節感あふれるまつりで、移り行く季節の目安になっているそうです。

馬が実際に走る流鏑馬は、まつりの2日目に行われます。歴史ある流鏑馬を目の前で見てみてはいかがですか?

富士山の雪解け水を体感!

富士山の雪解け水を体感!
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浅間大社を訪れたら、絶対に見ておきたいのが国の特別天然記念物に指定されている湧玉池。
湧玉池は、富士山の雪解け水が伏流水となって湧き出る不思議な池。かつて、道者が登山前に水垢離(みずごり)を行った場所ですが、文化財になった貴重な場所で現在は池に入ることができません。ですが「どうしても、池の水を体感したい」という方は、こちらがお勧め。
この場所は、湧玉池のすぐ隣にあって、池から流れ出た水が流れる神田川。

水と親しめるように親水区域があって、川に足を浸すことができます。水温は年間を通して約14度とほぼ一定。そのため、夏でもひんやりしていて、涼を体感できます。
しかも、平成の名水百選に選ばれた清らかで美しい水。ちなみに毎年3月には、この川で「富士宮ますつり大会」が行われます。

おわりに

浅間大社の前に、富士宮やきそばブームの火付け役の富士宮やきそば学会のアンテナショップなどが入った「お宮横町」があります。焼きそばに舌鼓を打ちながら、まつりをご覧になってもいいかもしれませんね。

天気が晴れていれば、浅間大社前の鳥居から壮大な富士山が見られ、富士山を仰ぎながら行われる富士宮まつりに、是非訪れてみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/04−2014/08/23 訪問

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