写真:盛 千夏
地図を見るコンクールが行われるスペイン・バレンシア州のスエカ村は、パエリア発祥の地であるアルブフェラ湖(国立公園)に近く、スペインでも有数の米どころとして知られています。
村祭りの1イベントとして1960年スタートした国際パエリアコンクール(Concurso Internacional de Paella Valenciana)は年々知名度が上がり、2016年のコンクールは第56回目を迎え、世界で一番権威のあるパエリアコンクールとなっています。
つまり、本コンクールで優勝=世界一のパエリア職人ということになります。
写真:盛 千夏
地図を見る日本では、ムール貝・海老・イカなどをふんだんに盛りつけたシーフードパエリアが一番メジャーですが、本場バレンシアで一番愛されるパエリアは、見た目が地味なバレンシア風パエリア(パエージャ・バレンシアナ、Paella Valenciana)です。
材料は、米・鶏肉・ウサギ肉・モロッコインゲン・ガラフォン豆(花豆の一種)・トマト・サフラン・オリーブオイル・塩・水。
かたつむり・アーティチョーク・ローズマリーが入る場合もあります。スープストックやだし汁などは一切使用せず、鶏肉とウサギ肉を時間をかけ、たっぷりのオリーブオイルで炒める事で出てくる滋味でお米を炊き上げます。
本来は農作業の合間に食べる料理だったため、バレンシア名物であるオレンジの薪を使い、野外で調理します。オレンジの薪から出る煙で風味付けされたパエリアは、ガスで炊きあげたものより数段上の出来となります。
そして国際パエリアコンクールのお題は、バレンシア人にとってのソウルフードのバレンシア風パエリアです。
公正な審査をするために、薪・パエリア用のフライパン・食材は全てコンクール側が用意し、審査時にはどの調理人がどのパエリアを作ったかは分からないようになっています。
材料は多めに支給され、薪の使い方、サフランの量、肉や水の配分で各自の腕が試されます。
審査基準は、「味・見た目・おこげ・色・食感」の5つだそうです。「おこげ」が審査基準の一つになるとはさすがお米文化のバレンシアならではで、同じくお米文化の日本との共通点を感じますね。
写真:盛 千夏
地図を見る大会参加者達は10時30分に集合ですが、一番盛り上がるのは12時過ぎです。
丸まま渡される鶏肉やウサギ肉の捌き方を最初から見たい人は、11時。
薪の火をおこし、具材を炒めるところから見たい人は12時に会場に到着すれば大丈夫。
会場の端から端まで見て回り「ココだ」と思うブースを見つけたら、最初から最後まで作り方をじっくり見るのも良し、参加者に話しかけても良し、パエリアを炊く薪の煙を逃れて、ビールやタパスで一杯やりながら休憩しつつの見学も良しです。
13時45分には一斉に調理の手を止め、コンクール会場から審査会場に調理人達自らパエリアを運び込み審査開始となります。
写真:盛 千夏
地図を見る残念なことにコンクール用のパエリアは一般見学者は食べることが出来ませんが、コンクール会場に安くて美味しいスペイン料理屋台がたくさん出店しています。
タパスや飲み物を食べるには1枚1ユーロのチケットをはじめに購入し、それを食べ物や飲み物と引き換えます。1枚(1ユーロ)のチケットで食べ物1皿か飲み物1杯になります。
屋台には生ハム、チーズの他にもちろんパエリアもあります。パエリアは種類もいくつかあり、一皿のサイズも小さめなので食べ比べてみて下さいね。
日本でも大人気のスペイン料理。
そしてその人気を後押しするのは、日本人シェフたちの確かな腕です。
2013年のコンクールでは、日本人若手シェフ3名(門前仲町「バレ・パエージャ」、豊洲「スペインバル バルデゲー ららぽーと豊洲」、バレンシア「Kamon」)がチームを組み、ベテランスペイン人シェフ達にまざって4位入賞と大健闘。なんと国際部門では1位という素晴らしい結果を残しています。
2014年からはパエリアコンクールの規定が変わり、コンクールに出場する=日本最高のパエリア職人を意味するようになりました。スエカでの本戦の前に世界各国で予選が行われ、日本の出場枠はたった3チームのみ。
2016年の3回目となる日本予選(豊洲パエリア)では、優勝:銀座「エル・チャテオ」、2位:中目黒「バル・ビスカ」、3位:高円寺「アノカド」の結果でした。この3チームがバレンシア・スエカで行われるパエリアコンクールに参加です。
バレンシアからスエカ村まではエスタシオン・デル・ノルテ(Estación del Norte、ノルテ駅)から電車が便利。
バレンシア−スエカは、コンクールの行われる日曜日は1時間に1本程度の運行で、ガンディア(Gandía)行きのC1という近郊線に乗り30分(6駅)で到着です。
電車を降りて駅の正面入口を出るとそこはもうコンクール会場です。
天気が良ければかなり日差しが強くなりますので、水分補給とサングラスを忘れずに!
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(2024/10/16更新)
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